「時間だけが過ぎてゆく絶望感」市子 sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
時間だけが過ぎてゆく絶望感
「あのタイミングで、ああしておけば…」
側から見れば、それが正論。
そんなことはわかっている。
でも、そのタイミングでは、そうはできなかったんだって…。
途中で努力もしようとしたよ。
でもね、無理だった。
今となってはどんどん手遅れになるばかり。
打開策も見えないままに、時間だけが過ぎていく…。
映画で描き出しているそうした静かな絶望感を、否定できる人はどれくらいいるだろうか。
大なり小なり、なんらかの出来事で「時間だけが過ぎていく」という経験をした(している)人にとっては、かなりえぐられる映画だと思う。
幸せな時間の描き方が本当にうまい。
だからこそ余計に、母も子も口ずさむ、あの歌が切ない。
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uzさんのコメント
2024年3月12日
コメントありがとうございます。
もっと言えば、追われてるわけでもないのにあんな全力疾走で逃げる必要もないんですよね。
まぁ、どちらも市子の心情や画的なものを優先した結果だと納得はしてるのですが。
humさんのコメント
2024年3月12日
〝静かな絶望感〟が埋めていく時間。どうにもできない域という居場所。市子のすべてにその苦しみが積もり、エネルギーになっていました。
鼻唄は母にも市子にも、現実から逃れられるひとときの支えのようなものだったのでしょう。
2024年3月11日
時間だけがすぎてゆく・・・よくあります!でもそれが絶望と無気力に至らなければ何とかなるさ!とします
そんな呑気さを市子は持ちたくても持てなかった。でも市子には生きる力が漲っていたと思います、怖いくらいに