潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断のレビュー・感想・評価
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潜水艦映画は、『眼下の敵』以降、数々の名作を生んで来た「外れなし...
潜水艦映画は、『眼下の敵』以降、数々の名作を生んで来た「外れなし」のジャンルです。そして近年は、映像技術の進歩と共に海中シーンの緊迫感はますますリアリティを高めて来ました。更に本作は、これまで観た事のなかった、第二次世界大戦中のイタリア海軍の潜水艦物語なのです。これは、期待が高まります。
ところがです。潜水艦映画でありながら、海上の敵艦との虚々実々の駆け引きも、魚雷発射のハラハラも、艦内で空気が無くなって行く恐怖も殆どなく、宣伝文句である戦場のヒューマニズム物語すら動き出すのは漸く中盤以降になってからなのです。むしろ、イタリアらしい美意識と食文化を背景として、職業軍人たる艦長が綴る虚無的な叙事詩と映りました。そうか、こんな潜水艦映画もあるのかぁ。
そして邦題に注文。これだと、「コマンダンテ」とは潜水艦の名前の様に響きますが、Comandante = Commander (艦長)の事なのです。潜水艦映画である事をタイトルに謡いたい思いの反映なのでしょうが、ちょっと杜撰なやっつけ仕事じゃないかなぁ。
イタリアにはポテトフライ無かったんだ
第二次世界大戦中の1940 年 10 月、イタリア海軍の潜水艦コマンダンテ・カッペリーニは、イギリス軍への物資供給を断つために地中海からジブラルタル海峡を抜けて大西洋に向かっていた。その作戦行動中、船籍不明の貨物船に遭遇した。艦砲を装備し、戦争地帯で灯火管制をしての航行であったためこれを撃沈したが、それは中立国のベルギー船籍の自衛武装を備えた貨物船カバロ号だった。サルヴァトーレ・トーダロ艦長は、敵船は沈めるが、人間は助けよう、とその乗組員たちを救助し、彼らを最寄りの安全な港まで運んでいく決断をした。だが狭い潜水艦の艦内に立ったままでも彼らを収容するスペースはなく、一部屋外に収容した。しかもその決断により、潜水艦で唯一の長所である潜航が出来なくなり、自らと部下たち、さらには艦を危険にさらすのを覚悟のうえで、無防備状態でイギリス軍の支配海域を航行することになった。さてどうなる、という実話に基づく話。
ベルギー人だとわかり、直接の敵ではないとしても、戦時中であり、我が命を考えれば救助による危険性は多大なものだが、サルヴァドーレ艦長は海の男として助ける決断をしたことは英断だったと思う。そして、イギリス艦船から攻撃を受けた際、遭難者を救助してると停戦要求した事は立派な行動だった。
イタリア限定かもしれないが、潜水艦の残存率や、乗組員の生存率の低さに唖然とした。
調べてみると、この潜水艦はイタリア降伏後ドイツや日本に引き継がれ、最後は戦後紀伊水道で海没処分されたらしい。今でも日本の海の底にあるのかな?
イタリア映画らしく、戦争中でも妻を愛する心を描いてたのはさすがというか愛を大切にする国民性なんだろう。リサ役のシルビア・ダミーコはトップレスの裸体も美しかった。
珠玉の潜水艦映画。見る価値あり
すごく良かったです。
ハラハラドキドキと船長の男気に感動しました。
お金もかけて作っているのがよくわかりました。
実話をもとにしているとは信じられないくらいの出来映え。
東宝とか大きな系列の映画館で上映すれば お客さんいっぱい入っただろうに、もったいないと思いました。
最後のエンドロールで延々とイタリア語で料理名が読み上げられるのは少しうんざりしましたが、それ以外は珠玉の作品でした。
僕なら、"鰻のかば焼き"風 お湯スープを飲むでしょう
日本海軍"イ503潜水艦"に成った 有名な潜水艦が主役の戦争映画なので、鑑賞しました。
海の男達であり、それでも楽しむことを忘れない"ザ・イタリア野郎"が戦争に直面する姿勢が、趣があって面白いが、
2人めに戦死する"自己犠牲精神"には、感動する。
