オッペンハイマーのレビュー・感想・評価
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長いだけで何が何だかわけわからん
楽しみにしてたのに、これにつきる。
長いだけで何が何だかわけわからん
何度も寝落ちしそうになる。
アイアンマンよりマットデイモンの方が重要な役だと思ったが、後半で理由がわかった。
妻の前で浮気するシーンとかいるか?
無駄に長い気がする。
時系列追うので精一杯
白黒とカラーで映像が移り変わって行くので自分で時系列を組み立てる必要があって大変でしたまた、難しい表現がいくつも出てくるので予習するともっと見てて面白いんだろうなと少し反省がありました。でも、とても映像表現が凄まじく、オッペンハイマーが犯してしまったと感じている責任の重さがとてもよく表現されていました。
うーん…
初日初回で見てきた。
鑑賞前「オッペンハイマー史の予習が必要」みたいな感想も見かけていたけど、確かに、オッペンハイマーと言う人の人生を知らないと分かりづらい部分もあったかも。
ただ、それは映画の構成に問題があるというか、ノーラン得意の時系列シャッフルが逆に物語を分かりにくくしてる。普通に時系列順に描けば、そんなに混乱するほど複雑な内容ではなかったハズだし、本作において時系列シャッフルがストーリーテリングの面白さに寄与しているようにも思わなかった。
あと、このストーリーに3時間のボリュームが必要だったか?と聞かれれば、正直(´ε`;)ウーン…で、特に前半の部分は間延びして見えるところも多々あり、もう少しエピソードを刈り込んだほうが良かったのでは?とも。
物語の山場であり分岐点でもある「トリニティー実験」も、ちょっと物足りないというか、あれだとただの凄い爆弾にしか見えないという印象。物語的には、あの実験によって“地獄の窯が開いた”という最重要なシーンなのだから、観ているこっちがもっと絶望するような演出が欲しかった。
結論、個人的にはそこまで素晴らしいとも酷いとも思わなかった。まぁ、普通って感じ。
大傑作
情報量が多く一度ではとても処理しきれない。
こんなシーンまでIMAXカメラで撮るのか?!というくらいIMAX撮影にこだわっており、巨大なIMAXカメラを1人で担ぎ上げる撮影監督のホイテ・ヴァン・ホイテマは圧巻のムキムキボディに仕上がった。そして見事ボディビル金賞(違った、アカデミー撮影賞)を受賞しました。
この映画は3時間の尺の中に4つの時間軸で、しかも2人の視点が入り混じるという大変複雑な構成となっている。これだけの膨大な映像をこんな複雑な構成で編集させるなんてクリストファー・ノーランは鬼じゃないかと思いますが、神懸かり的な編集をしたジェニファー・レイムもアカデミー編集賞を受賞しております。
そして本作の緊張感・スリリング感に大きく貢献した音楽ですが、こちらはスターウォーズの「マンダロリアン」シリーズでお馴染みの若手ルドウィグ・ゴランソン!(ハンス・ジマーはデューン!で忙しかった笑)ゴランソンもアカデミー作曲賞を受賞しました。
そしてクリストファー・ノーランですが、メメントから始まった時間操作(終わりから始まり向かう話や、時間感覚が違う夢の中に潜る話、時間の流れが違う何光年も離れた宇宙に向かう話、異なる時間を過ごす3人の軸で一つの戦争を描く話、時間が逆行する話)ですが、本作は時間操作ではなく、異なる時代を主人公オッペンハイマーと敵対するルイス・ストローズの法廷劇的な争いに合わせ4つの時代を行ったり来たりします。
尋問するごとに新たに証言や証人達が出て来ると、その人の過去の話に遡って実際には何が起こっていたのか写されていきます。原爆実験成功という映画的な見せ場に向かいつつ、尋問も進んでいき、登場人物も説明していき、オッペンハイマーの人間に迫るというこれまたすごい映画になっています。
最後のアインシュタインとオッペンハイマーの会話は創作かと思いますが、かなりメッセージ性が込められています。
意外と初?かもしれない濡れ場もあり、フローレンス・ピューはミッドサマー、デューン2の皇帝の娘など、何故か不幸になる役柄がピッタリハマる。映るだけで不吉なことが起こりそう。スタイル抜群というわけでもないのだか、不思議な色気がありとても良い!
