TALK TO ME トーク・トゥ・ミーのレビュー・感想・評価
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"ストーリーがチョイ凝ったホラー……"な映画
アイデアがユニークなホラー映画でした。
今までありそうでなかった物語だったんですが、なぜか今ひとつ感情移入出来ないまま終演を迎えてしまいました笑
主人公はミアだったとは思うんですが、友人やらその家族やら、ミアの父母やらと場面が中盤以降チョロチョロ変わって行くので、どこに視点を置けば良いのか迷ってる内に…という感じでした笑
個人的には、ライリー君の"自傷行為"場面がピークでした。
ミアの"元カレ"足部ナメナメもカエルみたいで可愛かったです笑
あっ!これ、ホラーです笑
バズり狙いハメ外し系ホラー
バズるために、ちょっと怖いもの見たさで憑依型のゲームに参加したが、想像を超える悲劇が襲いかかる。
みんな悪い子ってわけじゃないのに酷い目に遭っていくからもう怖いし見てられない。
残された謎が多すぎて、次作どうなるかめっちゃ気になる!!
唱えてしまったら、超即憑き
今年のホラーは例年よりも酷いものが多く、〈ホラー厄年〉として締めくくろうとしていた間際に、本作がひっくり返してきた。ジャンプスケア(=音で驚かせる手法)を悪用していた「死霊館のシスター2」「エクソシスト 信じる者」とは打って変わって、人気YouTuberならではの斬新なアイデアと秀逸な構成によって、全身が震える傑作が誕生。シンプルなストーリーなのにちゃんと怖い。
主人公は母親を失った〜だの父親と仲が悪い〜だの、海外の映画にはよくある設定なんだけど、演出は上手いし、尻上がりに面白くなると同時に救いようのない絶望に向かっていく展開たまらなかった。この映画は観客をドキドキさせるのが上手すぎる。やっぱり、YouTuberだったからかな。カメラワークが天才的なんだよね。キャラクターに関しては好き嫌い別れるだろうし、魅力的なキャラが居ないというのは自分から見ても正直気になった。いじめっ子(?)みたいな、この事件の元凶(?)みたいな2人組はめちゃくちゃ良かったんだけど、すごい雑に扱われていたし。
だけどその分、何度も言うように演出力でカバーしていて、本当にすごいなぁと感心するばかりだった。現実と非現実の境目を無くすようなスタイルには緊張感が高まるばかり。テイストはマイルドなのに、ここまで良質なホラーな出来るんだから、やっぱりホラーってのは見せ方に掛かってるんだなとしみじみ思いました。欲を言えば、あともう一捻り欲しかったかな。
ラスト20分はもう最高。すごく良かった。
「福田村事件」ぶりかも。こんなにドキドキして、気付いたら手を合わせて願っていたのは。なんで朝に観てしまったんや。締めも素晴らしく、ちゃんと綺麗に落としてくれる。シリーズ化は厳しいだろうし、一発屋映画ではあるけど、久々に真っ向勝負をしかけ、見事大成功した稀有なホラー映画だったと思う。対策に隠れて、密かにおすすめな1品です。ぜひ。
ホラー感よりもストーリーがいい
🫱あらすじ
ルールは2つ。
・不気味な手を握り、トークトゥーミと言えば呪いと話せる。
・入っていいよって言えば体を乗っ取られる。
※ただし90秒以上の長時間だと体を乗っ取られる可能性が高まります。
ミアは母の死を受け入れられず、そして孤独に生きているところを霊たちに目をつけられ、父、親友の家族を巻き込んでいく。
🫱よかったところ
ミアが迷い込んだ先のエンドロールがよかった
他の呪いもこのように人間から呪いになったのか?
