メカバース 少年とロボットのレビュー・感想・評価
全6件を表示
少年とロボットのタイトルに偽りなし
壮大な世界観の割に内容は非常に局所的というか地味
これがUSA製だったら火星帝国を滅ぼす所だったと思うけれど……
まぁ、そこはリアル寄りでそんな事もなく主人公が小隊入りする所で
終わり、少年とロボットのタイトルまさしくそのままの意味だった
メカのアクションは重厚感はあるものの、大部分が偵察機と訓練風景なので
物足りなさは否めない
登場人物は主人公と筋肉と一番野郎とチーフとキャプテン以外はマジ空気
というかそれぞれの個性を生かす展開が欲しかった感
主人公はなんか小さい頃受賞してたしそれに筆記テスト一番っていう
頭脳を生かして……みたいな
ロボットとの絆の物語というテーマも自分としては好きなジャンルではあったが
お国柄なのかそこら中で笑いを取るスタイルなので
どういう感情で見れば良いのかよくわからなかったそのお陰かイマイチ感情移入し辛かった
最後のバナナの皮を投げ合うシーンは嫌いじゃなかったが……
監督をとりまく環境込みで考えると夢のある作品だったとは思う
しかし登場人物を含めてほぼアジア人だらけの所に
巨大ロボットというファンタジーさとの剥離を見て
例えばハリウッド作品でいう白人黒人の登場人物で
日本人として自分は画面を通しての非現実感を覚えていたのだと改めて認識した
(これがメカコーポ・シンガポール支部とかのお話だったらまたこうは思わなかった)
まぁこういう一種のミニマムな話もたまにはいいかなと思ったのも事実
なので☆3
あと火星ロボはギルガザムネかなにか?(火星帝国はギガノスだった……?)
映画館で観ると粗が目立ってしまうのだが、スケール感が劇場向きなのが何とも言えないところ
2025.3.5 吹替 イオンシネマ久御山
2023年のシンガポール映画(97分、G)
亡き父の後を追ってロボットのパイロットになる少年を描いたSF青春映画
監督&脚本はリッチ・ホー
原題は『Heavens: The Boy and His Robot』で、「Heaven」は劇中で登場する惑星間移動ができるゲート「Heavens」のこと
物語の舞台は、近未来の地球のどこか
少年カイ(イライジャ・ホー、幼児期:ジョセフ・ホー、青年期:ジョナサン・シー)は、父(サミュエル・リム)のようになりたいと思っていた
父は地球軍のロボットパイロットで、地球を守るために日夜奮闘していた
だが、ある時の戦いにて死んでしまい、宇宙のもくずとなってしまう
さらに母(ロセアナ・ン)も父と同じように戦争に行ってしまい、約束の10年が過ぎても音信不通のままだった
カイは父の友人に預けられ、母親を探すために自前でロケットを作ろうと考える
様々な分野の知識を仕入れ、そしてプロトタイプを完成させるものの、実験は失敗に終わった
だが、その実験を養父母の友人である地球軍のキャプテン(リッチ・ホー)が見ていた
キャプテンはアカデミーに来るように言い、そして彼はパイロットになるためのテストに向かうことになったのである
映画は、主に訓練生時代を描き、そこで鬼軍曹と呼ばれるコーチ(ケニー・ウー)にしごかれる様子とか、他の訓練生と仲を深めていく様子が描かれていく
カイは頭脳は優秀でも基礎体力が備わっておらず、喘息持ちというハンデがあった
だが、必死に訓練に食らいつき、何とかロボットとの接続にまで漕ぎ着けることができた
カイはロボットのとのコンタクトを済ませ、彼に「リトルドラゴン」という名前をつける
そして、カイとリトルドラゴンの戦いの幕が切って落とされるのである
と、映画本編はここで終わるという感じになっていて、最終決戦は火星から偵察に来た一小隊と戦うという構図になっている
おそらくは敵の司令部にも伝わったと思うのだが、そのあたりは次回作に期待をというところなのだろう
映画は、11年もの歳月を投入し、ほぼ自己資金と支援で賄った作品なのだが、そりゃあこの映像を作ろうと思うとお金が掛かるよねという内容になっていた
低予算でも作れるホラー映画とは違って、これだけのメカがCGで動くとなると複雑な処理が必要になる