あれ!?この人!っていうくらいビッグスターがちょい役で後から出て来るので、何回も不意打ちを喰らいました笑 なんて贅沢な映画なんだ。
大傑作です。
だいぶ集中力が要る
・3時間、字幕の言い回しと内容が難しかったりひねってるので、だいぶ集中力が要ると思った。たまたま体調が良かったのか、ちゃんと観れて良かった。NHKのフランケンシュタインの誘惑でオッペンハイマーを取り上げてて、原爆を作って使い所がなく試したくてたまらなかった人っていう勝手な印象を作り上げてたけど、自責に苛まれていたり、女好きだったり、作ったら政府に取られたような形になってて驚いた。登場人物が多くて複雑な関係なのと演出がノーランっぽい時系列の組み合わせで、若干混乱した箇所もあったけど何となく理解できてみることが出来た。
ストローズが恨みに思ったという裁判?とアインシュタインとのやりとりのところが割とあっさりしてるように見えて、えっ?あれで?と思い、そんなに恨んでたんだ、、、と驚いた。
オッペンハイマーさんの人生ストーリー
キリアンの演技が素晴らしい。オッペンハイマーさんが背負う、全人類に対しての責任という緊迫感をとても感じました。本作を観なかったら、ユダヤ系である事から女性関係まで、彼についてこんなに知ることもなかったでしょう。そしてアインシュタインはドイツ生まれなんですね。
トリニティ実験の映像は、閃光と爆音にとても恐怖を感じ、震え上がりました。彼がリーダーシップを取っていたのはここまでなんですね。
ロバートダウニーJr演じるストローズが、私的理由でここぞとばかりに詰める聴聞会も印象的でした。
豪華キャストですが、登場人物が多すぎて、覚えられない。デインデハーンとケイシーアフレックは何役だったかしら?
ピューさんの出演が束の間の休息というか、短いけど安らげる時間でした。
観て良かった。
私たちは1年後には核戦争でなくなっている(かもしれない)世界に住んでいます。
======ノーランの致命的な失敗======
トリニティの実験を全くCGを使わずに撮影してしまったことが、この映画の最大かつ致命的な失敗。
この映画のように、広島、長崎を撮さないのであれば、トリニティの実験こそが、「人類は取り返しのつかない箱を開けてしまった」ことの(唯一の)表現であったはず。
ところが、何のこだわりか、彼がCGを使わないという(愚かな)選択をしたために、原子爆弾が、単なる「凄い爆弾」に成り下がってしまっている。
小さい頃から、夏には平和教育を受け、甲子園の試合の最中のサイレンに黙祷し、自発性のあるなしに関わらず、映画やドラマを見、原爆や戦争に関する本やマンガを読み、小学校や中学校で教師の話を聞いたり授業を受けてきた私たち日本人は、「原爆はあんなものではない」という気持ちを味わったことだろう。
私は核爆発を実際に見たことはない。したがって、ひょっとすると、トリニティの爆発は映画に近いものだったのかもしれない。
でも、それではダメなんだ。
ということがノーランにはわかっていない。
広島、長崎を描かなかった選択は、監督の考えだから仕方がないことだと思う。
私自身も、原爆の仕組みなどの科学的なことや、どうして日本に原爆が落とされたのかの社会的な意味を抜いてしまって、ただひたすら原爆の被害状況や情緒的なものを描くばかりのドラマ(あるいは平和教育)には異論がある。
ただ、実際の爆発程度がどうであったにせよ、爆弾の親玉程度の描きかたでは、何も伝わらない。
人類はパンドラの箱を開けてしまったのだ。
過剰なほどの「原爆の恐ろしさ」の描写が絶対に必要だったのだ。
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〈追記 2回目の鑑賞の後に〉
ここまで読んでくださった方の中には、「ノーランのことをさんざんに書いているのに、なぜ評価は5?」と思われた方も多いのではないでしょうか。
私がここでレビューを書く時に気をつかっていることは「ネタバレをしない」これだけです。だから、おちゃらけたり、どうでもよいようなことを短めに書くことが多いのですが、今回、最初に見た後に、つい、少々肩に力の入ったレビューを書いてしまいました。
