「リボン」星つなぎのエリオ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
リボン
先行試写会にて鑑賞。
ビジュアル面はどうしても引っかかるものがありそれがどうかなーと思いましたが、日本版主題歌がバンプ!愛しのバンプ!しかも「リボン」!これで期待値がグッと上がりました。
ビジュアル面で判断してはいけないなと改めて思いました。
ど直球の成長ものに宇宙という未知の空間の冒険を組み合わせてきたらそりゃ面白いよな!という抜群の手応えを見せてくれて素晴らしかったです。
両親を亡くして心の拠り所を失って呆けてしまっているエリオは宇宙に行く事を夢見ており、ふとしたきっかけで宇宙人との交信に成功し、地球とは別の星に向かい、そちらで多くの宇宙人たちと会話したりする中で、エリオと同じような境遇のグロードンと出会い…といった感じで、悩める少年エリオが徐々に世界と打ち解けていくという流れから、宇宙での新体験もあったりとで色彩豊かな映像とともに楽しめました。
今作の素晴らしいところはグロードンですね。
キモカワな見た目ですが、テクテク歩くフォームが可愛いですし、自分の弱いところも分かりつつも無邪気に生活していて、何より吹き替え版では子役の子の声がベストマッチしていてより愛らしさが増していました。
戦士になりたくはないけれどお父さんには認められたい、エリオも似たような気持ちだからこそ2人が仲良くなるまではあっという間で、2人で惑星を駆け回る姿なんかとても良かったです。
宇宙人たちのデザインもよりどりみどりで個性的で面白いですし、ロボットなんかも登場してくるもんですから色々融合していての面白さもあったりします。
ヴィランの描き方もここ最近のディズニー関係の作品としては上手い描き方になっており、己の大切なものを守るために悪として立ちはだかるといった、完全な悪では無い立ち位置のキャラがいたのも良かったですし、それに向かって武力行使ではなく、しっかりと己の言葉で立ち向かっていくというのもある種のぶつかり合いなのも今作にはピッタリだったなと観終わった後に思えました。
地球と宇宙が繋がってからの攻防は見応えたっぷりでしたし、エリオが出したアンサーもとても前向きなものだったりとでよく決断したなぁ誇らしく思えました。
その後も繋がっている世界も素敵で良い終わり方でした。
惜しむらくは序盤のエリオのクソガキっぷりはここ最近の映画と比べても中々のもので、塞ぎ込んでいるだけならともかく、落ち着きが無く迷惑をかけ、自分が悪いと思っていない身勝手ぷりにはイラッとさせられました。
後半の成長でまだイーブンにできたかなとは思いましたが、それでも序盤の悪印象は拭えず、その眼帯もお前のせいかい!となったりしたのがもったいなかったです。
しっかり楽しんでからエンドロールに突入し、聞き覚えのあるイントロが流れてきてからまたテンションが上がりました。
一応8年前の曲のはずなのに、歌詞もメロディもエリオにドンピシャ、しかもフルでやってくれてもう感謝しかないです。
"意地や恥ずかしさに 負けないで心で正面から向き合えるよ"なんてエリオの心情、グロードンとの出会い、叔母のオルガとの関係性などなどギュッと詰め込まれており、曲との親和性も感じられたりで何よりでした。
大スクリーンで聴くバンプは沁みる〜。
やっぱいつになっても宇宙に夢を見るのは楽しいもんです。
少しでもヒットに繋がってくれればなと思います。
鑑賞日 7/10
鑑賞時間 19:00〜20:40
鑑賞方法 先行試写会にて