レイニー ブルーのレビュー・感想・評価
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現役女子高生が監督・脚本・主演、すごい
女子高生の中山蒼は映画同好会のたった1人の部員で、敬愛する人は同郷で高校の大先輩の笠智衆だった。
夏の日の放課後、蒼は部室でボロボロの脚本を見つけ、この脚本は何?誰がどんな気持ちで書いたんだろう?と妄想を膨らませていった。
高校卒業後の進路を周りからとやかく言われ憂鬱な日々の蒼は、ラジオから流れてきた徳永英明の曲レイニーブルーを聴き、私は何やってるんだろう?と考えるようになった。
ぎくしゃくする父との関係、味方か敵かよくわからない学校の先生、癖のあるクラスメイトたち。
笠智衆生誕の地である玉名で、17歳の蒼の日常、そして感情の揺れを描いた作品。
現役女子高生が監督・脚本・主演を務めた、というだけで興味津々。
画面が突如飛び、何だったんだ、と思うシーンが多くて考えさせられた。高校生の頃って明るい未来も見えるし、そうはいかないとも思えて、思考があっちへ飛び、こっちに飛び、となるよなぁ、と思って観てた。
監督補の人と揉めてて、撮影した映像を提供してもらえなかったとのプロデューサー側のコメントが有ったり、逆の意見も有ったりで詳細は不明。もしかしたら、もっと違う映像を挟みたかったのかもしれないとも思ったが、それも不明。
いずれにせよ、劇中で映画監督の過激なセリフなど、素晴らしいところも有った。
そして、高校生の時しか書けない脚本だったかもしれない。
そう考えると、細切れシーンも演出なのかも、とも思えた。
また、高良健吾、中島瑠菜、など有名な俳優も出演してるし、笠智衆の孫の笠兼三にも出てもらってるし、凄いなぁと思った。
俳優としても美人じゃないが気になる、感じで良い演技だったと思う。
柳明日菜、注目していきたい。
それと、熊本のDenkikan、行ってみたいと思った。
25/9/19レビュー修正
手放しで褒める作品では無い。
その年代にしか描けない映画
接待
初日上映舞台挨拶付きで観ました。 観終わった後のモヤモヤした感じは...
初日上映舞台挨拶付きで観ました。
観終わった後のモヤモヤした感じはそのあとのトークショーでリカバリーされました。
柳明日菜さん自身が開口一番「あらためて観たら、ぶつ切りで、眠くなってしまった方もいると思います」と言いましたが、その通りでした。
ただ狙いもあったし、こだわりもあったとのこと、それはなるほどと思いました。
熊本の景色のすばらしさ、特にラストのロケーションはすごいです。
あと、これはネタバレになってしまいますが、「レイニーブルー」は一度だけ、しかも途中までしか流れません。それを期待していく方は残念になることを承知してください。
それはそれとして、柳さんの才能はすごい。
高校生で、自主映画でなく大勢の人間を巻き込んでプロとして製作して、今作で言えば自ら主演して、その演技も素晴らしかったです。
トークショーで高良健吾さんが言っていた「こんな人はいないかもしれない」は同意です。
ただ前述の口コミにも厳しい評価がありましたが、それも同意。
これからも活躍してほしいしするでしょうが、そのこだわりや個性を好むかどうかは別かなと。
今作を観た感想で言えばそう思います。
自由気ままで思うがまま─それが自分には合っていたようで楽しく観賞できました
出したい思い、撮りたいもの、とにかく吐き出して収めておきたい事柄全てを、素直に出し尽くしていた印象でした。あまりに自由すぎるので、かなり大ざっぱで理解できないところもたくさんありましたが、作り手の思いがもろに伝わってきて、こんなにも直接的に作品を作れてしまうのか!?と半ばショックだったりしました。
主演から監督、しかもデザインとかもこなし、しかもそれを模試とか受験勉強をしながら、若き女子高校生が作り上げた将来に、大きな希望や期待を持ちました。
笠智衆の面影が色濃く残る郷里と素晴らしい境遇を存分に生かしきって、それに甘んじることなく、自らの郷里への思いが込められたら作品は格別だと思います。
面白い面白くない、極端に分かれてしまうように感じると同時に、これからどんな作品を生み出してくれるのか、期待とともに不安も結構あったりします。まぁこちらはただ待つのみなので、このまま突っ走っていってくれることを祈りのみです。
大凶
バイアスかけるべきではない
アップリンクにて鑑賞。ムージックラボ的なおじさん達が若い女性(女の子を自称する監督たち)に撮らせるような作品かな?と思ったら、コレが意外にも普通だった。詰めが甘いのは10代だから云々、シナリオが荒いけどその当時高校生だから云々と言うレビューやSNSを見た。
本当にその考え方で良いのでしょうか?
美味しくない料理を出された店で普通の料理屋と同じ値段で出てきて、女子高生が作っているからそれは勘弁して上げましょう云々は間違いではないでしょうか?今後のその方の為にならないのでは?
と。鑑賞者に一定の注意喚起は必要とは思う。もっとしっかりと練ればよかったのにと思うシーンが多いけど、ラストシーンが素晴らしいから良いです。
10代の葛藤
映画好きな高校生、蒼の進路や父との関係など日常を描いた作品です。
舞台挨拶があったのですが主演・脚本・監督を務めた柳明日菜さんは現役の大学生で高校生の時に「20歳までに監督になる!」と決めて休学して映画作りのワークショップなどに参加したそうです。そこから数年で劇場公開されるなんて本当にすごい。本作に込めた思いや映画制作に至った経緯を話される姿にはエネルギーが溢れていました。
話の繋がりがイマイチしっくりこないと思って観ていたのですが、そこは監督の狙いだそう。ストーカーや父との関係、亡き母の存在など色々と広く浅くなってしまった感じもありました。うさみ君がずっこける所は笑えましたが笑。
オール熊本ロケ。役者、スタッフも熊本出身だったり所縁のある方々で作り上げられた作品で熊本愛も満ちた映画でした。
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