劇場公開日 2024年5月17日

「お帰りなさいませ野ばら様」ハピネス 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0お帰りなさいませ野ばら様

2024年5月29日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

萌える

2024年映画館鑑賞40作品目
5月28日(火)イオンシネマ石巻
ハッピーナイト1300円

原作は『世界の終わりという雑貨店』『下妻物語』の嶽本野ばら
監督は『昭和歌謡大全集』『山桜』『小川の辺』『影踏み』『犬部』の篠原哲雄
脚本は『ぷりてぃ・ウーマン』『いらっしゃいませ、患者さま。』『キラー・ヴァージンロード』『夜明けの街で』『ドクター・デスの遺産 BLACK FILE』の川崎いづみ

あと1週間で亡くなるという女子高生と彼氏のラブストーリー
かなりベタ
嶽本野ばららしい世界観を除けばとてもありふれた話だ
久米田康治じゃないけど「ベタでも上手くやれば実写化も金持ちにもなれる」って印象
だがそれゆえに刺さる人が多いのも事実だろう
ただレビュー数が少ないところを観ると鑑賞してる人はわりと少ないようでそれは残念だ
時間帯が遅いせいもあったかもしれないが鑑賞したのは僕1人だった

内容としては一人暮らしの彼氏の家にお泊まりしたり彼氏と大阪のロリータファッションの本店に行ったり高級レストランで伊勢海老カレーを食べたりお花のお風呂に入ったり夢を叶えていく由茉
彼女の死をなかなか受け入れることができなかった国木田雪夫の葛藤

薄幸な役ばかりが目立つ蒔田彩珠
それでも今回は陽の方
それ故に大阪に行けず悲しむシーンが良い

彼氏役の窪塚愛流の「悔しいです!」系の熱演は比較的クールなヒロインに比べ対照的で良い

橋本愛は今のところ俳優生活で1番の当たり役
弟の良き理解者として重要なポジション
公園で座りながら弟の話を黙って聞いてる姿がなぜか可笑しかった

『影踏み』のときと比べると山崎まさよしの芝居はだいぶ改善されていた
少なくとも観れる範囲内に耐えられるレベルに達していた

若いヒロインが亡くなる作品は枚挙に暇がない
『世界の中心で、愛をさけぶ』『君の膵臓をたべたい』『四月は君の嘘』『余命1ヶ月の花嫁』『ただ、君を愛してる』
そういえば愛流の叔父が前田亜希と共演した『最終兵器彼女』にしてもそう
昔なら『愛と死を見つめて』
最近だけでも『四月になれば彼女は』『青春18×2 君へと続く道』
TVドラマなら『Beautiful Life 〜ふたりでいた日々〜』が代表的
なぜ彼氏より彼女が死ぬ作品が圧倒的に多いのか
彼氏や夫が早くに亡くなる場合は世の中が非常事態つまり戦争というケースが殆どだ
最近でいえば『あの花が咲く丘で君とまた出会えたら』タイムスリップものだからちょっと違う気もするが
僕は学者じゃないので理由はよくわからない

配役
由茉と付き合っている高校生の国木田雪夫に窪塚愛流
カレー大好きロリータファッションにハマった先天性の心臓の病で余命僅かな高校生の山岸由茉に蒔田彩珠
ロリータファッションにハマった雪夫の姉の国木田月子に橋本愛
余命わずかな娘の好きにさせたい由茉の父親の山岸英生に山崎まさよし
余命わずかな娘の好きにさせたい由茉の母親の山岸莉与に吉田羊
仕事でオーストラリアに住んでいる雪夫の父に杉本凌士
夫と共にオーストラリアに住んでいる雪夫の母に篠原あさみ
雪夫のクラスメイトの秋人に福松凛
喫茶店の店員に長谷川朝晴
由茉の主治医に松坂龍
英語の教師に想田紗来
科学の教師に佐藤文吾
Incent World本店の店員に青木美沙子
ホテルの清掃員に松田珠希
葬儀屋に中村優一
雪夫が住んでいるマンションの管理人にノブイシイ

野川新栄