劇場公開日 2024年7月12日

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「藤竜也の芝居に圧倒させられます」大いなる不在 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0藤竜也の芝居に圧倒させられます

2024年6月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

採点4.2
舞台挨拶付きプレミアム試写会での鑑賞
近浦啓監督の長編二作目、藤竜也主演のヒューマンドラマ。そこにサスペンスをうまく織り交ぜた作品でした。
冒頭から「え?」と言ったスタート。
時系列をバラバラに組み合わせ、ページを捲るよう段々と見せてくるのは実に巧みでした。
絵もしっとりとした美しさで、その細い音楽とすごいマッチしてました。
息子役卓の森山未來は静かだけど、とても魅力に溢れていました。
そして何よりも父陽二役、藤竜也の芝居に圧倒させられます。
記憶と人格をも段々と失い、胡乱とする様が見事としか言いようがなかった。
記憶を欠き施設に入所した父の家を片付けるうち、散財するメモや日記から徐々に父の心を知る。
物語は最後まで全て止まったままです。
しかしながら、行き詰まっていた卓のパフォーマンスに見られるよう、存在しなかった親子としての繋がりがそこには見えました。
実に深みのある作品でした。

そしてこの試写会は舞台挨拶付き。
特に印象に残ったのは原日出子のコメントでした。
藤と夫婦役で共演というオファーに、即出演を決めたようです。
何でもOKを出したその後に脚本を読み始めたらしいですよ。
あとエンドロール。
役者がスクリーンに出て来た順にクレジットされてるのも面白かったです。

白波