フェラーリのレビュー・感想・評価
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たくさんの命を引き換えに、彼が手にしたかったもの…(ガガの次は)ペネロペ・クルスが食う!これはアダム・ドライバーが『ハウス・オブ・グッチ』に続きイタリア人を演じた実話"ハウス・オブ・フェラーリ"だ!!
時代に逆行するようなアメリカナイズド・キャスティングだけど、どうせならもう一本巨匠監督 ✕ 伝記ドラマ演じて、アダム・ドライバーの"イタリア3部作"にしてほしい感ある。息子の死で欠落している状況をどうにかしようとエンツォが躍起になるほど、結果より苦しい状況になっていく…《死》がついて回りながら。 『アラビアのロレンス』(向こうはバイクだが)を個人的に思い出した最初の車シーンから、一元的には理解できない複雑さ。言わずもがな本作は、別にエンツォ・フェラーリの生涯や人柄を讃えているわけではない。レーサーの不慮の事故に、認知できない息子。色々な要素を内包していて、それらを因数分解したら、子を失った夫婦の間の溝や向き合い方、死が身近にある危険なモータースポーツでの勝利へのこだわり執念(なぜそこまで全て賭けて夢中になるのか?)等あるだろうけど、やはりピエロの存在。 ペネロペ・クルス演じるラウラがとある重大なことに気づいてから銀行員に新入りレーサーの名前の綴りを伝えるカット怖かった。にしても、やはりあの衝撃カット!子どもの頃、『HUNTER×HUNTER』ボマーの「リリース」2ページ見開きくらいトラウマになりそうだった。 P.S. クリスチャン・ベール版とヒュー・ジャックマン版のエンツォも見たかったな〜。見られたのは総白髪パトリック・デンプシー(無論イケメン)。関係ないけど『グラディエーター2』(ポール・メスカル大好き!共演のペドロ・パスカルと名前やや似ている)と『ヒート』前日譚(もしアダム・ドライバー✕オースティン・バトラーの対戦カードになったら最高俺得すぎ)楽しみ!! 勝手に関連作品『ハウス・オブ・グッチ』『フォードVSフェラーリ』『アイアンクロー』『グラン・プリ』
惜しい
中々面白い話しなはずなんだけど、つまんないシーンが結構あり勿体無い。もっとレースにクローズアップしたストーリーで、緩急あれば良かった。 最後らへんは特に面白かったけど、最後がなんかピンとこなかった。残念というか呆気ない。
まだ若いアダム・ドライバーが、初老のエンツォ・フェラーリを演じる必然性はあったのだろうか?
クラシカルなレーシングカーによる迫力のあるレース・シーンは見応えがあるし、凄惨なクラッシュの場面からは、ドライバーだけでなく観客にとっても、カーレースが死と隣合わせであることが実感できる。 ただ、この映画が焦点を当てるのは、エンツォ・フェラーリの私生活であり、しかも、妻の他に愛人と隠し子がいるという、ありきたりといえばありきたりな話で、そうした家庭のゴタゴタには、今一つ入り込むことができなかった。 むしろ、印象に残るのは、ペネロペ・クルスが演じる妻のキャラクターで、夫に向けて銃を発砲するという気性の激しさを持ちながら、その夫のために、自分が保有する会社の株を譲ったり、それで得た50万ドルを差し出したりと、関係が冷え切っていようが、裏切りが発覚しようが、結局、夫のことを愛しているのだということがよく分かる。 その一方で、アダム・ドライバーが演じる夫のエンツォは、そんなに魅力的なキャラクターには見えないし、どうして妻から愛されるのかもよく分からない。 そもそも、40歳そこそこのアダム・ドライバーが、初老のエンツォを演じる必然性はあったのだろうか? 最初は、「回想」という形で、アダム・ドライバーが、自分の実年齢に近い頃のエンツォを演じるシーンが多いのだろうと思っていたのだが、蓋を開けてみれば、そうしたシーンは、オベラを観劇する場面でわずかに出てきただけだった。 むしろ、エンツォが現役のレーサーだった頃の活躍とか、戦争中の苦労とか、会社を起業した時の経緯とかをもっと知りたかったし、闘病の末に亡くなった息子のことも含めて、そうした描写が全くなかったのは、物足りないとしか言いようがない。 どうして、アダム・ドライバーが、わざわざ老けたメークをしてまで、エンツォを演じなければならなかったのかが、最後まで納得できなかった。
エンツォ・フェラーリという男の話