それこそが、評価を5にしてしまった理由です。みなさんの中にも、この映画を見て、自分の思ったことを伝えたくなった人は少なくないと思います。
ここでのレビューをずっと読ませていただきました。みなさまのおかげで、今回は、かなり細かいところまで理解することができました。
否定的な意見。肯定的な意見。いずれに対しても「そうだよなー」という気持ちで読ませていただきました。
私自身の感想は、そのどちらでもあり、どちらでもないような気がします。それでも(可能ならば)他の人にも見て欲しいと思う映画でした。
ロバートダウニーJr.のアカデミー賞の時の様子を見られた方とそうでない方は、この映画そのものに関する感想もずいぶん違ってきたかもしれません。
私はダメでした。よりによって、このテーマで撮った映画の主要な人物が、アジア人を、まるでそこにいないかのように扱った姿を見て、こんなに恐ろしいもの(原爆)を人が住んでいる広島や長崎の上に落とせたのは、きっとこんな感覚だったんだろうな、と思わせるに充分なものでした。
「アイアンマン」や「シャーロックホームズ」以来、好きな俳優の一人だったからこそよけいに残念でなりませんでした。
私はこの映画に(ある意味認めながらも)何か釈然としないものを感じていました。
ある方のレビューを読んで、それがオッペンハイマーが何を後悔していたか、ということだったことに気づきました。
彼は広島や長崎に原爆を落としたことではなく、核爆弾というパンドラの箱を開けてしまったことに後悔しているのではないか、という疑念です。
私たちは何かの予期しない突発的な事故で、大規模な核戦争に入ってもおかしくない世界に住んでいます。
私たち日本人は、好むと好まざるに関わらず、ノーランの持っている原爆に関する知識の何倍もの知識や感情を持っています。(どうしても情緒的なものに片寄る傾向はありますが)。なにせ、かけてきた時間が違います。日本人である私たちが、この映画を見て感じたことをみんなに伝えていくことは、きっと何らかの役に立つはずです。私はそう思ってこのレビューを書いています。みなさんも、この映画を見て、思ったことや感じたことを書いていただければいいなと思っています。
世界的に著名で影響力のあるノーラン監督が、原爆に関する映画を作ったことこそが、この映画の一番の価値であるように思います。ノーラン監督には、ぜひ、広島と長崎を訪れて、原爆について深く学んで欲しいと思います。
(どうでもいいことで)
・「トリニティ」というのは、「リトルボーイ」や「ファットマン」と同じような、その爆弾の名前だと思っていました。しかし、トリニティというのはあくまでもこの実験の名前で、「ガジェット」(道具の意味?)(映画で呼んでいたそのまま)が爆弾の呼び方のようです。
・実験で光ってから音が届くまでの時間は、実際のものに近いものだと思っていましたが、(頭の中で数えてみただけですが)およそ70秒あまりと実際に9km地点で感じる時間(25秒程度)よりずっと長い時間でした。やはり演出として、この無音の時間をとっていたことがわかりました。
・レビュー中の「甲子園のサイレン」は8月15日の正午に鳴らされるもので、原爆の落ちた6日と9日に鳴らされるものではありません。
・映画の中で機密保持許可になぜあんなにこだわるのだろうと考えていました。しかし、研究者として機密に触れることができないということは、実質、核の研究から追放されたことと一緒だということがわかりました。
・オッペンハイマーは絵画にも造詣が深そうでしたが、母親は画家だったそうです。
・「大気への引火」について、私自身は、自分の持っていた(薄っぺらな)核分裂や連鎖反応に関する知識から、荒唐無稽なものと認識していました。しかし実際には、テラーから出されたアイディアは、核分裂ではなく、大気中の8割を占める窒素の核融合についての懸念であったようです。この映画の通り、再計算の結果、その可能性は「ほぼ0」ということだったようですが、「大気への引火」を聞いたオッペンハイマーらのトリニティ実験に対する恐怖は如何ばかりだったろうかと想像しました。そして、それでも、実験を行った彼らに対して、改めて言うべき言葉を失いました。
