「Handshake」TALK TO ME トーク・トゥ・ミー ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Handshake
90秒憑依チャレンジという題材のホラー、海外での評価がめちゃ高い、A24配給という情報頼りで鑑賞。そこそこ人が入っていました。
おふざけで始めた90秒チャレンジがしっかりとヤバいもので、霊に取り憑かれてさぁ大変な物語でした。
いきなり薬でラリっている人が出てきて、それを止めようとその人の兄貴が助けに入ったら、霊に取り憑かれただなんだいった側から、弟が兄をナイフで突き刺し、そのまま自分をも刺して自殺というインパクトのあるはじまりに胸が高まりました。
様々な霊に取り憑かれる体験という、お酒とか飲んでないとやらないようなことをノリと勢いでやっちゃうので、まぁ痛い目に遭っちゃうよなとは思いました。
それを楽しんでSNSに投稿するというフランクさがのちの展開にしっかり活きてきますし、すけべな霊をまとわせて床でオナ○ーしたり、ワンコとベロチューしたりと絵面がとても強烈でした。
ライリーがイキって憑依をしようとしだしたシーンで一気にヤバくなるなと思ったらその通りになり、ガッツリ霊が体内に入りこみ、頭台パンからの机の角にバンバンぶつけて目ん玉引っこ抜こうとしたりと強烈なグロを畳み掛けてきます。
厄介なのが目を覚ましたり死のうとするので、不意に起きてしまうと壁に頭をぶつけて血だらけになって死のうとする様子が余すことなく描かれるので驚きっぱなしでした。
このパートから霊に対してどう物事を解決していくかといった感じに物語は進んでいくんですが、ミアが人として色々欠陥のある人物なのもあって、基本悪い方向へ進んでいくのが今作の面白い歪さを象徴しているなと思いました。
元彼氏に未練タラタラですし、勢いで行動しちゃうから周りを振り回しますし、基本身勝手なので色んな人から疎まれるますしで、ホラー映画のメインとしては最高ですが、ものによっては最初の犠牲者だよなぁとメタ的な視点で見れたのは何だか新鮮でした。
途中から構造が少し複雑になり、悪夢と現実を行ったり来たりする展開なので少しだけ置いてけぼりにされますが、最後のスパートがかかってからのミアの先走った行動も相まって不快感とハラハラドキドキがまとめて襲いかかってくる感じは劇中の登場人物のような高揚感がそこにはありました。
続編へと繋げるにも単体としても終わり方が綺麗だったのも良かったです。程よく謎を残しつつも、この作品だけで終わっても問題ないので、これも最近のホラーに欠けていた優しさだったなと思いました。
全体的に音で驚かせるよりも、しっかりとした演出で怖がらせにきていたのも好印象で、ジャンプスケア頼りなホラー映画が多くなっていた中で今作がうまいこと機転になって演出重視のホラーが増えてくれればなぁと思いました。
鑑賞日 12/22
鑑賞時間 11:40〜13:25
座席 I-5