「個人的な勝手な解釈で」あの歌を憶えている nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
個人的な勝手な解釈で
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張り詰めた中に不安定な脆さを感じさせる主人公、得体の知れない不気味さでストーキングする男性、主人公の妹家での場面に漂う居心地の悪さや距離感など、不穏な緊迫感のある描写が印象的でした。
そこから段々と主人公と男性が心を通わせてゆく様子も、淡々と日常を追う映像と俳優陣の繊細な説得力のある演技でとても良かったと思います。
しかし終盤、男性が自ら飛び降りたと思われますが、何故あんな行動をしたのかというのがよく分からず。
男性が主人公を尾行したのは、主人公に亡き妻を重ねたからかと解釈していましたが。
もしや、主人公妹の男性についての説明は主人公をなだめるための嘘で、男性は本当は暴行したグループの一人だった、その記憶を思い出して罪の意識からとか。
それとも、何かしら男性の過去に死を願う程の辛い記憶があり、それを思い出したとか。
そんな解釈で、ラストシーンは不穏感が強くモヤモヤしてしまいました。
が、ラストシーンの終わり方や音楽など肯定的なニュアンスを感じるし、肯定的な感想も多いようだし、と考えていたところ。
あの行動は認知症からの異常行動などで、認知症が悪化しているという描写だったのだろうかと。
認知症が悪化しても主人公との愛情の記憶はある、主人公も職業柄認知症の悪化を理解しつつ愛情を確かめ合っている、というラストシーンなのかと。
そう考えると、やはり希望のあるラストシーンだったと思います。
疑り深い性格や知識が薄いことなどから、個人的に勝手な解釈をして無駄に不穏感を覚えていただけなのかも知れません。
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