🫱考察
・呪術廻戦で呪いや悪霊体制がみんな強くなっているかもしれない笑
・幻覚と現実の区別がつかなくなる=薬物中毒と変わらない
ザ平均点なホラー映画レビューや感想が難しい映画です。
息を呑む
ホラーでハズレなさそうと思ってみたら予想通り良かった。話が進むに連れ怖さが上がり、後半はずっと息を呑むスリル。ミアは悪くないけど何だか腹が立った。(笑)
コックリさんみたいな呪い題材は単純だけど、ホラー好きにはやっぱり面白いね。
期待値を超えて、、
きませんでした。ルールがいかにも映画のために作られたように感じた事。ミアにイライラして乗り切れなかった事。ラストが良くあるオチに着地している点が残念な感じがしました。A24らしい考えさせる部分があればよかったかなと。
やっぱり1番怖かったのが弟の病院での自傷行為。あれはヒキました。なかなか役者さんやりますね。それと実は足を舐めてたのは自分でした!もなかなかヒキました。霊の存在や、手の像の謎は続編に持ち越しでしょうか。
期待値は超えませんでしたが、それなりには面白い映画でした。続編に期待します!
【"若者達(馬鹿者達)が面白半分に行っていた降霊会が呼び寄せてしまった禍々しきモノ。”体感30分の物凄く痛そうで怖い憑依ホラー。今作は発想と構成が見事な作品であると思います。】
■母を自死で失ったミア。喪失感の中、高校の仲間が開いた降霊会に参加する事に。そこには、ミアの親友ジェイドと弟のライリーも同席する。
ジェイドはその行為、”コーティングした霊媒師の肘から先の腕”の掌を握り”TALK TO ME"と霊に話しかけ、更に”LET YOU IN"と言い霊を体内に90秒だけ入れる。”を一切しなかったが、ミアが、まず試し”アメイジング!”等と興奮した表情で語り、それを見ていたライリーもその行為を行うが・・。
◆感想
・冒頭の、ミアが乗った車が轢かれて死にかけているカンガルーの子の血だらけの姿と、最後半、憑りつかれたミアが同様に道で車に轢かれるシーンの対比の見事さに唸る。
・ライリーが憑りつかれた霊は、ミアの母の姿をしていながらライリーに対して酷い行為を行うシーンは物凄く痛そうで・・。
・霊に憑りつかれたミアが母を騙る悪霊に、騙されて行った数々の悍ましき行為。
それは、幻夢の中でジェイドの彼氏、ダニエルに行った事や、ミアの父の首に突き立てた鋏・・。
<いやあ、今作はとても怖いが一気に引き込まれた”自業自得”ホラーである。
ラスト、ミアがどこかの国で行われた降霊会で呼び出されるシーンも、物凄くシニカルである。
今作は発想と構成が見事な作品であると思います。>
警告作品として星🌟🌟2 だけど有料パンフ見てやっと趣旨❓理解だし、恐怖というより 意味不明の恐怖だった。
別に 有料パンフの宣伝でないよ。
本作は 有料パンフ必要と思った。つまり 観てて訳わからない自分が居た。
何コレ❗️何の意味が❓に振り回された 95分だった。
何コレ❗️ついていけてないの俺だけ❓❓ という絶望感恐怖は味わえた。
有料パンフで 趣旨と人物背景 ほぼ理解しました。詳しくは書けないけど
実は 真っ当なことが本作の趣旨なの❓→有料パンフの中のコラム2つ読むとわかる
最後の結末は なんだか 全て・❓的で 安心というより かえってモヤモヤ😶🌫️した、詳細は映画館で確認してね。
A24らしいと言えばそうだ、ただし、元々の制作は オーストラリア🇦🇺のまだまだ若手の人気YouTuber
コレ、本作をどう捉えるかで ホラー練度、頭の柔軟さ問われるかも
石頭の頑固ジジイには 背伸びしすぎ作品でした。
結構、最初は【予告編的に最初の導入動画も公開されている】センスを感じる出だしだったけど
だんだんと ジジイの頭脳には暗雲が ❓❓ この理屈ナニ❓ 何が怖いの❓ 霊の目的は❓