映画中、明治天皇陛下を敬う、艦長の話のくだりがでますが、
この艦は、ドイツ軍「ラコニア号事件」に実際に関わり、その後はシンガポール・日本へ派遣された
非常に数奇な運命を生き抜く潜水艦で、転属しなかった乗組員達は、その後 日本人となり、現在でも 遺族が日本で暮らしています。
本作に描かれた救助エピソードが、事実であったか疑問に思いますが、
エンジン モクモクの潜水艦は、他潜水艦映画以上に時代考証は正しいです。
本作は「眼下の敵」「Uボート」に並んだので、見るべき映画だと思います。
ドンパチより人情ドラマ
レイトショーで見に行ったら貸し切りでした。まあ、それはいいんですが、思っていたのとはちょっと内容が違っていて肩透かし気味。自分は予告編すら見なかったので、まさか戦闘シーンより人情ドラマの方が多いとは思いませんでした。というか、予告編はかなりネタバレしている気がしますが。
ともかく、潜水艦映画としては割と異色な作品で、後半の話は潜水艦でなくても成立する部分もあるわけですが、それは実話を元にしているせいもあるのかも。
イタリアが第二次大戦当時、100隻以上の潜水艦を所持していたことをこの映画で初めて知りました。そのうち生還したのは20隻ほどで、やはり過酷な環境であったようですね。そういう状況を背景とする、死を覚悟して行く男とそれを見送る女という構図はもはや古臭いロマンかと思いきや、現代のロシアとウクライナの戦争でも見られるところではあります。
あと、歌や料理がよく出てくるのが特徴。序盤から艦長自ら歌うし、エンドロールではなぜかイタリア料理のリストを読み上げる音声が終始流れるしで、そこはイタリアらしさ全開といったところでしょうか。料理人のジジーノがただのモブかと思ったら、割と目立っていたのも意外でした。美味い料理が作れて楽器も弾けるとか、随分と恵まれた設定です。まあ、それくらいイタリア男ならできて当然?
沈まぬイタリアーノ!!
第二次世界大戦のさなか、中立国ベルギーの貨物船と交戦になってしまったものの、沈めた船の乗組員を助けるイタリア海軍少佐の物語。
戦争映画らしく、スカした会話劇満載の序盤。マヌケかどうかなんて別に…。
それに加えてあちこちに散りばめられたポエムのような語り。う〜ん、こういうのはあまり得意ではないかも。。
それでも、自らの身を危険に晒しながらも異国人を助ける姿はカッコ良いし、彼らとの交流も心が暖まる。
しかし助ける理由はそれだけなのか?
もっと背景があっても良いような…まぁ真の海の漢にしかわからないものですかね。
手に汗握るような展開や大きな事件が起きるわけでもないけど、仲間との別れは哀しいし、この大きな決断を下す重圧や、最後のテロップには目頭が熱くなった。
自分だったら、砲を交えた相手を助けることなどできるだろうか?逆も然りで自分らを攻撃した相手の厚意に礼を言えるだろうか?
そんなことを考えさせられた作品だった。
そして最後は、まさかのジジーノのお料理ラップ!?
どこまで芸達者なんだよ。
イタリア潜水艦の艦長の生き様を描いた感じの作品。 本年度ベスト級。
派手なシーンも美しい映像も無かったけど観応えはあった感じだった。
イタリアの潜水艦が敵国の船を沈めるミッション。
その潜水艦の艦長を軸に進む展開。
登場人物像は男性ばかり。
唯一艦長の奥さんが登場するんだけど美しかった(笑)
出だしで1人の乗組員が艦長に乗船を拒否される謎の展開。
後で館長の人柄を知るシーンだった。
敵船に攻撃され反撃の上、船が沈没。
その乗組員を救う為、潜水艦に招き入れるも全員乗船する事が出来ず、数人の人間が甲板に取り残される事に。
この為、潜水艦は潜航する事が出来ず海上を進みながら安全な港まで向かう感じ。
途中、戦闘機や戦艦に攻撃されながら港に向かう展開。
ほぼ潜水艦の中の映像で男臭い(笑)
本作は実話ベースらしいけど、こんな艦長が実在していた事に驚く。
サルヴァトーレおじさん。
素敵なオジサンだったなぁ。
エンドロールは色々な料理名を語っていた感じ(笑)
乗組員達が食べたい食べ物だったのか?
