「(11/3:追記事項あり)フェイクドキュメンタリーとして見れば及第点。」トンソン荘事件の記録 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
(11/3:追記事項あり)フェイクドキュメンタリーとして見れば及第点。
今年368本目(合計1,018本目/今月(2023年10月度)33本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
韓国映画といえばシネマート、そして今日(10/31)はハロウィン。入場者特典が「お菓子」でした。
さて、こちらの映画、評価は低いのですが、公式サイトなどにちゃんと「フェイクドラマ(ドキュメンタリー)」ということは書かれています(同じく2023年か2022年だったかでいうと、同じシネマートで放映されたこの手の映画は「女神の継承」に近い。ただしR18なので注意(残酷な表現ほか))。
ここの公式サイトやここの紹介、予告動画などからでわかる範囲は3割ほどで、残り7割は全然違う展開に飛んでしまいます。かなり(展開が)読みにくいなぁ、といった印象です。
ちなみにVHSというある種「ノスタルジー」を感じる映画でもあり、韓国にもVHS(や、VHSデッキ)というのはあったそうです(世界各国でもあったのかな?)。今では見かけませんが…。昔はこれを使いすぎると「わかめになったり」(フィルムが伸びる、ということと懐かしい文化です(今でもホラー映画では好んで登場しますが、日本国内ではVHSの生産はすでに終わっているそうです。韓国は不明)。
この映画、やや特殊な知識が求められるところがあり、そこがちょっとなぁ…と思ったところです。ただ、減点幅としてはある程度調整しています。
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(減点0.3/日韓の不動産登記の違いと、併合時代とのお話)
・ 日本では日本民法177条で「不動産の得喪は当事者では有効だが第三者に対抗するには登記しろ」です(177条より。概略のみ)。通常は登記をしますが、これを専門にするのは司法書士という方です(行政書士はできない)。
一方、この映画で「日本統治時代」という語がちらっと出るように、韓国(便宜上、ここでは朝鮮半島。今でいう北朝鮮も含む)では、旧民法が適用されていた時代もありました。
一方、日本が第二次世界大戦で敗北し韓国が建国されると(1948年)、「日本の民法は参考にするが、日本の民法そっくりは嫌だ」ということで、この「不動産登記」については「当事者であっても登記しろ」という扱い(韓国民法186条)になりました。これはドイツ流の民法です。
ただ、映画内でも出るように「統治時代の土地管理の話」も出てくるため、どちらの法律が適用されているのか微妙な点があり(韓国が建国されたからといって、その瞬間に成立要件や対抗要件が変わる、ということは考えにくい)、「何をいっているかややわかりにくい」点は確かにあります(「いつの時代の」民法を適用するかによって結論が異なる)。
ただそれとてこの点に気が付くのはそれなりに知識を持っていないとスルーしそうな論点で、「知識がある人が混乱するかな」(特に、大阪市では鶴橋など、コリアタウンで行政書士・司法書士事務所を開いている方等もいますので)程度で、指摘はしますがこの程度です。
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(減点なし/参考/「心神耗弱」は何と読むのか)
・ 字幕内でも示されている通り、「しんしん「こう」じゃく」です。
一方で、例えば「消耗品」であれば通常は「しょう「もう」ひん」になります。
日本には現在常用漢字が2000ほどありますが(さらに、常用漢字ではないが生活に使う漢字まで含むともう少し増える)、このように漢字が多いと、未知の漢字に対して、その漢字を構成する既存の漢字から読みを推定するといったことがしばしばありました。この字もその対象で、これを俗に「百姓読み」といいます。ここでいう「百姓」というのは、当時あまり識字率が高くなかった時代において、その「学力のなさ」を指して言う語です。
ただ一方で、日本人とて2000以上の常用漢字や、仕事などで使う常用漢字外の漢字(漢字検定だと準1,1級があたる)について、それらの「読み」を完全に当てられるとは限りません。つまり、「現在においても」この意味で「推測による知らない漢字の読み方」に上記のようなことは当てはまります。
※ 日本では漢字を系統だって学習するのが中学3年までで、高校以降は事実上放置状態(興味がある人だけ漢検を受けましょう、にしかなっていない)であり、スマホ他で漢字の使用率は高くなっているため「漢字としては存在するが読みがわからない」状況は今でこそ存在しえます。そのため、この「推測による読み方」を一概に否定することは今日ではできないといったところです。
※ ただし、「消耗品」に関しては「しょうもうひん」と読むのがほぼ固定化されているため、普通はそれを誤読であると認識せず「すでに定着した読み方」と解するのが普通です(ほか、こういった漢字はいくつかあります)。