と ハテナ❓の嵐で 😵💫混乱カオスジジイだった。
そもそも 90秒チャレンジの 例のブツ🟰手 ワシ、筋肉💪大好き❤腕相撲最強人間だから
憑依の前に 腕相撲の感覚で 押し倒して破壊してしまうがな・・・
車🚗を運転する高校生 タバコ酒の高校生も良い
だが ・ヤク的なラリってるのはどうかなぁ 当たり前だけど俺は【ヤクは経験が無い無縁人生】
だから気持ちよさは知らんけど 一度ハマったら廃人 というのは理解してる。
思春期だから反抗期だからと言って お父さんを邪険に扱うな 的な メッセージ は 了解🫡🫡🫡
でも 今は亡きお袋に会えるなら 憑依もなんでもOK🆗 と心の中で叫ぶ😭ジジイでした。
若い人 ホラー練度の高い人にはイイかもね。 俺は怖くなかったよ。それが残念😢もう少し怖がらせて❗️
A24力作の前に 敗北宣言。 多分 ワシ史上最短レビュー更新🆙 ある意味ファンタジーの心必要だよ。
イカれた高校生達の危険なお遊び
すごく面白かった。
オーストラリア映画であまり予算をかけてなさそうだが、発想と表現方法で面白く見せる工夫感が伝わり楽しく見れた。
今後は霊に乗り移られると黒目になるという設定をあちこちで見かけそうな気がするw。
非常に感情移入しづらいメンタル激ヨワで超身勝手な主人公だが、彼女なりにきっちりと落とし前をつけたところもお話として納得感があった。
パーティ?にミアが来た時に「ベタベタしてるから嫌いなんだよ」と言われて酷いこと言うなあと思ったが、話が進んで行くとなかなかどうして的確な分析をしていることがわかり、あのタバコばっか吸ってるやんちゃな同級生の評価が途中から上がったw。
ジェイドの弟のライリーは相当のホラー顔でオーストラリアの子役の層の厚さに感心させられた。(ヘレデタリーの息子役に匹敵)
子供の前でも躊躇なく物凄くストレートで汚い言葉を使うジェイドの母親にはつい笑ってしまったが(と言うか絶対に笑わそうとしてるし)、息子があんなことになったにも関わらず薬をやってないことがわかっただけでミアを簡単に許す結構な寛容さw。
心に隙があったからか、もしくは90秒を超えたからか、ミアが母親などの霊を見るようになってしまった理由がよくわからなかったが、足を舐めているシーンにはひっくり返った。
せめて服を脱がそうとするとか、もう少し別のアプローチでも良かったのではと思ったw。
まああの元彼も犬と激しめのディープキスをさせられバツゲーム感半端なかったけど。
ミア役の子はすごく可愛いかったので、次回はハリウッド映画で会えそうな気がする。
別の"手"があると言ってたような気がするので、次作にも期待したいと思う。
これが長編映画監督デビュー作品とは、なかなか凄い出来上がりで驚く。...
これが長編映画監督デビュー作品とは、なかなか凄い出来上がりで驚く。役者は全員が表情が素晴らしくて魅入ってしまう。あまり調べずにに鑑賞すべし。
この監督は双子の兄弟でYouTubeチャンネル「RackaRacka」があるらしいので今度見てみよう。
怖いことは怖い❗️
『猿の手』と怨霊を組み合わせたら…
こんな怖いものが出来ちゃいました❗️
というノリで作ったような映画でした。
怖いことは怖い❗️
私の座ってたG列では腰が浮くほどビックリした人がいるらしくて、前半3回ほど、衝撃波で揺れを感じました。
あれ?割増料金払ってないけど、これ4Dだったっけ?
ミアは結局何者にもなれず(ヒロインにも悪魔にもなれなかったですね)、最後は「はい、あなたの席はこちらですよ❗️」
というオチが(予想はつくけど)なかなか愉快に表現されてました。
おっっそろしかったー!!!
最後まで心臓ドクドクいって、なんか邪悪なものに飲み込まれそうな恐怖というか、いろんな恐怖感を感じた!
