劇場公開日 2024年4月26日

悪は存在しないのレビュー・感想・評価

全146件中、141~146件目を表示

4.0終わりが始まり?

2024年4月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

開始後15分くらいジャンルも内容も分からなくて戸惑う。
途中からガラッと展開が変わって、なるほどこの為の表現だったのか、と前半の疑問が次々に回収される。物語のテーマが掴めてきたなと思った頃に突然鈍器で殴られたような衝撃的なラストシーンがきてまた迷子に…終映後しばらく呆然とするしかなかった…(エンドロール短っ)あれからずっと、あの4人のことをぐるぐると考えている…
とにかく撮り方が美しい。あの映像の艶やかさはなに?
そして音楽もひたすら魅力的。美しい旋律が感情を、思考を揺さぶる…
監督が伝えたいのは何なのか、観終わってからずっと考えてる。「悪は存在しないのだ」と思って観ていたけど、最後にはその思いが揺らぐ…

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らべ

5.0不思議と心地よい

2024年4月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

幸せ

観終わって「良かった」と思えた作品。
勿論、巧が高橋を絞め落とす場面なんかの最後の展開等…「?」と感じるトコが無い訳ではないですが、区長が語った「水は高い所から低い所へ…」の台詞から何故か不思議と腑に落ちました。
主要な人物にそれぞれ見せ場的な場面があるのも良かったです。
この作品を「水」に例えるなら序盤は「清流、軟水」、中盤は「畝り、硬水」、最後は「汚水」ですかね。
風景がとても綺麗なので殊更に最後の場面の「人の澱」が滑稽に見えました。
ただ…花ちゃんて何者なんでしょう?
映画本編、GIFT本編、GIFTのCD…何度も考えてみましたが、未だに判らない。
でも…花ちゃんがまた次の日も森の中を散策していてくれたら良いなと思いました。

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ポン酢

5.0人間の枠を越えて

2024年4月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2023年。濱口竜介監督。これすごい。長野の自然豊かな地域にグランピング建設計画が持ち上がる。元からの住民、自然に憧れて移動してきた移住者、計画を作った会社の担当者は、思わぬ形で交流・交渉を持つようになって変わっていく。ところが、人間たちの思惑を超えたところで、不穏な事態が進行しつつある、という話。
まず、「ハッピーアワー」出演者が次々と出てきて、それだけでまずうれしくなってしまう。久しぶりに顔見知りにあった感じ。それはさておき。
これはすごい。自然と共に生きる住民の静かな日常を丁寧に描いたかと思いきや、移住者の微妙な立ち位置や距離感を明確な陰影の元に描き、さらに、地域を脅かす計画の担当者たちの人間的な苦悩や変化をもユーモラスに描く。延々と薪を割る場面のような長いワンカットもあれば、切れ味鋭いカットバックもあり、林立する木々の間で動く人間たちを描く横移動もある。そのいずれもがすばらしいリズムと反復、そのなかでの差異を含んでいて、引き込まれます。なんと贅沢な映画体験なのだろう。
そしてなんといっても最終局面。人間たちがそれぞれに微妙に変化を遂げて和解ムードが醸成されつつあるなか、人間たちの安易な馴れ合いを赦さないとばかりにある事態が出来する。人間の枠を超えた出来事が起こることで、それまでのいきさつはすべて、たかだか人間の枠のなかでの相対的な軋轢と調整の世界であったことが明らかとなる。そこまで見ていた人間たちを驚愕と混沌のなかに置き去りにするラスト。おののくとはこのことか。なるほど確かにここにあるのは「悪」ではない。もはや名付けられない、人間を超えた何かである。すごい映画だ。

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文字読み

4.0タイトルだけが今だに謎。

2024年4月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

個人的にはテーマも含めシンプルで前作ドライブマイカーより好きです。自然と人間の接点と、その距離感の話かな。終わり方がちょっと見る人に放り投げた感じだけど、何かを押しつけるのを避けたんだと思う。
まあもう少し親切にしても良い気がするが、、誤射?銃声入ってたっけ?
車の中の会話とかうどん屋とか、関係者達の背景の掘り起こし方が自然で、しかも重要で濱口監督らしいと思いました。森の中を歩く絵もすきだな。
どれも押し付け感なく淡々と語られていきます。
有名どころがいないキャストや話の内容にもよるのかもだけれど今回は棒読み感気にならなかった。

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masayasama

3.5優しくない・厳しくない自然

2024年1月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

この作品をみるときに大事なのは、これがおそらく「大作と大作の間につくられた掌編」だということですね。『ドライブ・マイ・カー』と、来るべき名作との間をつなぐ習作なのです。

掌編なのだと分かったうえで見れば、すぐれた映画的完成は画面に満ち満ちています。自然と人間の世界はただ並立してるだけで、自然は人間にとって善でも悪でもない。自然がもたらす恵みも、津波や地震のような天災も、自然の一部としてただそこにあるだけだ、ということを画面全体で定着しています。

それを実現するために、この作品の監督は自然の暮らしでただ静かに生きる人、都会で暮らす人々の猥雑さ、それらに対して何を言うわけでもなくそこにある自然の姿、をていねいに組み立てています。見るべきはこの映画的達成です。

エンディングは様々に解釈しうるでしょうが、おそらく「互いに干渉しない、ただ並立しているだけ」の人間と自然の平和な共存関係が、あるところで破綻する可能性を描いているのかもしれません。

ウィキペディアにこの映画の項目が作られていて、全体に日本語版としては意外によくまとまっていて感心したのですが、ある時点で「あらすじ」にどこかの迷惑ユーザーがエンディングを加筆して、この接ぎ木された部分だけ文章はヘンだし要約は的外れだしで呆れました。〈画面そのものを正確に見る〉のが実はどれほど難しいか、このしたり顔のバカ加筆がすばらしいサンプルになっている。

映画はただまっすぐ画面を見るべきだという姿勢は、『ドライブ・マイ・カー』よりさらに深化されています。

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milou

4.5銀獅子賞おめでとうございます🎉

2023年9月10日
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さすがの作品です!

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The music