「舐めプじゃん。」僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト 康介さんの映画レビュー(感想・評価)
舐めプじゃん。
鬼滅の刃や呪術廻戦0のようにもととなった話を映画化するのとは違い、話を0から作らなければいけないため、制約も多いし、多少話が雑になったりするのはしょうがないと感じている。 そのため、ヒロアカ映画はデクたち主人公サイドのキャラたちがバトル面でどういう手札を切ってくるのか、どういう活躍をしてくれるかが感想の8割近くを占めている。
そのうえで言わせてもらうと、デクがこの記事のタイトル通り舐めプをしていたのではないかと感じた。この言葉の指す意味は、戦いの最中に遊んだりしていたという意味ではなく彼らの出せる最終形態で挑まなかったことがこの映画への不満の9割近くのウェイトを占めている。
デクは2代目の個性である変速を最終章で使うのだが、この能力の立ち位置を簡単に言えばドラゴンボールに出てくる超サイヤ人3、ガンダムシリーズに出てくるトランザム等のような制限時間付きのむっちゃ強い強化形態であり、これを使うと反動で一定時間戦闘力が落ちてしまうデメリットを有している切り札のようなものなのだが、このデメリットの程度と言うのが今まで腕や脚の骨をぶっ壊しながら戦っていたので、デクが使う反動付きの技で言えば相対的にデメリットが皆無寄りの形態である。 そう過去2作の映画で腕が紫になるまで敵を殴ったり蹴ったりしていたデクにとってはあってないようなものなのである。 そして、この映画の時系列は文字通りの最終決戦の約1週間前となっており、ヒロアカ映画は原作の時系列にねじ込まれるため、1週間前にデクたちを大怪我をするような激しい戦闘をこなせない都合上、OFA100%=腕がぶっ壊れる攻撃が作品の都合上使えない状態であった。個性変速を使った状態での戦闘はたしかにデメリットを被るものの、先述した大怪我に該当するほどのデメリットは被らないし、現に原作は変速を使ったあともわりかしケロッとしていたことが何よりの証拠であるだろう。 それを使わないのは意味がわからない。 ぶっちゃけダークマイトをこの形態でフルボッコにするデクを見に来た私にとって、この映画はあまり満足度の高いものではなかった。