映画館で観れてよかった!!
エクソシストとか悪魔祓い系の邪悪な悪霊がでてくる洋画!ってかんじのホラー!
降霊ゲームのときのあの人間達の禍々しさというかアホらしい感じもなかなかだったし、降霊を繰り返してどんどんハイになっていく描写のところも面白かった
霊は化けることがある、ってなってからの、これは本物のお母さん?本物のお父さん?ミアが見ているものが幻覚なのか?と分からなくなってきて、ミアと同じ体験をしているような感覚になれた。
シナリオやオチもしっかりしていて、作品として良かった!
他人との関わりを避ける現代人が、霊を憑依させる矛盾
「低予算だよね」って思わせるシーンは数多くある。
撮影場所のほとんどが家の中だし、憑依されてる演出も、俳優の演技だけ。
でも、面白いのさ。
現代世相を反映してて。
特に他人との接触をさける現代人が、霊を憑依させる(入れる)ことの矛盾が。
この「霊」はSNSのメタファーかもしれないね。
身近なヒトよりSNS友達と仲良くなったりすること皮肉ってるのかな。
いろいろ、わからないコトはあるが、(母親の死の原因とか、父親との不仲の理由とか)
でも、そーゆー説明解説よりも、90分で終わらせる、という「スピード感」を重視したんだと思う。で、その判断は成功してると思う。
テンポとかスピード感は大切だし、監督の腕の見せどころだと思う。
面白かった
主人公のミアが全部の選択肢で間違った方を選ぶ。ラストも結局、弟は勝手に回復していたのをミアが悪霊に騙されてやらなくてもいいのに高速道路に突っ込む。霊をおもちゃにして遊ぶものではない、本当に怖い。お母さんの霊も本当かどうか全然分からない。多分ただの悪霊だ。病院の子どもの霊がかわいい。
バスで会う、手首をくれた人が諦めきった佇まいで、あ~と思う。あの人が言ってた通り、弟の悪霊も時間が経てば霊が弱まっていたようだ。
普通、主人公が懸命に頑張ると結果何か得られるものだが、余計なことしかせず悪い結果のまま終わる。なかなかひどくていい。
合わなかった
172本目。
1本目観終えて、劇場のタペストリー見たら、げっ、これ怖いやつ。
葛藤しつつも結局観たんだけど、始まった瞬間はヤバいの観たなと思ったけど、作品が進むにつれ、これはちょっとなあと。
映画ですからとは理解してんだけど、ちょっと不愉快な気分。
今日の1本目、観終えた後だから、余計にそう思っただけだとは思うんだけど。
バツド‼️❓ノツト‼️❓フォーミー‼️❓
いわゆる、魔物、ホラー、ムービー。
でも、ヒロインの脳内の狂うものが、そう見せかけているようにも見える。
死んだ母は自殺か、はたまた。
怖いより、痛みが、刺さる。
最後のどんでん返しは、ヒロインの最後の妄想の結末かもしれない。
この手のホラーにしては、因果応報、起承転結、が合理的で、わかりやすい。
なるほどね、なんて思う余裕がある、その分、有りえる、そう思う。
最近、銃の乱射で大量虐殺して自殺する犯人が多い、日本ではガソリンだが。
そんな人たちの脳内はヒロインみたいな思考回路なのかもしれない。
ああ、怖いのは、脳内ホラーで、殺人をする人が近隣にいそうなこと、死ななくても責任能力無しで無罪。
嗚呼、恐ろしや。
「むかつく&周辺破壊型ヒロイン」の極限。完成度抜群の豪州製ポゼッション・ホラー
いやあ、前評判通りガチで面白かった!