車成分よりどちらかと言えばエンツォ・フェラーリという人物の話。 エンツォ・フェラーリの事、皆さん基本は分かってますよね?? って所からスタートして説明もほぼ無い為に私の様な浅学な者には 半分くらいしか理解できなかったかもしれない、 詳しい方が観ると全然感想が変わるかもしれませんね。 それにしても昔のレースやべーっすね事故は即ドライバー死亡とか まぁドラム缶みたいなのに滅茶苦茶なエンジン載ってるんだろうし 安全対策あんま無さそうだからそうなるんだぁ…とか思いました でもデザインはめちゃかっこいいですよね マイケル・マン監督らしい骨太感は良かった
面白さも中くらいなり
前半の女性にだらしない私生活部分は非常に退屈であった。フェラーリと言えばレース、エンツォの愛人や隠し子にあまり興味がわかず、いつまでやるんや?状態。 しかし、後半のレースシーンは俄然、盛り上がる。爆音轟く、テールトゥノーズ、これがフェラーリですよ、これが。 前半部分の魅せ方が薄味でダラダラ長く感じ、後半一気の追い上げで少し溜飲を下げたがもう少し上手く編集できなかったのか残念感が残った。
モデナFCはイタリア2部所属
エンツォがああいう人だからこういうそれなりの映画に仕上がったんだろうな。ヘンリー・フォードや本田宗一郎では教訓話になってしまうだろうから。 それにしても、言っても仕方ないけど、イタリア人達が英語で喋るってのはどうも…
レースに優勝する事で車が売れた割と何でも有りな時代のお話
アダム・ドライバーは演技派だがあまりイケてる役者と言う認識がないのだが、白髪でオッサン歩きにもかかわらず彼史上一番かっこよく見えた。 イタリアと言えば種馬らしくエンツォ・フェラーリも例に漏れずでしっかりと愛人を囲い子供まで作っており、何となく亡くなった息子のお墓での涙は嘘臭く見えた。 ペネロペ・クルスの完全に美しさを消しおばちゃんに成り切ったカメレオン女優ぶりは衝撃的だった。 フェラーリの妻で共同経営者だが家の中で拳銃を発砲し、息子の死をエンツォのせいにするぶっ飛んだイタリアのおばちゃんである一方で、銀行でのやり取りでは冷静で隙のないやり手ぶりを見せる振り幅の大きさは印象的だった。 法や道路の整備ができてない時代に公道を使ったシートベルト無しが当たり前だった時代のレースは命懸けで犠牲者もたくさん出したのだろうが、いくら心の中に壁を作ったとは言え、エンツォはもう少し凹んでもいいのではないか。 レースに勝つ事以外に何の感情も持たない欠陥人間にしか見えなかった。 大のフェラーリ好きを公言すふマイケル・マンの熱い思いがありながらクールで俯瞰した目線の演出がしっかりと効いているなかなかの佳作だと思った。
まあまあハードル高め
私、カーレースはおろか車そのものに関してもそれほどの興味がありません。そのため、本作品も見送ろかと思っていたのですが、期間限定の誕生月クーポンがあったのと、「フェラーリ×マイケル・マン×アダム・ドライバー」はやはり観ておかなければと思い、109シネマズ木場へ。客入りは少なめ、(私を含め)オジサンが多かったと思います。 と言うことで、情報も知識もほぼない私が観た印象としては、まあまあハードル高めに設定されており、ボーっとしていると置いて行かれます。説明的なことは一切せず、主要登場人物はけして多くないのに人間関係を理解するためには集中力が試されます。とは言え、本作で扱われる話は短い期間であるため、寝落ちさえしなければ(正直、前半は何度か気を失いそうになったけど)全く解らないということはないため、初心者でもそれなりに楽しめると思います。 特に、何といってもフェラーリの走行シーンはそのフォルムの美しさに目を奪われ、更には最大の魅力であるエンジンサウンドを聴いていると、元々興味はなくてもついついウットリします。そして、後半にはたっぷりレースシーンが続きますが、ドライバーの視点と様々な角度からの映像が巧みに編集されておりとてもダイナミックです。そこからの本作最大のクライマックスシーンが終盤に控えているわけですが、流石のマイケル・マン、結構凄絶(せいぜつ)ですので、PG12ですが一応大人も注意。 と言うことで、けして万人に向けてお勧めはしづらいですが、見所は十分ですし気になる方はやはり劇場で観るべき作品。アダム・ドライバーがエンツォ・フェラーリに見えるかはさておき、フェラーリが好きなら観て損はないと思います。
フェラーリ
レースメインの映画ではなかったけどフェラーリ社長の人生を知ることができた。 レースありきの冷たいのか愛情あるのか分からない人。 奥さん役のペネロペが心に残る。 1人じゃ足りなかったのよって母親の言葉に驚いてしまった。 これは慰め?皮肉? レーサー達が愛する人に万が一のことを考え手紙を書いてからレースに挑む様。 死ぬことを恐れない走り。 恐ろしい事故。 あんなに次々とレーサーが亡くなることもあるんだ…。 沿道の人達を巻き込むこともあるんだ…。 あっという間の2時間でした。
フェラーリ創業期はこんなに苦難だった?