・日本でも、湯川秀樹博士は原爆の開発に関わっていたということです。朝永振一郎博士も原爆ではないものの、殺人光線(レーザー光のこと?)の開発に関わっていたそうなので、私たち日本人も、アメリカだけを責める資格はないなあと感じました。
・1942年の時点で、オッペンハイマーは水爆の開発にも積極的に関わろうとしていた様子があるようです。その後の水爆反対の行動を考えてみると、(少し穿った見方にはなりますが)、自分が中心となって関わった原爆を上回る武器の開発に対して反対した、ともとれないことはないかもしれません。個人的には核開発の競争を懸念しての行動と信じたいのですが・・・。
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〈追記の追記〉
安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませぬから
平和公園の碑文。
この主語が何だったのかで、論争が起きたことがある。被害を受けた「私たち日本人が」なぜ謝る必要があるのか、という論議である。主語を「日本人」とした解釈である。
それぞれの立場からいろいろな解釈があったそうだ。
結論が出てしまったわけではないのかもしれないが、主語は「私たち人間は」というのが今の一般的な解釈ではないだろうか。
原爆を作ったのは、オッペンハイマーでも、物理学者たちでもなく、私たち人類であるという認識である。
広島市のWebサイトには次のような文章が載せてある。広島市としての解釈も「すべての人びと」が、ということのようだ。
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この碑文は、すべての人びとが原爆犠牲者の冥福を祈り、戦争という過ちを再び繰り返さないことを誓う言葉であり、過去の悲しみに耐え、憎しみを乗り越えて、全人類の共存と繁栄を願い、真の世界平和の実現を祈念する「ヒロシマの心」が刻まれているものです。
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書いてある通り、繰り返さないのは原爆の投下だけでなく戦争そのものを指している。
先日読んだ本に、父親に抱かれた2歳児のオッペンハイマーの写真があった。彼も普通の人間であり、子どもの時代があったという当たり前のことに軽い衝撃を受けた。
私たちが真に原爆を落としたことを悔いるのであれば、そこには「私たち人間が」という認識が必要ではないだろうか。
私はこの映画に不満たらたらである。アカデミー賞授賞式以来、ロバートダウニーJr.に対しては嫌悪感さえいだくようになった。
ただ、相手を非難しているだけでは何も進展はない。
このサイトでも、肉親が被害にあった人、被曝2世や3世、広島や長崎に住んでいた人たちなどのレビューが載っていた。私は何かコメントを書こうとしたのだが、ずいぶん悩んだ末、言葉を思いつくことができなかったものがある。
私は日本人とそれ以外の人たちの受け取り方の違い(差)を自分のレビューに書いていた。しかし、私自身も、広島や長崎に住んだり、直接的な被害を受けた人に比べると、認識があまりにも浅かったことを感じた。
すべての人びとが、ここでのレビューで悲しみを怒りと涙で表現した人びとの気持ちにならない限り、核の廃絶は無理なのではないだろうか。
今は途方もなく不可能なことに思えるが、私たち人間にはその力がきっとあるに違いないと信じたい。
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と、書いていたのに、みなさんのレビューを読み返しているうちに、また、
「自分の家族を「ごめんね。ごめんね」と言いながら殴り殺しする相手を、誰が許すことができるのか」
という思いに囚われてしまいました。
気持ちがふらふらフラフラふらついています。
原爆ではなく、あくまでも「ひと」に焦点をあてた作品
出演者たちが歓声をあげている中、まったく逆の感情がこみあげてきて泣いた
あのシーンをアメリカ人はどのように観たのだろうか?