めっちゃくちゃ「いやな話」だけどね(笑)。
さすがはA24配給。
とにかく、双子の監督コンビが優秀。それに尽きる。
脚本は緻密で隙がなく、細部まで演出が行き届いている。
観客の感情移入を巧みに操って、翻弄してくる。
先を読ませない展開。様々な名作の美味しいところどり。
絶妙のヒロインを持ってきて、幾重にも企みを張り巡らせた物語を展開している。
これがどういう話かというのは、いろいろな説明の仕方が出来ると思う。
ただ、先読みできないこと自体が面白さの一環なので、
未見の方はなるべく予備知識を入れずに観たほうがいい。
表面的なことだけで言えば、本作は『エクソシスト』(73)の変奏である。
子供もしくは思春期の少年少女が、悪霊に取りつかれて、狂暴化したり汚言を吐いたり自傷行為に及ぶ。いわゆるポゼッション(憑依)というネタであり、コックリさんを行った青少年が悪い霊を呼び出してしまう流れや、黒人と白人のシスターフッドものであることも含めて、先般観てきたばかりの『エクソシスト 信じる者』(23)とほぼ同じ構造の物語だと言える。
ヒロインが黒人で、人種的な要素が作品の本質に絡んでくるという意味では、『ゲット・アウト』(17)以降のブラック・ホラーの流れもくんでいる。とくに「白人家庭」に身を寄せている「黒人」の少女が、最終的には「災いを家内に呼びこむ闖入者」か否かの判断を問われる展開が待っているわけで、このご時世にしては、かなり踏み込んだ話に敢えてしつらえてきている気がする(しかも結論がアレだから)。
黒人が主人公のレジェント級ホラーといえば、なんといっても『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(68)にとどめを刺すが、じつは両作の構造が大変「似通っている」ということは、あまり気づかれないかもしれない。
何がどう似ているのか? それは、黒人主人公の扱いである。
一見、どちらの映画も、主人公が最終的に事態の解決に挑んで悪夢を終結に導くか「のように見える」。ところが、見続けていくうちに、なんだかいろいろうまくいかないことがわかってくる。むしろ主人公が採る判断は、結果的には常に「悪手」であり、事態を「悪い方向」にしか導かない。主人公に従った連中だけが先にやられてゆく。そして最後は主人公も犬のように横死して終わる。
両作は、きわめて似た主人公像と、ストーリー展開を共有しているのだ。
われわれは、映画鑑賞者の常として、中心に立って話を動かそうとしている主人公に「つい」感情移入しようとする。しかし、その感情移入すべきキャラの行動に、どこかしっくりこないところがある。それでも主人公なんだから、きっとなんとかするんだろうと思って観ている。ところが主人公はやらないでいいことばかりやって、どんどん事態は悪化していく。この絶妙に「いやな気分」。「不安定な感覚」。「何も信じられない先行きの不透明感=スリル」。
製作者たちが『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』や、その追随作ともいえる『ミスト』(07)(これも「信用のおけない主人公」が「正義のヒーローぶって行動した結果」「最悪の結末に周囲を導く」という構造を有する典型作)に寄せて表現したかったのは、まさにこの不安感であり、不透明感だ。
何より、このヒロイン、ミアの設定が絶妙だ。
不安定で、不透明の塊のようなキャラクター。
いつも辛気臭い顔をして、半分死んだような目でぎょろぎょろと世界を見渡しながら、ときに快活に笑い、人をおちょくり、哄笑を爆発させる。このふり幅の大きさ。二面性。
びくびくしているように見えて、無理やりパーティに参加する厚かましさがある。
周囲になじめない様子に見えて、唐突に「憑依」の一番手に名乗り出る。
一度、場に馴染んだあとは、むしろ常識人の友人の制止を振り切って、悪童たちと同調し、乱痴気騒ぎに加担する。
そもそも「憑依チャレンジ」パーティに行きたがったのも、積極的に「憑依」に志願したのも、少年の参加にGOを出したのも、50秒というリミットを超えて「憑依」を延長させたのも、すべてこの女の仕業である。傍目から見ても、まあまあろくでもないタイプで、「周囲のあらゆる人間をトラブルに巻き込みながらも、自分は被害者意識をむき出しに窮状を訴えている」典型。会社などでも「関わりを持ったが最後、ひどい目に遇う」タイプ、「いちばん周囲を不幸にする」タイプといえる。
これだけのことをしでかしながら、なお被害家族の前にのこのこ姿を現し、拒絶されるまでは「受け入れてもらえる」と安易に考えている。で、ふつうに拒絶されて、この世の終わりのように落ち込む。落ち込みながら、独りで悩み、考えてろくでもない解決策を考えつき、やはりまったくうまく機能しない。
挙句に、親友の彼氏である「元カレ」に粉をかけて、「あたし怖いの、ひとりになりたくないの」とかなんとか相手の優しさにつけこんで、二人きりで自宅に呼び込むことに成功し、同じベッドで朝まで寝たりしている。なにこのナチュラル人間関係クラッシャーぶり!?