会社の存亡を賭けて公道を走る過酷なレース(1000マイル)に挑戦するチーム(ドライバーは死を覚悟して望む。)の姿を追いながら、フェラーリの自らの複雑な家庭(亡き息子の事で争う不仲な妻とそして愛人とその息子。)環境を描くストーリー。
イマイチ
初日に観ました。 エンツォフェラーリの90年の生涯を描くのなら 面白かったと思いますが、数年?くらいの 短期間を切り取ったストーリーで つまらなかったです。 マイケルマン監督は好きなので期待してましたが 「え?終わり?」という感じ。 Wikipedia読めば、中途半端具合が分かるかと。 エンタメを求めるならフォードvsフェラーリの 方が面白いです。 タイトルはダサいですけど。
レース映画と誤認していたので…
予告のみ視聴して、通常上映にて鑑賞。 ジェームズ・マンゴールド監督作品「フォードVSフェラーリ」のような作品を期待して観に行ったので、伝記映画だと分かった時は少し冷めました。 ですが、レースのシーンの迫力、音響、特にエンジン音はファンには堪らないものになっていたと思います。 エンツォ・フェラーリの様々な葛藤が素晴らしい演技で表現されていたので、違和感なく楽しめたと思います。 もう一度「フォードVSフェラーリ」を観たいと思える作品でした。
秀逸の人間ドラマ
面白かったです。 レースやエンジン開発がテーマの映画ではないことは分かっていた。 にも関わらずフェラーリという車やその存在を愛するインフルエンサーが絶賛していた。その時点でこの映画に惹かれ鑑賞。 エンツォ・フェラーリという天才を取り巻く幾重にも重なる人間模様。 エンツォの妻、愛人、母、愛人の子、皆が彼に振り回され憎しみ、彼の引力に吸いこまれる。その葛藤を見事に表現した秀逸のドラマだ。 自動車メーカーのフェラーリを取り巻く個人や企業、レーサーを知っていれば、もっと深い感動が得られよう。勉強してもう一度見る。 とても小さなシーンだが、レース中のデ・ポルターゴがかじったバナナを、彼のファンらしい少年がもらった時の笑顔が忘れられない。 一本のバナナで少年は一生フェラーリを愛するのだろう。
サングラスに花束に真っ赤な車
アダム・ドライバーがとてもかっこよかった。初めて映画で見たのは「スター・ウォーズ」のカイロ・レイン役だと思うけれどその時は見て思わず笑ってしまった。そういう場面ではないのに。それから何本か見たけれど、こんなに内面と外見を見事に作って役になりきったアダム・ドライバーはとても素晴らしくていい俳優だ!と初めて今更ながら思った。 20代の息子を亡くしたら誰だって悲しいがとりわけ家族愛が強いイタリア、フェラーリの継承者としても大切だった長男への墓参りを欠かさないエンツォ、花束持って。教会のミサと同時進行で映し出されるカーレース指示はまるで映画ゴッド・ファーザーだった。 グレイヘアのオールバック、サングラス、スーツが高身長のドライバーにぴったり合っていた。自分の母親と妻ラウラ、一方で可愛い息子までいる密かな愛人リナ(「スノーデン」の彼女と同じように可愛く理性ある役!)との間で苦しみ、会社の危機を抱えつつ、自分の美学を曲げないエンツォという人間がそこにいた。 ペネロペはCHANELの映画CMではがっかりしたが、この映画では最高だった。このスペインの女優はフランスでなくイタリアにぴったりなのだ!目の下は隈、顔色悪く、髪の毛ボサボサ、言いたいことははっきりと強烈に言う。彼女もサングラスかけて、エンツォと同じように脚が開き気味の歩き方をする。イタリアによくある家族での企業展開の感じが伺われた。 ミッレ・ミリアってあんなに長い距離の公道を真夜中に出発して走るんだ!おっかない。美しい風景、トスカーナかなあ、ローマのコロッセオかなあ位しかわからなかったがとにかく凄い。どんな風に撮影したんだろうと感銘を受けた。美しかった。近辺の人達が総出で応援していた。昨年ほんの少しだけ滞在したトリノで、旧市街ど真ん中の公道を凄いスピードで走るレーシングカーを見たことを思い出した。