Try not to break the world.
色んな感情あると思う
46本目。
有休使えてラッキーだけど、なんだこの天気。
家を出た以上は、仕様がない。
クオリティが高く、錚々たる面子に圧倒される。
展開も目まぐるしく、正直ついていけない部分もあったりだけど、何とかなる感じ。
オッペンハイマーのヒューマンドラマ位のつもりで観ようと思ってたけど、原爆の完成、実験に進むに連れ、怖いと思ってしまう。
でもそれは物語の途中で全てを観ると、えっとは思う。
でも、観た以上は最後まで、見届けるのが義務と思う作品かな。
よく・・よく、
最後まで抑制されたトーンで貫けた。どこかでエモーショナルな感じになるのを必死に抑えたイメージ、これがノーラン監督の作家性なのか。
序盤は若く理想に向かうロバートが鮮やかに見えるが、原爆開発に傾倒していく部分もさほど嫌悪感が湧かない。国の為、仕事を完遂したという気持ちが皆に有ったと解るから。終盤の聴聞会は大分冗長だったが、ダウニーJRの悪役が立った所は観易かった。
これを観て各自どう判断しますか? という体でも無かったと思う、ただただ静かに淡々といった感じでプロメテウスになってしまった男の半生を描いた?
印象が…
単に言うと、主人公は大罪人と英雄の狭間の中、権力と歓声両方に打ちひしがれる話。
原爆をテーマにした作品だけに、その根底のテーマが重い。どう話を進めるのかを随分苦心した作品だと思う。
過去、邦画(winny)で、[フォークでケガをしたらそのフォークを作った人がわるいのか?]
という下りがあったが、これは、結果を知っていながら、それを作りたいという又国の為にと言うにはあまりにも最悪なモノを想像している実話をベースにしている。
日本もその案はあったと言うが、戦争は凶人を模索すると言うが……
……作品としはいい方だと思う。ビッグネームの俳優を散りばめ、人と人の葛藤が良く出ている。本当に戦争を是としたものではなく、ただ、権力と勝利を望む事に対して流されていく者たち。それが良く出ていた。
3時間アップのセリフが多いこの作品。後半、少しダレ気味だったけど、時間を感じさせなかった。鑑賞する人それぞれに感じ方は勿論違うと思うが、一見する価値があるなと思った。……映画でのあの爆発シーンで辞めろと心から思ったのは初めてでした。
最後に評価で定点数を入れないのは作品自体が悪いのではなく、ただ炭となった…を踏んだシーンがあったから。このシーンだけで採点できませんでした。
事実が知りたくなる作品
反戦映画でも核推奨映画でもなく、オッペンハイマーという人の栄光と後悔と苦悩をもう本当に淡々と描いているなという印象でした。
実験のシーンは、カウントが少しづつ減っていくのがとても恐ろしく感じました。
(小さな頃からの平和学習が原因かも)
少なからず、人への被害こんなもんじゃないから!!って思う方もいるかもしれないですが、そこには重点を置いてないようなので、それでいいのだとわたしは思いました。
(オッペンハイマーが核兵器を作らなくても)いずれ誰かが作ったというセリフに心が痛かったです。
全編通して随所に、人間の愚かさが感じ取れ、ストローズが腹いせでオッペンハイマーを表舞台から引きずり下ろそうとしたり、元カノとズルズル関係を続けてしまっていたり、原爆使ったらどうなるかなんて実験を見れば分かるのに使ってみたいという気持ちが勝ったり、どんな人間にも存在する愚かさというのを、描いていたのかなと感じました。
だからといって、愚かな行動はやめようね!というメッセージも込められてないです。
ずっと何だかやるせないな、という気持ちになります。
でも個人的には、この映画のおかげで、オッペンハイマーという人物や、戦争、原子爆弾、核兵器について、色々と知りたくなりました。
私のように映画を通して様々な方がそれらについて考え、議論するきっかけになるといいなと思います。
