「期待度○鑑賞後の満足度○ ストーリーテリングも上手い、演出も悪くない、俳優陣も殆どが好演、でもヒロインに感情移入できない。主人公可哀想でしょ、だから仕方ないでしょ、という映画は余り好きではないので…」市子 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
期待度○鑑賞後の満足度○ ストーリーテリングも上手い、演出も悪くない、俳優陣も殆どが好演、でもヒロインに感情移入できない。主人公可哀想でしょ、だから仕方ないでしょ、という映画は余り好きではないので…
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①宮部みゆきの『火車』を彷彿とさせる物語だが、あの小説の犯人に共感できなかったのと同じく、本作のヒロインにも共感は出来なかった。
②ヒロインは確かに過酷な境遇に生まれ育ったわけだが、それが筋ジストロフィーの妹を見殺しにして死体を埋めさせたり、妹の死体を埋めてくれた母親の愛人を死なせて自殺に見せかけたりしたことへの免罪符にはならない。
③主人公をトコトン過酷な状況において、それで何かを描き出したい、観ている者の心の中に何かを産み出したい、という程の映画的創造性は感じなかったし、無戸籍という社会問題に焦点を当てる社会性にも乏しい(妹が筋ジストロフィーだという設定同様、ヒロインの境遇の過酷さを御膳立てするピースに過ぎない感じ)。
無戸籍という隠れた社会問題に目を開かせてくれた点は自分的には意義があったけど。
④中村ゆりが珍しく汚れ役。やさぐれ感はなかなか良かったが、あんなに大きな娘を持つには少し若すぎるのと、一番の元凶は貴女でしょ(男運が悪かったにせよ)という非難が霞むくらいの人間としての悲しさ・どうしようもなさ、を表現しきれていない。
⑤まあ、結局私のこれまでの人生はそこそこだったので、他人の不幸には鈍いのかな、ということも微かには自認しております。
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