気になります( ´∀`)
The 海の男
閉鎖空間の中、匂い立つような男臭さが充満した映画。コマンダンテの分厚い胸板。クマみたいだ。何喰ったらあんな体になるんだ?猪木ばりの本気ビンタなんか食らった日には、俺なんか下手したら死にそうだな。
しかし「戦争さえなければ分かり合えたのに」みたいなテーマは散々こすり倒されてきたけど、いつまで朽ちないのは、そこに人としての真理が含まれてるからでしょうな。地味な映画でしたが、悪くなかったと思います。
フェラガモオジサンと海の男
日露戦争の後のイタリア潜水艦とベルギー船の乗組員達の話
話自体にあまり大きな変化は無く、人間が本能的にもっている、困った人は助けてあげようの話 例え戦争の真っ只中でも助け合いの精神が必要だと言いたいのだろうが、今一つ入り込めない… 隣のKYジジイが良い場目で、ビニールからパンを食べ出したのには…
残念なことに、日本の高齢のモラルは崩壊している 頼むからモラルのない高齢者は日本の為にも…
言いたいことは理解できるが、だから?と言った感じ
「美談」のない世の中が良いかも
ファシスト、と罵られたら、「俺は海の男だ」
なんで敵方の遭難者を助けたか、と聞かれたら「イタリア人だから」
一言に、誇りが込められていた。
民間人の保護のために一時休戦に応じたイギリス艦の艦長もきっと、トーダロ艦長と同じように答えると思う。
戦争は人の命を奪い合う行為で、どれほど奪えたかを競うようなものであるが、個人のレベルで「殺したい」わけではない。戦闘員であれば任務だから命のやり取りや自己犠牲は当然だが、民間人は別なのだろう。
始まりから半分くらいまで観念的な(気取った?)誰かのモノローグが続きうんざりしそうにもやもやしたが、その割には潜水艦内の描写がリアルだったのでなんとなく見ていられた。
こういう「美談」のない世の中のほうが良いかも。
美談になるのは、悲劇があるのが前提だから。
悲劇そのもの、「戦争」がない世の中が良いです。
一つの行動だけで無理に作るから・・・
2024年劇場鑑賞177本目。
簡単に言っちゃえば戦時下で味方でもない(敵でもない)船を沈めてその人たちを助けましたという話。この映画のキモはそれしかないからそれまで1時間くらい関係ない話が続き、いざ救出しても狭いところで大変だなぁというくらいでよくあるキャパオーバーで酸素が足りなくなる的な展開もなくとにかくイタリアとドイツは違うとだけ言いたい映画でした。日本へのリスペクトは明治天皇の言葉という形でちょっとだけ出てきます。
潜水艦コマンダンテ困ったって
潜水艦ものに外れなし、と誰が言ったかわかりませんが、私の今までの鑑賞経験上間違いないので本作を鑑賞しました。
なお、チラシの情報だけで予告編もみたことありませんでした。(映画館で予告編やってました?)
イタリア・ベルギー合作。
史実に基づいた作品なので比較的地味な作品ですが、戦時中にあるにもかかわらず敵の乗組員を救助するサルヴァトーレ艦長の勇気ある決断を描いた作品で、自らの潜水艦を危険にさらしてまでこんなことができるだろうか。
部下から信頼されてる艦長だからこそなんでしょうね。
エンドクレジットで料理の名前がずーっと読み続けられるのが途中から、訳されなくなりなんだか可笑しくなりました。
ただし、ちょっと自分には合わなかったのか体調のせいなのか、途中何度も睡魔に襲われてしまいました。
だから話が途切れ途切れレビュー書くの困ったって。
潜水艦映画に外れ無し、かな?翻訳が酷いが。
未だに2次大戦の潜水艦物を映画でやるとは!
珍しいイタリア物で、最後は日本の物になる船の話なので鑑賞、
まあ普通に面白い、派手さは無いが。
海の上では必罰で秩序を守らないと沈んでしまう(帆船時代から、反乱で沢山
沈んでいる)、戦後久しい戦争映画なのに真剣さが伝わって来て、日本のお決まりの
お涙頂戴8月定番の戦争特番ドラマとは一線を画すのが好感。
苦言を呈するならば、昔のコレリ大尉のマンダリンもそうだったが、イタリア映画は
ナチドイツを悪者にする事で、自分達の免罪符にしている事が鼻に付く。
民間船を虐殺したのは、寧ろアメリカ軍だよ?
*ファシストの元祖はイタリアだしね。
イタリア人のこういった軽薄さが目に余るし、冗長な部分はあるが、
ベルギーとの合作だから仕方のない所か。
最後に、翻訳家の質が低すぎる。
確かに、イタリア語を勉強する日本人は、相変わらず食やファッションに
興味が偏り(まあ、科学ー技術に興味ある人間が、イタリア語を勉強するとは
思えんが)、基本的な機械用語、軍隊用語への理解が低すぎる(ネットでいくらでも
調べられるのにね)。例えば、ニッパーで頑丈なより線のケーブル切れるか?