そして、それに付随する背景にもお金が掛かるのだが、そのあたりは許してねという感じでスルーされていたように思えた
物語は、よくあるハンデ練習生の成り上がりというもので、そこまでサプライズなものはなかった
主人公に特殊能力があるということもなく、周りよりも頭が良いという部分があって、そのひらめきによって事態を打開するというもので留まっている
これ以上チートな能力があると冷めるので、これぐらいがちょうど良いのかな、と思った
いずれにせよ、公開規模がえらいことになっていて、宣伝にも力が入っているのだが、やはりシナリオが弱くて、お客さんが殺到するという内容になっていないのは惜しい
主人公は普通の男の子ということもあるが、彼自身が他の訓練生よりも明確に秀でている部分がわかりにくいのと、彼自身の変化が乏しく見えるのが難点なのだろう
彼には喘息というハンデがあるが、それが戦いで克服できるものではないので、彼自身が何かを得るという部分が弱く見えてくる
そう言った面も含めて、完成させたことがゴールとなっているように宣伝されていることもマイナスなのだと思う
映画は努力だけでは口コミにはつながらず、心を奪うだけの何かが必要になってくる
そう言ったオリジナリティがないと厳しい世界なので、本作はその追求が弱いゆえに残るものが少ないのかな、と感じた
海外のロボットものにありがち
実写版ロボットもので海外作品はメジャーどころじゃないとあまり期待はしないのだが、ボルテスVにつづきそこそこ楽しめた
自立行動ができるロボット兵器に操縦者が必要なのか という疑問と
そんな高度なAI搭載ロボットが作れる割に基地での発着誘導に生身の人間が退避壕なしに足元でウロチョロしてたり、高機動で活動中の兵器に安全具なしで生身で人間がしがみついてたりとチグハグなツッコミどころが満載です
結論、シンガポール版パシフィックリム
リアルよりヒーロー寄り
「グアイウ 地下鉄の怪物」に続いて、シンガポールに縁があって鑑賞。というか同国発のロボットSFなんて見ないわけにいかない。ということで評価にはかなり贔屓目が入っている。
何よりも、「パシフィック・リム」同様に、アニメ・特撮を問わず、ヒーローロボットドラマへの憧憬が表れていると感じた。フィリピンで「ボルテスV」がリブートしたように、志が世界に広がるのは素直に嬉しい。
映像は、ちょっとレトロフィットなロボや戦闘機の造型はいい線いってるし、実景との合成もよくできていると思った。ただ戦闘シーンが動いているものが多すぎて追いづらい。コンテがよく練れてないような感じ。音響は、吹き替え(しか今のところ上映してない)なのにしばしば台詞が聞きとりにくい。ロボや通信の音声へのエフェクトが強いとか、効果音とのバランスの問題か。原語版も見たい。
世界設定やストーリーは(「スターシップ・トゥルーパーズ」とか、それこそパシリムなどで)既視感があるが、父は地球軌道で戦死し、「父さんは宇宙から見守っている」と言っていた母も土星に出征し未帰還、という導入でもう涙してしまう。残されたひ弱な少年がロボ部隊に志願し、分隊の仲間や意思を持つロボとの交流で強くなっていき、クライマックスでの「父」との邂逅、そしてロボとの別れ……王道だが悪くない。(ちなみに、シンガポールは兵役義務が全男性にあるため、こういう新兵の成長譚は琴線に触れるものがあるのではないかと思う)
今回は候補生の修了試験中に会敵し戦果を挙げたところで終わり、母の行方の話が回収されていない。本作が売れれば作られるであろう続編に期待したい。
蛇足だが、邦題の「メカバース」はどうなのだろう。メタバースやマルチバースのような別の世界は出てこないし、むりやり流行り物に乗ってる感がある。(原題は"HEAVENS: A Boy and His Robot"で、Heavensは作中の空間跳躍装置を指す)
Sora
シンガポール映画って記憶に無いなー、しかもロボット映画だなんて全てが新鮮だなーとワクワクしながら鑑賞。特典はステッカーでした。
