「「けもの」とは人間の感情の部分?」けものがいる うすたらさんの映画レビュー(感想・評価)
「けもの」とは人間の感情の部分?
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原題はLa bête(けもの)というフランス映画。パンフに載っている中野京子さん(作家)のコメントにもあるように、いかにもフランスらしい恋愛映画です。
主演は、バッサーに(が?)似ていると言われているレア・セドゥ。
タイムスリップものに入ると思いますが、2044年(たぶん技術的特異点が起きた後)、1910年(セーヌ川の氾濫のあった年)、2014年(ロス大地震)の3地時点での、主人公ガブリエルとルイ(ジョージ・マッケイ)の間でおこる物語です。人は、災害では極めて感情的な反応をするということで、1910年と2014年を選んだように思います。そのときそのときで、撮影に工夫があり、素晴らしいです。
1910年のシーンで、破滅的未来を予兆させるシェーンベルクを弾くのは、また、2014年での結末は、本編のラストシーンとつながっている気がします。
邦題は『けものがいる』で、たしかに「けもの」は何か所かに効果的に現れますが、「いる」というより人間の心の中に「ある」という方が的確な気がして、その意味では、原題通り「けもの」でもよかった気がします。まあ、それじゃあ、あまりキャッチーでないけど。
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