恋脳Experiment

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恋脳Experiment

解説

幼少期から思春期を経て大人になるまでのひとりの女性の恋愛経験を通し、人生で直面するさまざまな“呪い”をコミカルかつ辛らつに描いたドラマ。

子どもの頃からおままごとや絵本に囲まれ、素敵な異性との出会いに憧れてきた山田仕草。中学生になった彼女は「恋をするとかわいくなれる」という噂を聞き、同じ塾の男子に告白して付きあうことになるが、その先には思いがけない展開が待ち受けていた。その後もさまざまな男性との出会いを重ねていくなかで、自分にかけられていた“呪い”の存在に気づいた仕草は、自分自身と向きあうようになっていく。

「サマーフィルムにのって」の祷キララが主人公・仕草を好演し、大学時代の仕草の恋人・佐伯を「アルプススタンドのはしの方」の平井亜門、社会人となった仕草の恋人・金子を「ナミビアの砂漠」の中島歩が演じる。短編アニメーション「Journey to the 母性の目覚め」でPFFアワード2021審査員特別賞を受賞した岡田詩歌監督が、そのスカラシップ作品として制作した長編実写映画デビュー作。

2023年製作/110分/G/日本
配給:ストロール
劇場公開日:2025年2月14日

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映画レビュー

2.0おそらく新しい試みのPFFスカラシップ作品

2023年9月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

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ミチテラシ

2.0丁寧・かっちり。だからどうした?

2023年9月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

恋に恋する乙女の成長と変化を、少女時代・学生時代・社会人のステージごとに見つめてゆく。短編アニメーションやMV・CMで活躍する監督の、初の実写劇映画だそう。

すぐに気づくのは映画作品としての手堅さ。カメラ・照明・録音・編集・色調整、どれもきっちりと適切適正にチューニングされているし、俳優の演出もおおむね破綻がない。劇映画の監督が初めてでスタッフと俳優との協働をこれくらいきちんとこなせるのは確かに一つの才能で、映画学校の修了製作としてみるなら、審査員の満場一致で満点をとることはまちがいない。

だけどさ、それがどうしたってことなんだよね。破綻がないかわりに、傑出・突出したところもまったくない。一応するすると最後まで見つづけられるかわりに、強く引きつけられるショットもない。専門学校の技術見本として作るもんなのか映画って。

それに良く撮れたシーンのほとんどが、監督が精密にコントロールしたからではなくて、技術スタッフに工夫してもらって撮ってもらった成果なのが丸わかりだったなあ。技術スタッフの創意を引き出すのは映画制作の前提ではあるが、それで喜んでちゃ本末転倒じゃないですかね。

あえて美点を言えば、俳優のさまざまな表情をとらえることに成功している。とくに主演女優(祷キララ)と男優二人(平井亜門、中島歩)はのびのび動いている。はげしい喜怒哀楽は出てこないが、そのあわいにある感情のこまかな動きが見える瞬間は多かった。これは撮影現場にそのようにコミットできた監督の手腕。ここはきちんと評価されていいと思う。

そしてキャラクター造形も、たとえば学習塾のヘンな教師とか、ぽちゃ顔の中学生とか、セクハラ体質のデザイナーとか、あちこち監督のこだわりを感じさせた。このあたりは確かに彼女のオリジナルな部分。

脚本は… 事務局の人は名言が多いとか言ってたけど、正直いってマンガとカラオケとTVドラマの言葉の集大成にしか見えないですねえ。

エンディングも、意味ありげなだけで結局つきつめて考えることを放棄してしまっている。思わせぶりなことをゲージュツと混同する演出は日本映画で長く長くつづく悪習で、こんなに若い監督にもその伝統は生きているんだという驚きがあった。

以上を要するに、きちんと手をぬかずに作られているし、TVドラマやマイナーな映画祭では十分に一角を占める作品ではあるが、監督がこの姿勢でのぞむかぎり、ここから先はどこへも行けない。そう感じさせる映画でした。

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milou