ロボットのデザインやCGはかなり迫力があって良かったのですが、肝心の物語の薄さや、監督が殆ど演じ切ったキャラクターの悪い意味でのクセな強さが足を引っ張りまくってあまりのめり込めませんでした。
オープニングではいきなりの空中戦争が展開され、ド派手に撃ち合いまくっており、状況はよく分かりませんが危機に陥ってる感じも良かったですし、主人公の父が戦いに向かっていく今生の別れも、ベタですが導入としては見事だなと思いました。ただここがピークでした。
物語は王道成長もので、父と母の後を追って訓練所で操縦士として育っていくものでした。主人公は筆記が満点で体力テストはギリギリというのはよく見たことある設定だなと思いました。
肝心のロボットに乗り込んだ辺りから監督と自分の面白さのズレが起きてしまったなという印象です。Gに耐える訓練とかは根幹からいくスタイル良いなと思ったら、出るキャラ出るキャラゲロを吐いていくので、そこで不快感が出てきました。
キャラ付けも濃いものばかりで、擬音筋肉バカはまだしも、なんでも1番取りたがりボーイは1番!と言うだけの役割でしたし、潔癖ボーイは空気でしたし、あと一人は陽キャといちゃもんつけてくるくらいの印象の薄さでした。
チーフは何故か吹替では語尾が上がるのが謎でしたが、飴と鞭を使い分ける良い師匠的ポジションにギリギリ収まっていたかなと思いました。後からやってきた同僚はテンション高いなくらいでした。
モジャモジャ頭は主人公に過去に会ったことある人で、何かキーパーソンになる存在なのかなと思ったら、食べ方の汚さに全部持っていかれて、この時点でこの映画には期待以上のものは出てこないなと思いました。
全体的にギャグなのかどうかアンバランスなものが多く、謎の間だったりゲロ連発だったり、笑えるシーンを用意していたんだと思うんですが、笑えはしませんでした。
終盤の戦いも空中でうまいことロボットに乗るというなんだかよく分からないもので、その際に敵に襲撃されて急遽戦う事になるという展開の焦りっぷりも乗れず、一体何がなんだか分からないまま決着がついてしまう置いてけぼりにされた感じでした。
目覚めた後に仲間がやんややんややってるのもギャグのはずなのに興醒めしてしまいました。
エンディングで未来に飛ぶのかと思いきや、まさかの過去の回想に行くという今までにないやり方でしたが、だからどうしたという感じの映像ばかりで、オチの付け方もぶつ切り感が否めませんでした。
無骨なデザインやスタイリッシュなデザインのロボットが素晴らしく、特にチーフのパーツ合体しまくりロボットが最高にイカしていました。何故か火星のロボットは武将スタイルでしたが、日本のロボット以外でこういうデザインを見れたのは儲けもんでした。
吹替陣は本職オンリーなので問題無しでしたが、完全に客寄せパンダとして起用されていたなと思いました(自分もそうですが)。
もっとこう…ドンパチやってくれるのかと思いきや、滑り倒したギャグや謎すぎる映像のぼやかし方だったり、ロボットで稼いだ長所を一気にかき消してしまったのが残念でした。
監督が殆どを制作したというのは凄いと思うんですが、それ故のクセの強さが合わなかったです。んーもったいなかったです。
鑑賞日 11/18
鑑賞時間 10:40〜12:25
座席 L-9
期待したけどがっかり。
完成披露試写会で見てきた。
内容は序盤から巨体ロボの出る戦闘シーンから始まり掴みはOKだったのに前半は主人公の訓練に費やされて退屈。
中盤で敵ロボとの戦闘に上官のエース機体の登場と盛り上がったのにまた訓練に戻りかつ逃げ出す展開にがっかり。
終盤は最終テストに何故かやって来た敵ロボ倒して部隊に正式採用で終わりとジャンプの打ちきり漫画みたいな締めだった。
どうせなら敵ロボを両親の仇にしてそれを倒して成長する展開にした方が良かった。
肝心のロボはデザインは良いし、よく動くけど主役ロボがエース機体や敵ロボに比べて最後まで地味なのが凄く残念。
キャラもシンガポールのお国柄なのか変なキャラ付けされててずっと滑ってるコント見せられてるみたいだった。
製作に11年掛かったそうだけど面白さに結び付いてないのでロボと吹き替え声優に興味無いなら見なくてもいい映画。
全6件を表示