確かにすごく興奮した。観客もみんな大興奮。でも事故は常に紙一重。レーサーはみんな、愛する人に手紙を書いたり万が一のことを仲間に頼むんだろうか。 映画の冒頭、白黒のニュース映画のような映像で若きエンツォのレーサー姿が映る。その笑顔はアダム・ドライバーだった。 おまけ エンツォが早朝に愛人の家を出て妻のいる自分の家に戻る際、息子を起こさないよう、隣家(あったかな?)に顔見られない(または迷惑かけない)よう、エンジンかけずに静かに車を出したところに胸が痺れる程の感動を覚えた。車を愛し車を知り尽くしている男🚗
モナコグランプリのレースを思い出させる映画内のエキサイティングなレースが見もの
モルディブに行く飛行機の中で鑑賞。 以前、『ランボルギーニ』を見て非常に面白かったことから、今回も期待して試聴。 ランボルギーニでは、ランボルギーニが立ち上がっていく様子から描かれていたのに対して、フェラーリは既にブランドの地位を確立しており、フェラーリそのものというよりも、パートナーや子供との関係性など、エンツォ・フェラーリの波瀾万丈な人生が多く描かれていた。 レースのシーンは圧巻で、本気で走る男たちの熱い想いが伝わってよかった。
アダム&ペネロペのベストアクト
アダム・ドライバーの、 芝居の説得力に圧倒される。 指先から手首の角度、 全身の所作、 エンツォ・フェラーリの、 経営のセンスやバランス、 リテラシーを文字通りなぎ倒していく、 スピードとパワーは、 暴れ馬フェラーリそのもののアグレッシブさを体現していた。 カイロ・レンや、 マリッジストーリー等で、 爆発的な怒りの芝居は見てきたが、 少し表の出力は落として、 内に秘めるとでもいえばいいのか。 ペネロペ・クルスも、 影響されたのか化学変化か、 ポテンシャルは高いのは、 証明済だが、 ベストアクトの作品のひとつになるだろう。 エンツォのように現場を仕切る、 マイケル・マンのスタッフからの評判はよく聞くが、、、、 彼の技術のひとつでもあるのだろう。 『フォードVSフェラーリ』で、 名車のスピードに頼らない、 魅せ方について書いたが、 本作はスピードで勝負する。 愛息と名車ディーノ、宿命。
欧州オールドマネーの退屈と熱狂
エンツォ・フェラーリは高級スポーツカー事業を一代で創始して世界屈指のブランドに育て上げたが、いま初めて人生の挫折を味わいつつあった。ライバル社マセラティの猛追を受けて主要カーレースの首位から脱落、会社は経営難に陥り、妻との関係にも隙間風が吹き始めていた。フェラーリは全てを逆転させるべく世界最大の一般公道レースミッレミリアへの出場を決意、新型車の開発に猛進するが、それは新たな悲劇につながる道でもあった。 ヨーロッパの古い富裕層の生活にひそむ退屈さと熱狂を、薄暗がりに長い残光が伸びているような照明が巧みに縁取っている。この時代に自動車は電子機器などいっさい持たず、すべては鋼鉄とオイルと皮の塊にすぎなかった。それを両の手と足でダイレクトにあやつる快感は、この映画の主題のひとつ。そしてそれがもたらすスポーツカーというものの「走る棺」としての性格も、終盤に息を呑むような鮮烈さで描かれる。 イタリア語訛りの英語をしゃべる横柄でチャーミングで奔放な富豪の姿を、アダム・ドライバーは見事に演じた。そして妻役のペネロペ・クルスは、「ありあまる富と安定、しかし生活から抜き去りがたい不幸と凋落の影」というオールドマネーの本質を優雅に形にしてみせた。 マイケル・マンはハリウッドを長年生きのびてきただけあってさすがの手練れで、教会のミサと試走コースのクロスカッティングを筆頭に、編集リズムがいちどもスピードを失わない。大したものだと思う。 ただ脚本面では、エンツォや登場人物たちの生活にいまひとつ決着のつかないところが残り、傑作にはなりそこねている。
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