愛を耕すひとのレビュー・感想・評価
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屈しない強さ
個性派マッツ・ミケルセン主演作は、自身の存在を賭けて使命を果たさん...
デンマークの成り立ちに知識があれば有利だがかなり難しいか…。
今年73本目(合計1,615本目/今月(2025年3月度)7本目)。
※ お手洗いのため5分程度視聴が抜けています。
前から見に行きたかったのですが、ヘンテコな時間にばかりおかれてこの時間です。
デンマークの成り立ちという、日本では高校世界史でもほとんど扱わないようなことなので「知識があると有利」とは書きましたが、全員一斉にスタートといったところではないかな…と思います。
タイトル通り、そんなに打ちあったりアクションシーンがあるわけではないし(口論するシーン程度はあるが)、デンマークの成り立ちというかかなり地味な展開が多いタイプの作品です。こうした事情もあるので、映画に娯楽性(笑ってなんぼ等)を求めるか求めないかで見るみないも違ってくると思いますが、個人的には見てよかったかなといったところです。
いくつかわかりにくいところがありますが、アマゾンプライム等で課金して見られるようになったらわかるところもあるのかもしれません(3週目という事情もあって販売パンフ一覧からは外されていた)。
気になる点までないのでフルスコアです。
なお、映画の趣旨的に暗いシーンがどうしても多いので(この「暗い」というのは画面の明るさ的な意味のもの)、光の点滅等を気にされる方にはむしろおススメかもしれません(時代背景的にスマホが出るわけでもないし)。
ケーレンに興味を持った
18世紀のデンマークで、退役軍人ルドヴィ・ケーレン大尉は、荒野の開墾に成功すれば貴族の称号を貰う約束でユトランド半島に入植した。それを知った領主で裁判官の貴族・フレデリック・デ・シンケルは自らの権力低下を懸念し、ケーレンを追い払おうとした。ケーレンは自然の脅威とデ・シンケルの非道な仕打ちに抗いながら、使用人のアン・バーバラや、少女アンマイ・ムスらと土壌改良から初め、ジャガイモの栽培に挑戦し、・・・さてどうなる、という、史実に基づく話。
マッツ・ミケルソンがデンマーク人だと初めて知ったし、デンマーク語を聞くチャンスはあまり無いので貴重な体験だった。
デ・シンケルは頭狂ってるような行動を取り、ホント憎たらしかった。俳優としては上手かったのだろうが。
使用人は殺しても罪にならなかったみたいで、奴隷そのものだったんだなぁ、と思った。
紆余曲折は有ったが、一応成功し、男爵の称号も貰ったが、それより1人の女性、アン・バーバラの方が大切だったという事なのだろう。それはそれで良い選択だったのかも知れないが、じゃあ、十数年の努力の成果はどうなるんだ?
女性を助けたのは良いが、どこに向かい、何をこれからするのだろう。
その後の彼の一生を知りたくなった。
こういうあまり知られていない人の史実を学べるのが映画鑑賞の醍醐味のひとつだと思う。
彼の作品は本当に安心してみていられる
25-034
ミケルセンとテーマに惹かれて久々に観た洋画
めっちゃ好き
タイトルなし
乾いた荒涼な大地に響くデンマーク語がマッチ
ミケルセンの傑作作品
18世紀半ばのデンマークの荒地開拓のお話し。実話をもとにしているとのこと。ケーレン大尉役のミケルセンが、渋い。怒りや希望、喜びを表す時の表情がとても良かった。バーバラ役のアマンダ・コリンの感情の変遷がとても上手く描かれていると思った。タタール人の子供役の子も健気だった。憎むべき地主は、自業自得ですね。同時代を日本にあてはめると、徳川家治の時代か?田沼意次が、権力をふるっていた時かしら?飢饉や天変地異が有り、徳川幕府は財政赤字だったでしょう。(←今の日本と同じかも)あのような地主もいたかもしれませんね😡⚡
マッツと開拓話と18世紀ヨーロッパが好きな人におすすめ
私はマッツ・ミケルセンを観にいきました。
「表情を変えぬマッツ」という前評判を見ましたが、とても雄弁に感情を伝えてきます。怒り、哀しみ、愛、絶望、希望、苦悩、様々な気持ちがしみてきました。
18世紀のデンマークの王侯貴族の生活と荒地や森林風景が美しく映し出されています。その場に立ちたいと思う景色でした。
