「禁断の降霊術、二度打ち」TALK TO ME トーク・トゥ・ミー 白石黒井さんの映画レビュー(感想・評価)
禁断の降霊術、二度打ち
全国の霊媒師達が、見つけたら直ぐに助走をつけて殴り壊しそうなレベルの呪具をどこで見つけたのか。
やっちゃいけない事を2、3段階くらいすっ飛ばして、呪具を使って幽霊を身体に入れたり出したり、また入れては祟られたりして遊んだ若者達がしっぺ返しをくらってしまう本作。
煙草とか薬とか酒とか、やり過ぎたら身体に良くない物のメタファーとして降霊術が描かれてるんだと思うけど、中盤にある<激アツ、皆で降霊術フィーバータイム>のシーンでは、これから何かが決定的に悪くなる兆候を感じながらの胸騒ぎを伴う絶望感と若者の無敵感が合わさっていて、一回再生を止めちゃったくらい見ててキツかったですね。いやー良いシーンだった。
そういえば、ジャンプスケアじゃなくて日本風のじっとり怖いホラーシーンが多かったのは意外だった。
会話劇も、前半は退屈な会話が多かったけど、母親が自宅にいる子供達にパーティーでの禁止事項を伝えて回る会話シーンは面白かった。
クスッとするシーンをホラー映画の中で入れてくるのはあんまり見ないので、型にはまったホラー映画の展開じゃなくて見る側を楽しませようとしてくれるアイデアが多くて満足度が高い。
呪具が出てくるまでの退屈さと、主人公が霊に取り憑かれそうになってるとはいえ行動が自己中心的でちょっと見てて不快だったというマイナス面もあるけど面白い映画だった。
もっと、芯から冷える様なホラー描写があったら良かったのに、とは思うけど欲張り過ぎかもしらん。
「降霊術で話すのはまだしも、身体に入るのまで許可するのはルールで禁止スよね」
「若者はルール無用だろ」
「やっぱし怖いスね、無軌道な若者は」
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