「市子とは」市子 yuuさんの映画レビュー(感想・評価)
市子とは
想像していた以上に壮絶で生々しい1人の人間の人生の一部を垣間見たようだった。
市子は1日1日をどんな思いで生きていたのか。
彼女の笑顔と涙が頭から離れない。
笑顔と涙の裏側にはいったいどれほどの葛藤や孤独、苦しみがあったのだろうか。
当たり前に存在するものが当たり前ではなく、細やかな幸せが細やかではないのだということ、忘れてはいけないなと思う。
最後まで市子という人物が掴めなかった。
けれどその掴めなさこそが、人間の真の姿なのかもしれない。市子という人物、市子の人生について、想像することはいくらでもできるけれど、きっと想像には及ばない。
他人から目に見えるものなんてきっとほんの一部で、それさえも正しいといえるのだろうか。この人はこうだ、こうに違いないと想像することはいくらでもできるが、他人が簡単に決めつけて言い表わしてしまっても良いのだろうか。
きっとこの世界には、まだまだ自分の想像も及ばないような人間がいて、物事があるのだろうと思う。
杉咲花さん素晴らしかったです。圧巻でした。
市子は誰よりも力強く確かにそこに生きていました。
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