劇場公開日 2025年2月21日

「ジェシカ・チャステインだからこそ!」あの歌を憶えている グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ジェシカ・チャステインだからこそ!

2025年2月22日
iPhoneアプリから投稿

#me too運動から繋がる啓発の映画なのだと思います。

PTSDを抱える人は決して忘れることはないのに、見て見ぬふりをした人は、後悔したとしても一時的だったりする。下手をすると(決して口にはしないけれど)被害者本人に対して、もう過去のことは忘れて前を向いてくれないかな、俺たち(加害者側)の気持ちを楽にしてくれるために。くらいのことを内心思ってたりもする。

私だって小学生の時に、イジメ(そのクラスメートをひどいあだ名で呼んでいた)に加担したことがあるし、中学生の時はイジメではないけれど、勘違いの理由で皆んなが見てる中で友達を殴って、結局謝れなかったままだ。

でも、長い間すっかり忘れていた。思い出したことがあったとしても、年月とともに思い出したこと自体も忘れていたりする。
こんな風に映画レビューを書くようになって、色んなことを考えるようになってから、そういえば、あんなことやこんなことをオレもやってたな、とあらためて思い出すことができたのかもしれない。

だから今、もしその相手と出会う機会があれば、相手が覚えていようが、忘れていようが謝るつもりでいる。

味方だと思ってた人たちが、実は何もしてくれてなくて、世界は圧倒的に孤独なんだと思いながら自分と娘を守って生きている。だから、神経質なまでの施錠とセキュリティシステムを笑うことは誰にもできない。
どんな相手であれ、救いや癒やしをもたらしてくれる人は誰よりも愛おしい。

この映画の主人公がジェシカ・チャステインでなければ、そんなふうに考えることもなく、退屈な映画としてすぐに忘れてしまったと思う。

グレシャムの法則