潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断のレビュー・感想・評価
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欲張り過ぎな構成で、ちょっとピンぼけ気味
2023(日本は2024)年公開、イタリア映画。
【監督】:エドアルド・デ・アンジェリス
【脚本】:サンドロ・ヴェロネージ、エドアルド・デ・アンジェリス
主な配役
【艦長 サルヴァトーレ・トーダロ】:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
【副長 ヴィットリオ・マルコン】:マッシミリアーノ・ロッシ
【ベルギー貨物船長 ヴォーゲル】:ヨハン・ヘルデンベルグ
1.この潜水艦は日本と縁がある
作中、艦長が明治天皇に言及するが、それで縁があると言っているわけではない。
本作に登場するイタリア海軍の潜水艦「コマンダンテ カッペリーニ 」は数奇な運命をたどり、日本海軍の潜水艦・「伊503」として第二次大戦を終えたのだ。
「イタリア軍は弱い」、
と括られがちだが、潜水艦と水雷艇は例外で、
優勢なイギリス海軍相手に大奮闘しているのは
あまり知られていない。
2.イタリアらしい?欲張りな構成
フルコースとでも表現しようか。
◆女優とのカラミ
◆カリスマ艦長の洞察力(体調不良者を看破!)
◆潜水艦ものには欠かせない爆雷攻撃
◆機雷除去(自己犠牲)
◆ニョッキとポテトフライ
◆人道主義
◆男同士の友情
詰め込みすぎな感じ。
特に女優とのカラミは不要に感じる。
余談だが、作中に演奏されるイタリア国歌(当時)は、
1940年には、まだ未発表のはずだ!、という細かな指摘も受けている。
3.まとめ
移民問題への対応はじめ、さまざまな「分断」になやむ現代。
戦争中ですら、人道主義はあったんだよ、
というメッセージがあるという。
ただ、個人的には、
◆出港前のエピソード、
◆ジブラルタル海峡突破、
◆ベルギー船との交戦、
◆ベルギー船の乗組員を救助して以降のエピソード、
を欲張りに入れたため、ピンぼけ気味になったのが残念。
☆2.5
潜水艦映画としては、物足りないが
美談ではあるが、、、
映画館で観るつもりだったが、見逃してしまった。たまたま、寄ったレンタルビデオ店で見つけ、借りてみた。戦争映画はスクリーンで見ると迫力があるが、テレビ画面だと寂しい。ただ、この映画は戦闘場面を描く映画ではなかったし、潜水艦映画特有の密室空間での生死を扱う物語でもなかった。
イタリア海軍の潜水艦映画なんて、考えてもいなかった。日本に公開されていなかっただけなのかもしれない。邦画でも潜水艦映画を製作されているはずだが、私の記憶にあるのは「海底軍艦」くらいで、これも潜水艦映画だと言っていいものか疑問だ。
さて、実話をもとに作られたそうだ。1度ならず2度も敵を助けるなんて、信じられない。助けた潜水艦艦長の人間性が描かれているが、結局私には分からなかった。ただ、このような艦長を持った潜水艦員は幸運だっただろうと思う。
それにしても第二次世界大戦でイタリア海軍が所有した潜水艦110余艦で、終戦まで生き延びたは20艦にも満たなかった満たなかったこの厳しい現実。日本の潜水艦も同じようだったろう。
昔、NHKのドキュメンタリーで駆逐艦の爆雷攻撃で日本の潜水艦が海中で爆破される録音を聞いたことがある。何とも悲しかった。
戦争の最中にあっても、敵を助ける人間性は一体何なのか。この映画はそれを描こうとしている努力は認める。ちなみに、このような美談は日本海軍にもあります。
潜水艦映画は、『眼下の敵』以降、数々の名作を生んで来た「外れなし...