このあたりで、観客もうすうす気づいてくるはずだ。
「こいつ、もしかしてダメなんじゃないか?」
ミアの側にも、不安定で自暴自棄な振る舞いを見せる相応の理由はある。
そこはもちろん、可哀想といえば可哀想ではある。
彼女を苦しめているのは、母親の不意の自殺だ。
本当に母は自殺したのか。自分はそこに関わりがあるのか。
仲よしの姉妹のような親子だっただけに、どうしても母が自死を選んだことが信じられない。
彼女のなかには、もともと母に「拒絶」されたという無意識下のトラウマがあって、自罰感情が(本人も気づかないうちに)内面で増幅されている。そして、母親への執着と妄念が膨らんでいる。
だからこそ彼女は、「憑依」の一番手に名乗り出るのであり、その後も間違った決断を下し続ける。彼女の「思い切りの良さ」は、もともとの「間合い」の空気の読めなさもあるのだろうが、自暴自棄と母親への執着がそれを増幅させた部分も大きい。
その心の隙間に「悪霊」が忍び込み、ミアを内側から破壊してゆく。
監督たちは、この「信用のおけないヒロイン」の扱いがじつに上手い。
ときに共感させ、ときに可哀想に思わせながらも、急にむっつり黙り込んだり急にはしゃぎだしたりする切り替えの「怖さ」と、友人たちとの距離感の本来的な「おかしさ」を強調することで、だんだんヒロインとしての無謬性をはぎ取ってゆく。
「この娘、もしかして霊に騙されてるんじゃないのか?」
「こいつの言う通りにしたら逆にヤバいんじゃないの?」
中盤のトラブルメイカーぶりは、やがて終盤のサイコパス犯罪者化へとつながり、衝撃のラストまでひた走る。
ちなみに、ある種の思考実験として考えてみてほしい。
この映画のヒロインって、実はミアではなくて、友人のジェイドのほうなのでは?
ジェイドはこの映画のなかで、ホラー映画のヒロインとして、正しいことしかしていない。
「憑依」の異常さに唯一、正しい嫌悪感を示している。
自身も、ひとりだけ「憑依」には参加しようとしない。
弟の参加についても明快にNOを告げ、抗議している。
弟の自傷行為を身を挺して止めてみせたのもジェイドだ。
元凶のミアに怒りをぶつけても、後に和解しようとする。
ミアの父親を息があるうちに見つけて助けたのもジェイド。
ミアがライリーに手をだしかねない状況を察知したのもジェイド。
ラスト近くでライリーを危機一髪で救ってみせたのもジェイド。
最終的には、彼女の機転と行動力、決断力によって、大半の登場人物が「救われている」。これを「正しいヒロイン」と呼んで何が悪いのか。
要するに、この物語は実のところ、通常のホラーでは「倒される側」の「悪玉のサイコ犯」サイドから、視点を変えて描いてみせた実験作とも言えるのだ。
本来ならジェイドが正ヒロインであり、幸せに暮らしている母子家庭があって、そこに母親を無くした可哀想な黒人少女ミアが入りびたるようになる。ところが降霊会以降、黒人少女の挙動がおかしくなってきて、徐々に家族に危険が迫り始める。最初は信じようと思ったジェイドだったが、ついにミアのたががはずれてしまっていることに気付き、弟を救うために奔走し、遂には魔手から救い出すことに成功する。
本当はそういう見せ方になるはずの物語を、あえて逆側の視点から見て描いてみせた映画だということだ。
そう、ミアというキャラクターは「もともとはやっつけられる側の悪役」であり、彼女が危険な暴走を始めて駆除されるまでののっぴきならない事情を描いた「ピカレスク・ホラー」というのが、本作の本質なのだ。
