「まあまあだった」マエストロ その音楽と愛と 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
まあまあだった
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若い指揮者がどんな評価でどのようなパフォーマンスで出世していくのかと思ったらそこはばっさり端折られて、奥さんとの出会いが描かれる。それがとても普通でつまらない。裏に同性愛があるくらいだ。
後半カラーになって、奥さんと猛烈なけんかをする。うちでそれをやったら一発で離婚だ。余程の理不尽がない限りこっちは平謝りなので、あんなふうに対等に言い合えるなんてすごい。関係が壊れることが怖くないのだろうか。本当の信頼関係で結ばれているのか。一方で男性との浮気は暗に認められているような、芸術家だから仕方がないという理解を奥さんがしているのだろうか。すごい場面だったけど、別にこの題材で見たいのはそれじゃない。偉大な指揮者だって人間だみたいなことかもしれないけど、もっともっと偉大さを見せて欲しい。
終盤に素晴らしい演奏が見られる。また、後輩への指導も指揮で演奏が見事に変わるのがすごい。そういうのがもっと見たかった。音楽や指揮の分量が3倍くらいが望ましい。
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