こんなの一般常識の欠如以外の何物でもない、レベル低すぎ。
このような話は実は日本海軍でも起きています。
第2次世界大戦中にイタリア海軍の潜水艦がジブラルタル海峡を抜けて大西洋へ向かっている途中、攻撃してきたベルギー船籍の貨物船を撃沈する。
実はこのベルギー船は英国の武器を密かに運搬していたことから先制攻撃してきたことを潜水艦の船長は知っていた。
また、乗組員を救助、運搬すれば途中英国海軍の攻撃に遇うことも覚悟しつつ安全な港まで乗艦させたと云う実話をもとに作られた映画。
この映画は実話ですが、日本海軍でも同じような事が起きています。
駆逐艦「雷」の工藤俊作艦長は第2次世界大戦のジャワ・スラバヤ沖海戦で撃沈され海に投げ出された、駆逐艦の定員の2倍にもなる400名以上の英国海軍兵士を救助し敵地に送り届けたと云う話があります。
イタリアの美談物語
実話なので非常に地味な展開で特に立ち上がりは潜水艦の艦長個人を描くもの。
1940年代の話なので潜水艦も地味で
艦内の様子は狭い事が特に強調されている。
しかし、逆に、この時代にこれだけの潜水艦をイタリアが所有して戦争していた事は日本人には知られざる話だと思う。
個人個人には「心」がある
実話ベースの作品、しかもイタリア海軍全面協力で潜水艦を実寸再現したとのこと!
内容的には大戦物ではあるが、人を救うヒューマンな部分が描かれているため、戦争の愚かさは薄まっている感がしました。その分共感しながら観られましたしね。
国と国は戦っていても、人間ひとりひとりには心があり、しかもそこに船乗りとしての気概も加えられ、それが相手の英国にも伝わって、という人間の本質を描いた良作だと思います。
まあ一部、敵愾心剥き出しで反抗するベルギー人もいましたが、それとて多分愛する人を戦争で失ったとか「国」に対する哀しみや憎しみがあってのことで、乗り合わせたイタリア軍兵士個人への恨みではありませんしね。
いつも思うのは、戦争のために悲劇や美談が作られるのであって、やはり根絶すべきはおろかな戦闘だということです。
あと、艦長が食事担当のクルーに、食材が足りなくなってきたら、色んなメニューの名前を言いながら配膳するんだよ、と語りかけるのが良かったですね。作品中もエンドクレジットの間も、ずぅっとメニューを連呼していて、イタリアン好きのワタシはそれを聞くだけでもワクワクしました。食べ物って大事ですね。
ここからは話しは作品と離れますが、自分が押さえてある席にワタシより高齢のカップルが座っていました。高齢者あるあるで列でも間違えているのだろうなと、声を掛けようとしたら「あ、ばれちゃった」みたいに舌をペロっと出してそそくさと移動するではありませんか!
正に確信犯!
いい年した二人連れなんですから、どちらか片割れが「いや、それは良くないよ」と諫めるとか「始まって誰も来なければ見やすい方へ移動しようか」とか諭すべきではないでしょうか。
「善き心」の作品を観に来ているはずなのに「心を失っている」先輩諸氏の姿を見て、なんだかとても寂しくなってしまいました。
全体通してとにかく好き! 泣き出した台詞 「切れてくれ」(うろ覚え...
全体通してとにかく好き!
泣き出した台詞
「切れてくれ」(うろ覚え)
「引き上げよう」
「イタリア人だから」
エンディングロール直前のテロップ見て、
『うそ!実話だったっけ?!』とびっくり
海の男、戦時中、イタリア人、など、
よく考えたらこれだけで、
何があってもドラマになるような設定でした
私が代わりに殺したいと思うほど憎たらしい人たちもいたけれど、
基本的にいろんな愛に満ちた映画でした
文学作品みたいな奥深い台詞の続くシーンもあったのに、
エンディングロールで流れる曲がベタで俗っぽくて、
敢えての選曲のギャップに完全にやられました
その後のナレーションでまた泣き笑いだったけど、
いつまでも終わらずあまりに長過ぎて、
ずっと頑張ったジジーノをねぎらいたい
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