心の震えが止まらないよ
どうしても 心の震えが止まらない
終盤、核爆弾実験成功後、広島、長崎の単語が出るたびに目尻からジワジワ血涙が滲む
朝メシ抜きだが食欲は蒸発
ただ シラフではいられない
心鎮まるのを映画館で待ってる
もう40分もベンチに座ってる
なかなか気持ちの整理が出来ない
私はノーラン監督の作品はコンプリートで観てる大ファン
アメリカ🇺🇸のタブー
触れてはいけないタブーを描いた
おそらくは命懸けで
賛否両論は当たり前
それが健全な反応
それでこそ映画
人間の本質を問う作品を送り続けた
彼の今までのキャリアは
この作品を撮るために
あったと思えるほどの入魂の作品だ
静かに拍手
少し怒り💢🤏も湧いてくる
そして更に考えたい
この説明出来ない
溢れ出る感情の正体
とにかく難しいの一言
オッペンハイマーの成功、葛藤、苦悩を描いたドキュメンタリー映画。彼が歴史上のどういう人なのかはある程度知っていましたが、それでも私には難しかったです。エンタメ要素は1mmも無いです。アメリカ人と日本人では観た感想は大きく分かれると思う。アルベルト・アインシュタインは良く似ていたと思う。3時間切れ目無く延々と続く会話劇でさすがに疲れました。
エンタメとしてはキツいものの、歴史の教科書を映像化したものと考えればセーフかもしれない
2024.3.29 字幕 イオンシネマ久御山
2023年のアメリカ映画(180分、R15+)
原作はカイ・バード&マーティン・J・シャーウィンの『American Prometheus: The Triumph and Tragedy of J. Robert Oppenheimer(アメリカのプロメテウス:J・ロバート・オッペンハイマーの勝利と悲劇)』
原爆の父オッペンハイマーのマンハッタン計画とその後に行われた秘密保安聴聞会と上院承認公聴会を描いた伝記映画
監督&脚本はクリストファー・ノーラン
物語は、第二次世界大戦中のアメリカにて、ドイツの核開発に対抗する科学者たちの奮闘を描いていく
冒頭にて、1954年に行われた秘密保安聴聞会(カラー:主にオッペンハイマーの共産党員疑惑追及)と、1959年に行われた上院議員公聴会(モノクロ:主にオッペンハイマーをマンハッタン計画に推奨したルイス・ストローズの進退問題)が描かれ、それぞれのシーンから「回想」へとつながっていく
ロバート・オッペンハイマー(キリアン・マーフィー)は、共産党員との関わりを疑われ、それは恋人ジーン・タトロック(フローレンス・ピュー)が共産党員だったことと、それにまつわる告発が行われたからであった
ルイス・ストローズ(ロバート・ダウニー・ジュニア)は、自身の昇進の意見交換会にて、「なぜ、オッペンハイマーを選んだのか」について追及され、「当時は有能な科学者だった」と、彼の背景に関して疑わなかったことを訴えていく
オッペンハイマーの回想は、ケンブリッジ大学時代から紡がれ、そこでは恩師パトリック・ブラケット(ジェームズ・ダーシー)の研究シーンと、大学で講義を行うニールス・ボーア(ケネス・ブラナー)とのやりとりから始まる
このパートでは「青酸カリとりんご」が登場し、彼の隠された破壊衝動というものが描かれる
ストローズの回想では、高等研究所に彼を招く様子が描かれ、そこでオッペンハイマーとアルベルト・アインシュタイン(トム・コンティ)の「秘密の会話」というものが描かれる
ストローズは二人の会話の内容が気になっていて、しかも数年前に行われたある会合でバカにされたことを根に持っていることが暴露されていく
この2本の物語の軸があり、「オッペンハイマーの回想は彼の研究生活」に言及し、「ストローズの回想はオッペンハイマーの共産党員との関係」を紐解いていく流れになっていた
科学者の人脈が広がるのがオッペンハイマーの回想で、プライベートの人脈の広がりがストローズのパートとなっていると考えればわかりやすい
