「濃密なアクション巨編」僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト 桜春さんの映画レビュー(感想・評価)
濃密なアクション巨編
良かった。非常に良かった。よって全てのラージフォーマットを見る事にした。
実は前回映画からのヒロアカ参戦組。前回はゲスト声優の吉沢亮のキャラが良くて(ほぼ主役)原作愛のあるゲスト声優に原作者が全力で応えてくれた感じで初見でも見やすく非常に面白かった。その分レギュラー組の活躍は薄かったが、何しろ私は初見組なので運良くそれが気にならなかった。その後、テレビアニメ全話を鑑賞し満を持して今回の劇場版。
実は鑑賞前はさほど期待していなかった。テレビアニメが最終決戦中で緊迫感マシマシなのに今更スピンオフ作品はどうなの?と思っていた。スピンオフはラスボスがどうしても思い入れのないポッと出になってしまうので沢山のエピソードを重ねて来た本編に比べると話全体が薄くなってしまうのは仕方ない事だ。しかし、今回はラスボスのポッと出感を無くす為にメインキャラオールマイトに似た悪役にしたところが大きな工夫だったと思う。オールマイトと二役で三宅健太さんが喋るのでゲスト悪役の小物感はなかった。
それから1番の見どころはアクションシーンだが、充実感が凄い。始めからMAXのアクションシーンが次から次へと。実はアクションシーンにも緩急がないとどんな凄いアクションでも観客は飽きが来てしまうものなのだが、私が飽きなかったという事は戦闘の舞台を変えたりゲストキャラが個性だけでなく武器を使うキャラだったりして上手い具合に目先を変えていたのだろう。
それと前回映画は面白かったのだが、1つだけ気になったのはクライマックスのアクションシーンが説明不足(敵キャラの能力不明)で何をやっているか分かりにくく前半のアクションシーンの方が盛り上がった気がした事だった。しかし、今回は事前に敵キャラの能力をストーリーの中で見せていたり、初見キャラは台詞で説明してくれたので何をやっているか分からない事はなくきっちりクライマックスは盛り上がった。その上で戦闘シーンの熱量が持続して凄かった。日本アニメの凄さを堪能出来たし、本当にいいものを見せて貰ったという気がした。
それからVaundyの主題歌は2曲ともカッコ良くてめちゃめちゃ良かった。ドラえもんの主題歌も良かったが、全く別方向の曲調で作品にも寄り添っているのに、これだけの曲が作れるって驚きでしかない。主題歌も大音響でまた聞きたいので次はドルシネで。