原作は日本語訳されていないようです。鑑賞後に原題を知って、なるほどねと想いました。私は映画を観る前に知らなくてよかったな、と。
登場人物の造形が深く、魅力的な人がたくさんいました。
今年観た良い映画の一本です。
素晴らしかった
自分も裏の荒れ地を畑に開墾していたのでとても興味深い。しかし最初からあんな広大な土地を一気に開発するのではなく、なんとか自分が食えるくらいの無理のない範囲ですべきではないだろうか。
主人公がなかなかの偏屈ものでちょいちょい間違いを犯す。特に子どもを手放すのは大失敗だ。でもそこが人間らしくていい。人間にとって必要なものが何であるかを全部描いているようだ。
貴族のフィアンセのお嬢さんとくっつく展開だと思っていたらすっといなくなる。キスを2回しただけだ。
貴族のあいつが一点の曇りもない嫌な人物で、憎たらしくて最高だ。毒を飲まされてちんちんを切られて死ぬ。メイドを意味もなく殺すし最悪だ。
貴族が雇った囚人たちを暗殺する場面がものすごく生々しい。
恋愛映画みたいなタイトルだけど全然違う。そんなに愛を耕さない。
耕したモノが永続的に実を結び続けるとは限らない現実の苦さ
外部から来た開拓者ケーレン大尉が
地域の有力者のシンケルに何度となく危害を加えられるが、
屈することなく忍耐強く開拓を進めていく。
有力者シンケルはなかなかの外道で、残酷で容赦ないので、
主人公が立ち向かって逆襲するシーンではスカッとする部分もあるが、
一方で多くの犠牲も払うため、苦さも残り、笑顔にはなれない。
なによりこの映画を印象深いものにしているのは、
主人公ケーレンが徐々に大切さに目覚めていく愛が、
開拓で対峙する自然や気候と同様にときに予想外に行き来するもので、
農作物のようにどれだけ心血を注いで耕しても、
必ずしも永続的に実を結んでくれないという苦さを
対比させて描いている部分にあると感じた。
馴染みのないデンマークの歴史や習俗の一端に触れられるのは面白く、勉強になります。
歴史ものだが、今に通じる優れたドラマ
歴史ものが好きな人も、普段は現代劇しか見ない人も、デンマーク史をよく知らなくても十分に楽しめる高度なドラマ展開。美しい大地の映像と壮大なカメラワーク、キャストは一流、監督はよく知らなかったけれどトップランク。素晴らしい映画でした。
なぜ、主人公のルドヴィ・ケーレンがドイツ兵だったのか。傭兵のような扱いではないので不思議で調べたみたのですが、当時のデンマーク王はドイツ・ホルシュタイン公爵領を保持し、ドイツ領での軍事作戦に参加していたらしいので、実在のケーレンもホルシュタイン連隊で昇進をめざしたようです。
史実に基づくイダ・イェッセンの小説「キャプテンとアン・バーバラ」が映画の原作。当時の世相を反映していますが、フェミニズムとDEIの視点から女性・弱者が重要なキャラクターとして創作され、単なる歴史小説ではないという海外書評欄の評価です。
映画のキーワードとして、「辺境」「差別」「権力」「分断」「家族」「尊厳」「暴力」などが想起されました。今、ウクライナやパレスチナで行われている理不尽な暴力や米国・日本で行われているよそ者いじめ問題に通じていて、他所から来た人も土地の人も、今ここで協力して生きるという課題に、リアリティを感じたドラマでした。
25年間も戦場にいて、人はどんな現実に直面するのか?寡黙で冷徹とも言えるケーレンですが、「家族」を得て徐々に変化していく。その内面を少ないセリフと身体の動き、そして目の表情で伝えるミケルセンの演技は素晴らしい。
さらに、小説タイトルにもなった"アン・バーバラ"の格好良さには惚れ惚れ。また、ロマの子である"アンマイ・ムス"を演じたメリナ・ハグバーグの生き生きとした演技が暗い色調の画面をとびきり明るくしています。彼女が腕を上げて『パンケーキ!』と叫んだシーンはアドリブ(本物のパンケーキが出てきたから)、台本にないセリフでしたが、あまりに素晴らしく美しいと感じて、そのまま映画に使ったという監督ニコライ・アーセルの弁。
蛇足ですが、家族の食事シーンは何かハリウッドの「古い西部劇」を見るような懐かしさもありました。
感動的な力作だが、見ていて余りにも辛い
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