その後、人脈が描かれた後に「マンハッタン計画への打診」というものが行われ、オッペンハイマーの元に陸軍大佐のグローヴス(マット・デイモン)とニコラス中佐(デイン・デハーン)が登場する
この時点のオッペンハイマーは、カリフォルニア大学バークレー校にて教鞭を執っていて、その時の生徒であるロマニッツ(ジョシュ・ザッカーマン)が後にグローヴスとの連絡係になっていた
また、隣の教室で実験を行っているアーネスト・ローレンス(ジョシュ・ハーネット)との交流が描かれ、友人のアルヴァレス(アレックス・ウルフ)や弟のフランク(ディラン・アーノルド)たちとの交流が描かれる
高原に馬で訪れる場所がのちの「ロスアラモス」で、そこに街が建設されていくのである
原爆開発に入ってからのメインイベントは「トリニティ」で、ここではシカゴ大学から合流したデヴィッド・ヒル(レミ・マレック)やエンリコ・フェルミ(ダニー・デファリ)たちとの研究が描かれていく
ここまででも登場人物の3分の1くらいで、マンハッタン計画に関わったアメリカ人科学者が15人くらい、軍部関連で10人以上、公聴会の議員が5名、聴聞会のメンバーが5人ぐらいは登場する
ぶっちゃけ、当時の人間関係と原爆投下後に何が起こったのかを知らないと意味不明な会話劇を眺めるだけになってしまう
人物の理解にパンフレットはさほど役に立たず、オッペンハイマーの年表とか、各用語の解説は使えると思う
登場人物相関図を個人的に作ったが、B4用紙まるまる細かい字で埋める感じで、全ての関係性を線で結ぶのは不可能に近い
印象として「ストローズの公聴会(議員から吊し上げ)」「オッペンハイマーの聴聞会(赤狩り関連)」「プライベートとしての共産党員との関わりと学外活動」「ケンブリッジから始まる科学者人脈の広がり」「マンハッタン計画で関わる科学者と軍人」という感じに区分けはできると思う
とにかく、180分間の講義を聞いている気分になるので、字幕を追うだけでかなりのカロリーを消費する
そして、脳が疲弊した時に「ドカン!」とくるので、なかなか強烈な映像体験だった
公開が伸びた経緯とかを掘り下げるとキリがないのだが、この映画は「原爆肯定」でもないし、「戦争賛美」でもない
アメリカの開発者目線における「原爆の投下」なので、被爆した広島や長崎の映像を当時の彼らが知ることはない
戦後にようやくそれらの情報が彼らの元に舞い込むのだが、その頃に聴聞会が行われ、その後に公聴会が行われたという流れを掴めばOKではないだろうか
いずれにせよ、人物が登場するたびに字幕で説明が必要な感じになっていて、鑑賞のハードルは思った以上に高い
180分の長さはそこまで感じないが、時系列が入れ替わりまくるので、全体像を把握するまでに時間がかかる印象があった
IMAXでの鑑賞も考えたが、かなりの混み具合で断念、会話劇なのであまり意味はないだろうとは思っていた
実際に観ればその違いはわかると思うので、時間が許すならIMAXレーザーで鑑賞したいと思っている
原爆をつくったのも人間
1945年8月6日は言葉通り、「世界は今日を忘れない」という日になりました。
原爆がプロメテウスではなく人間によってつくられたこと、様々な苦悩を伴ってつくられたことを説得力をもって描いて示されました。
7月の実験の成功に向けたカウントダウンは、現在日本で観ている私にも高揚感をもたらしました。その後のオッペンハイマーの気付には救われた気がしますし、政界との軋轢は現代にも通じるものを見せられました。
「今に分かるさ」って日がいつ訪れるのか考えるのは虚しい気もしますが、そんな日が来ることを期待したい。
どんな議論があったのか分かりませんが、海外での公開に合わせて鑑賞したかったです。
聖林アメリカ人のマタタビの正体
さすがにアカデミー賞受賞作品だけあって、見ごたえは十分。原子爆弾の存在意味について、日本では「配慮がない」という人がいるようだが、まあ所詮アメリカ映画ですしね。そこに目くじらを立てても仕方ないでしょう。