潜水艦映画は、『眼下の敵』以降、数々の名作を生んで来た「外れなし」のジャンルです。そして近年は、映像技術の進歩と共に海中シーンの緊迫感はますますリアリティを高めて来ました。更に本作は、これまで観た事のなかった、第二次世界大戦中のイタリア海軍の潜水艦物語なのです。これは、期待が高まります。
ところがです。潜水艦映画でありながら、海上の敵艦との虚々実々の駆け引きも、魚雷発射のハラハラも、艦内で空気が無くなって行く恐怖も殆どなく、宣伝文句である戦場のヒューマニズム物語すら動き出すのは漸く中盤以降になってからなのです。むしろ、イタリアらしい美意識と食文化を背景として、職業軍人たる艦長が綴る虚無的な叙事詩と映りました。そうか、こんな潜水艦映画もあるのかぁ。
そして邦題に注文。これだと、「コマンダンテ」とは潜水艦の名前の様に響きますが、Comandante = Commander (艦長)の事なのです。潜水艦映画である事をタイトルに謡いたい思いの反映なのでしょうが、ちょっと杜撰なやっつけ仕事じゃないかなぁ。
イタリアにはポテトフライ無かったんだ
第二次世界大戦中の1940 年 10 月、イタリア海軍の潜水艦コマンダンテ・カッペリーニは、イギリス軍への物資供給を断つために地中海からジブラルタル海峡を抜けて大西洋に向かっていた。その作戦行動中、船籍不明の貨物船に遭遇した。艦砲を装備し、戦争地帯で灯火管制をしての航行であったためこれを撃沈したが、それは中立国のベルギー船籍の自衛武装を備えた貨物船カバロ号だった。サルヴァトーレ・トーダロ艦長は、敵船は沈めるが、人間は助けよう、とその乗組員たちを救助し、彼らを最寄りの安全な港まで運んでいく決断をした。だが狭い潜水艦の艦内に立ったままでも彼らを収容するスペースはなく、一部屋外に収容した。しかもその決断により、潜水艦で唯一の長所である潜航が出来なくなり、自らと部下たち、さらには艦を危険にさらすのを覚悟のうえで、無防備状態でイギリス軍の支配海域を航行することになった。さてどうなる、という実話に基づく話。
ベルギー人だとわかり、直接の敵ではないとしても、戦時中であり、我が命を考えれば救助による危険性は多大なものだが、サルヴァドーレ艦長は海の男として助ける決断をしたことは英断だったと思う。そして、イギリス艦船から攻撃を受けた際、遭難者を救助してると停戦要求した事は立派な行動だった。
イタリア限定かもしれないが、潜水艦の残存率や、乗組員の生存率の低さに唖然とした。
調べてみると、この潜水艦はイタリア降伏後ドイツや日本に引き継がれ、最後は戦後紀伊水道で海没処分されたらしい。今でも日本の海の底にあるのかな?
イタリア映画らしく、戦争中でも妻を愛する心を描いてたのはさすがというか愛を大切にする国民性なんだろう。リサ役のシルビア・ダミーコはトップレスの裸体も美しかった。
珠玉の潜水艦映画。見る価値あり
僕なら、"鰻のかば焼き"風 お湯スープを飲むでしょう
日本海軍"イ503潜水艦"に成った 有名な潜水艦が主役の戦争映画なので、鑑賞しました。
海の男達であり、それでも楽しむことを忘れない"ザ・イタリア野郎"が戦争に直面する姿勢が、趣があって面白いが、
2人めに戦死する"自己犠牲精神"には、感動する。
映画中、明治天皇陛下を敬う、艦長の話のくだりがでますが、
この艦は、ドイツ軍「ラコニア号事件」に実際に関わり、その後はシンガポール・日本へ派遣された
非常に数奇な運命を生き抜く潜水艦で、転属しなかった乗組員達は、その後 日本人となり、現在でも 遺族が日本で暮らしています。
本作に描かれた救助エピソードが、事実であったか疑問に思いますが、
エンジン モクモクの潜水艦は、他潜水艦映画以上に時代考証は正しいです。
本作は「眼下の敵」「Uボート」に並んだので、見るべき映画だと思います。
ドンパチより人情ドラマ
レイトショーで見に行ったら貸し切りでした。まあ、それはいいんですが、思っていたのとはちょっと内容が違っていて肩透かし気味。自分は予告編すら見なかったので、まさか戦闘シーンより人情ドラマの方が多いとは思いませんでした。というか、予告編はかなりネタバレしている気がしますが。
ともかく、潜水艦映画としては割と異色な作品で、後半の話は潜水艦でなくても成立する部分もあるわけですが、それは実話を元にしているせいもあるのかも。
イタリアが第二次大戦当時、100隻以上の潜水艦を所持していたことをこの映画で初めて知りました。そのうち生還したのは20隻ほどで、やはり過酷な環境であったようですね。そういう状況を背景とする、死を覚悟して行く男とそれを見送る女という構図はもはや古臭いロマンかと思いきや、現代のロシアとウクライナの戦争でも見られるところではあります。
あと、歌や料理がよく出てくるのが特徴。序盤から艦長自ら歌うし、エンドロールではなぜかイタリア料理のリストを読み上げる音声が終始流れるしで、そこはイタリアらしさ全開といったところでしょうか。料理人のジジーノがただのモブかと思ったら、割と目立っていたのも意外でした。美味い料理が作れて楽器も弾けるとか、随分と恵まれた設定です。まあ、それくらいイタリア男ならできて当然?
