「愛の喪失」けものがいる HKさんの映画レビュー(感想・評価)
愛の喪失
一見、近未来における感情とは何か、を描いているようでいて、
実は時代を超えても普遍的に存在する愛の喪失を描いていると感じた。
鳩、人形、占い師、災害などの不吉を予感、キックさせる象徴が、
時代を超え、形を変えてシンクロ、共鳴し、大きな不協和音となり、
どれだけ無意識下で抵抗し、もがいても最後は水中の悲劇的な結末に向かっていく。
幸せに思えるラストの主人公の反応は一瞬不思議だったが、
それは前世(DNA)の浄化から悟った、
将来に待ち受けている逃れられない喪失(比喩としての獣?)への絶望なのだと思った。
愛の喪失の絶望を静謐に小説的に描いた傑作。
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