「SHIGUSA EXPERIENCE」恋脳Experiment uzさんの映画レビュー(感想・評価)
SHIGUSA EXPERIENCE
平井亜門と中島歩が揃ったら観るしかない。
綺麗になりたくて彼氏をつくる、という通常とは逆の論理展開をする主人公がユニーク。
しかし、相手のぽっちゃり君もその先で出会う男たちも、主人公ですら、恋愛絡みのキャラが皆ろくでもない。
どいつもこいつも自分勝手で、そりゃ上手くいかんわ。
そんな様子をコミカルかつシニカルに描いており、特に中島歩パートは突出していた。
しかし、テーマとなる“呪い”に関して表現できてるとは言えない。
ポスターに『「恋を、しなければ。」の呪いを解き放て』とあるが、そもそも仕草にそんな様子あった?
綺麗になるためだったり、芸術に転化したり、常に恋を“糧”にしてるように見えたよ。
たまに変わったこともするが突飛とまでは言えず案外フツウで、正直どっちつかずな印象は拭えなかった。
大学時代にいきなり「ヤグ」と呼ばせたのは最悪。
仕草だと確定してヤ(まだし)グ(さ)の略だと気付いたが、別人か親が離婚かなど無駄に考えてしまった。
個人の感覚では、周りからあんなにカワイイカワイイと言われる感じに見えないのも違和感。
主人公以外の視点は要らなかったし、ラストに結論を台詞で言っちゃうのも残念かなぁ。
演劇人としても人間としても成長した佐伯は好きだし、中島歩の新しい引き出しが見られたのも収穫。
幼少の仕草役の、アップになった目の芝居は凄かった。
祷キララは、伊藤万理華や河合優実に続く『サマーフィルムにのって』第三の刺客になれるかと期待したが…
まだ惹きつけるものまでは感じなかったです。
栗原の気持ち悪さに嚥下音を使ったり、センスと面白さは感じたので、監督には期待したい。