沈まぬイタリアーノ!!
第二次世界大戦のさなか、中立国ベルギーの貨物船と交戦になってしまったものの、沈めた船の乗組員を助けるイタリア海軍少佐の物語。
戦争映画らしく、スカした会話劇満載の序盤。マヌケかどうかなんて別に…。
それに加えてあちこちに散りばめられたポエムのような語り。う〜ん、こういうのはあまり得意ではないかも。。
それでも、自らの身を危険に晒しながらも異国人を助ける姿はカッコ良いし、彼らとの交流も心が暖まる。
しかし助ける理由はそれだけなのか?
もっと背景があっても良いような…まぁ真の海の漢にしかわからないものですかね。
手に汗握るような展開や大きな事件が起きるわけでもないけど、仲間との別れは哀しいし、この大きな決断を下す重圧や、最後のテロップには目頭が熱くなった。
自分だったら、砲を交えた相手を助けることなどできるだろうか?逆も然りで自分らを攻撃した相手の厚意に礼を言えるだろうか?
そんなことを考えさせられた作品だった。
そして最後は、まさかのジジーノのお料理ラップ!?
どこまで芸達者なんだよ。
イタリア潜水艦の艦長の生き様を描いた感じの作品。 本年度ベスト級。
派手なシーンも美しい映像も無かったけど観応えはあった感じだった。
イタリアの潜水艦が敵国の船を沈めるミッション。
その潜水艦の艦長を軸に進む展開。
登場人物像は男性ばかり。
唯一艦長の奥さんが登場するんだけど美しかった(笑)
出だしで1人の乗組員が艦長に乗船を拒否される謎の展開。
後で館長の人柄を知るシーンだった。
敵船に攻撃され反撃の上、船が沈没。
その乗組員を救う為、潜水艦に招き入れるも全員乗船する事が出来ず、数人の人間が甲板に取り残される事に。
この為、潜水艦は潜航する事が出来ず海上を進みながら安全な港まで向かう感じ。
途中、戦闘機や戦艦に攻撃されながら港に向かう展開。
ほぼ潜水艦の中の映像で男臭い(笑)
本作は実話ベースらしいけど、こんな艦長が実在していた事に驚く。
サルヴァトーレおじさん。
素敵なオジサンだったなぁ。
エンドロールは色々な料理名を語っていた感じ(笑)
乗組員達が食べたい食べ物だったのか?
気になります( ´∀`)
The 海の男
フェラガモオジサンと海の男
「美談」のない世の中が良いかも
ファシスト、と罵られたら、「俺は海の男だ」
なんで敵方の遭難者を助けたか、と聞かれたら「イタリア人だから」
一言に、誇りが込められていた。
民間人の保護のために一時休戦に応じたイギリス艦の艦長もきっと、トーダロ艦長と同じように答えると思う。
戦争は人の命を奪い合う行為で、どれほど奪えたかを競うようなものであるが、個人のレベルで「殺したい」わけではない。戦闘員であれば任務だから命のやり取りや自己犠牲は当然だが、民間人は別なのだろう。
始まりから半分くらいまで観念的な(気取った?)誰かのモノローグが続きうんざりしそうにもやもやしたが、その割には潜水艦内の描写がリアルだったのでなんとなく見ていられた。
こういう「美談」のない世の中のほうが良いかも。
美談になるのは、悲劇があるのが前提だから。
悲劇そのもの、「戦争」がない世の中が良いです。
一つの行動だけで無理に作るから・・・
潜水艦コマンダンテ困ったって
潜水艦ものに外れなし、と誰が言ったかわかりませんが、私の今までの鑑賞経験上間違いないので本作を鑑賞しました。
なお、チラシの情報だけで予告編もみたことありませんでした。(映画館で予告編やってました?)
イタリア・ベルギー合作。
史実に基づいた作品なので比較的地味な作品ですが、戦時中にあるにもかかわらず敵の乗組員を救助するサルヴァトーレ艦長の勇気ある決断を描いた作品で、自らの潜水艦を危険にさらしてまでこんなことができるだろうか。
部下から信頼されてる艦長だからこそなんでしょうね。
エンドクレジットで料理の名前がずーっと読み続けられるのが途中から、訳されなくなりなんだか可笑しくなりました。
ただし、ちょっと自分には合わなかったのか体調のせいなのか、途中何度も睡魔に襲われてしまいました。
だから話が途切れ途切れレビュー書くの困ったって。
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