それよりも、さまざまな高評価と映画賞獲得のカラクリは、民主党リベラルの牙城ハリウッドの琴線を刺激したため、と断言したい。主題は商務長官就任の公聴会において、反対票を入れた人物名をオチにして、作品の評価を爆騰させてアカデミー賞をゲット!というのがストライクな解釈だと思います。
要予習
過剰に大きな効果音や長過ぎる上映時間などのため、観ていてやや苦痛を感じる作品だった。
実在した学者が何人か登場するが、いずれも本人に似せた風貌となっているあたりに製作者のこだわりを感じる。モノクロを使って時期や場所の違いを表す手法も面白い。
史実や実在した人物を掘り下げて描く作品は、展開のわかりやすさよりもインパクトを重視してつくられる場合がある。本作もそのような作品であるため、視聴前にオッペンハイマーの人生や身近な人物を予習しておくと展開を理解しやすく、作品をより楽しめるようになると思う。
予習を怠ったため展開を追うだけで精一杯となってしまい、監督の意図をあまり読み取ることができなかった。再視聴を検討中。
ストローズ(ロバート・ダウニー・Jr. 、本作でアカデミー助演男優賞)にも注目すると入ってきやすい
クリストファー・ノーラン監督の原爆を題材にしたオスカー作品。
ーー
「まちがいなくアカデミー賞っぽい」「やや長く重苦しい」「クリストファー・ノーランとロバート・ダウニー・Jr」「おもったよりも作品は「原爆」ではなかった」
ーー
<印象に残ったもの>
①ロバート・ダウニー・Jr. (ストローズ役):序盤から気になったが重要な役どころだった。もしもう一度見るなら、彼をよく見る。
②映像美:主人公のオッペンハイマー視点はカラー、主人公以外(ストローズ関連シーン?)はモノクロで表現され、映像美の要素としてのみでなく、話の道筋の理解の参考にもなった
③音:原爆の恐ろしさ、主人公と他の人との距離などの表現に音響効果が”極めて”印象的だった。できればまたDOLBYなどで鑑賞したい
<作品メモ>
原爆の父である主人公の科学者としての倫理観が作品全体のテーマ
①ナチスとの原爆開発競争から実験成功、日本への実戦投下、ソ連側の原爆開発脅威との向き合いといった時代を背景に
②大学での研究、砂漠の研究所の開発、公聴会の3つのシーンで描かれ
③対峙するもの(共産党員関係者として見られていたこと、軍人や政治家etc)との重苦しさがそのまま作品に暗い影を落とす
納得
歴史面から見れば新しい発見は特にはなく、史実に沿って構成しているのでネタバレも減ったくれもないのだが、公開前のプレミア上映だったので、極力大きなネタバレは避けておきます。
とにかく「すごい」「傑作」を連呼したくなった。
過去、時々あった「なんでこれが?」「時節の流行に流されたのか?」「多様性に配慮した政治判断じゃね?」みたいな作品とは違い、アカデミー賞の最優秀作品賞受賞も納得でした。
繰り返し挿入される水滴や波紋、炎や太陽フレア爆発など、様々な抽象的カットは、オッペンハイマーの思考・ひらめき・感情を表したものだと思います。
その美しく、高度な映像表現の数々。
また様々な場面における音楽、自然音、効果音、すべてが素晴らしい。
ちなみに、警戒された原爆成功については、確かに科学者たちの歓喜シーンがあったものの。
すぐに、被爆実態のフィルムを見て「恐ろしいことをした」と悔い改めるオッペンハイマーの姿に、日本で上映しても問題がないと思いました。
ただ、彼の虞(おそ)れは日本に対しての罪悪感が主ではなく、「水爆開発が世界を滅ぼしてしまう」ことであり、「科学を躊躇なく武器として使う人間というもの」「人の業(ごう)と欲の醜さ」に対してであるように思えもしました。
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