「生かさず、殺さず‼️」人間の境界 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
生かさず、殺さず‼️
2021年。
ベラルーシ政府はEUに混乱をもたらす目的で、多数の難民を、
ポーランド国境に送り込んだ。
ベラルーシ政府の政策を間に受けてポーランド入国を目指す
シリア難民の家族たちと、難民をピンポン玉のように
投げ返すポーランド政府はそれを拒否する。
国境で難民の入国を阻止する国境警備隊。
そして難民を支援するポーランドの活動家。
難民のかぞく。
この3つの視点から難民支援のあり方と現状を描いた映画です。
ベラルーシとポーランドの国境は原生林が阻んでいて、
夜の原生林の闇は漆黒で本当に暗い。
国境近くに自宅を持つ精神科医のユリアはある日、犬の散歩をしていて、
国境の立ち入り禁止区域の沼地に潜んでいた難民を保護する。
それをキッカケに活動家としての運動にのめり込んで行きます。
活動家仲間の反対を押し切って《禁止区域》に入り難民を逃そうとして、
警察に検挙されてしまう。
嫌がらせの身体検査を受け勾留されるが、
ユリアの怒りはもう止められない。
立派に難民支援活動家に成長している。
エピローグで、
2022年2月のロシアのウクライナ侵攻が起こり、ウクライナの難民、
200万人がポーランドに押し寄せた。
全世界の紛争で難民は増え続けている。
国連の活動もEUの支援も、「生かさず、殺さず」
難民は、
「千の死を死ぬ」と嘆く。
誰も本気では助けてくれない。
★ポーランド本国で上映妨害を受けた問題作。
監督はポーランドの巨匠アグニシュエカ・ホランド。
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