もう一点、注目すべき点として、本作ではこれだけ残虐なシーンやグロテスク描写があるにもかかわらず、どうやら「一人も人が殺されていない」。
これって、最近のホラーではとても珍しいやり方ではないだろうか。
冒頭のお兄さんも、とり憑かれた弟も、ミアに刺されたお父さんも、かなりひどいやられようをしているわりには、結局は助かっている。はっきり死んだとわかるのは、冒頭の少年とミアのお母さんだけだが、いずれも自死である。
その意味で、本作は「無駄な犠牲者を一人も出さず」「いたずらに大量死によって恐怖を増幅させるような下卑た演出を排した」うえで、「加害者に回った側にも一定の救済と免罪の余地を残した」優しくてエコでSDGsなホラーということができる。
本作には、他にも「語りうるコンテクスト」がある。
最近の若者SNSカルチャーのもつ、面白ければなんでもいい、悪ノリが価値に結び付くような悪しき傾向を戯画的に描いた作品としても語りうるし(『アンフレンデッド』(14)や『スプリー』(20)の流れ)、高校生がお茶らけてバカなパーティをやったせいで大惨事につながるという、一連の「陽キャ懲罰的ホラー」の系譜にも属している。
ここで出てくる「憑依」を、そのまま「ドラッグ」のメタファーとして捉えることも可能だろう。すなわち、ドラッグパーティにうつつを抜かして、オーバードーズで弟を死なせかけ、友人はクスリのバッド・トリップで家族や友人を殺しにかかる、というきわめてリアルな話を、ホラー仕立てでフィクション化している、とする解釈だ。だからこそこの映画は、若い世代に圧倒的に「刺さる」のだ。
とここまで書いてから、何かそんなことが載っていないかとパンフを読んでみたら、まさに監督が「子供がドラッグを試しながら動画を撮っていて、その子が床で痙攣しだしたんだが、仲間たちは笑いながらそれをカメラに収めていて、衝撃を受けた」のが企画のきっかけだと語っているじゃあありませんか。ね、ほらね?
ホラー描写としても、『エクソシスト』はもちろんのこと、『ゾンビ』『呪怨』『ヘレディタリー継承』『ルームメイト』など、さまざまな先行作のエッセンスが引き継がれていて、監督コンビのオタクぶり、シネフィルぶりがビンビンに伝わってくる。ラストの『シックス・センス』っぽいネタも綺麗にはまっていて心地よい。でもなんでギリシャなんだ(笑)。
それから、「オセアニアのイヤミス映画」の系譜のなかで語ってみるのも面白そうだ。
とにかくオーストラリアとニュージーランドで製作される映画には、後味の気持ち悪い「猛烈にいやあな気分にさせてくる」作品が極端に多い。『ピクニックatハンギング・ロック』『マッドマックス』『アングスト不安』『ピアノ・レッスン』『バッド・テイスト』『ブレインデッド』『ベルリン・シンドローム』『ソウ』『キャンディ』『拷問男』『ベター・ウォッチ・アウト』などなど、なんとなくわかるでしょう? 最近だとまだ見てないけど、『悪い子バビー』とか。
これって、なんでだろうね? 旧流刑国だから、とか書いたら検閲されちゃうのかな?(笑)
それとも、日々の発音で「DAY」が「DIE」になっちゃうからとか?
なんにせよ、『TALK TO ME』は本年度観た洋画のなかでは3本の指に入るくらいは面白かった。続編もあるらしいから、大いに期待したい。
全200件中、161~180件目を表示