オッペンハイマーのレビュー・感想・評価
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ある程度の予備知識必須、だと思った。 あまり観る前に調べない方だが...
ある程度の予備知識必須、だと思った。
あまり観る前に調べない方だが、今回ばかりは少々予備知識ありで視聴。
そうしておいてよかった。
時間軸が3つあるが、公聴会がモノクロなので、だいぶ見分けがつきやすい。
1954年の聴聞会
1959年の公聴会
この2つを描きながら、オッペンハイマーの学生時代から、原爆開発、投下、終戦までの流れが中にはいってくる。
日本以外の国の人が、日本、広島、長崎と言う言葉から受ける印象、描かれる内容を観ながら思うことと、日本人のそれは絶対的に違うのだろう。
どうしても複雑な気持ちが混ざってくる。
しかし、この映画は、原爆投下自体の是非を明確にはしていない。
あくまでも、化学兵器の開発に携わる物理学者のオッペンハイマーを軸に、それを描いた作品なのだろうと思う。
そうはいっても、戦争や原爆を賛美していないことはわかる。
そのことがベースにありながら、それに関わった科学者を描いているのかなと。
オッペンハイマーが、自身が中心となってこの世界に生み出してしまったモノ、それを、自分はなにを作り出してしまったのかと思わなかったことはないだろうことは、よく分かる。
それが彼の戦後の人生に影響を与え、この作品で描かれた出来事が起きたとも思うから。
科学者としての探究心と欲望、戦時下という時代背景、ナチス、ユダヤ人、それらが重なり、結果、多くの人の命を奪い、多くの人のその後の人生を変えた、凄まじく、恐ろしい兵器を作り出したこと。それにより世界が変わったこと。
それらを背負い、どんな思いで生きていたのか想像もつかない。
世界を壊してしまった。
その言葉の重みが残り続ける。
圧倒的な会話劇
3時間の大作です
そしてクリストファー・ノーラン監督ですから当然時空が交差するわけです
人によっては付いていけなくなるところもあるでしょうし私もところどころ置いてけぼりを食らいました。
それでも3時間ほとんどダレることもなく鑑賞できましたし後味も悪いものではありませんでした。錚々たる演者のおかげもあると思います。
原爆の話ではあり広島長崎という言葉も登場しますがさすがに生々しい映像はありません。
観て損はないと思います。
余談ですが私の鑑賞した劇場はいつもより暑かったです。長時間の上映なのでトイレが近い方への配慮でしょうか?
暑いのが苦手な方は脱ぎやすい服装でいった方がいいかもしれません
期待通り
期待通りの作品。
原爆の話であり、史実として日本に多大な影響を及ぼしたことは間違いないが(原爆投下には全くの反対だが)、あくまで開発者の話であることから、投下のシーンがないとか、日本人の怒りを買ったとかいう記事などは、全くもって的外れと言わざるを得ない。
物理を学んだ人間として、グッとくるシーンがあったのと、高名な物理学者がこれでもかと出てくるところはとてもよかった(これも本筋ではないですが)。
3時間は長いって、、、
3時間か、、、みるか迷ったけど今月末までの鑑賞券があったので鑑賞です。
オープニングからなかなかの開始。
ノーラン監督が好きな、時間がぐちゃぐちゃします。慣れるまでちょっと大変。あと、登場する名前が多すぎてついていけない。
それでも、、、いい映画だった。
アメリカ人=核兵器投下は全肯定
というステレオタイプのイメージがあったけど、そうでない人もいたということだけでも見てよかった。
アメリカで公開時に問題視されていたような内容では無い。何より、監督がどちらの意見なのかは明白。
スタートから核実験までが約2時間。
これ以降が監督の言いたいことなのは分かるけど、いったんピークを迎えてしまう。
途中でトイレに立つ方が多数。
核実験シーンで離籍していた人には同情する。
あと、途中見なくて話ついていけるんだろうか。
日本人としては、ヒロシマもナガサキも名前が出てきて良かった。でも、このシーンはもう少しグロデスクでも良かったのかも。
良い映画です。劇場での鑑賞をオススメします。
キノコ雲
実験成功の映像は、思っていたイメージと違いました。…ノーラン監督のこだわりのようです。
超爆弾の実現を夢見る物理学者。それを利用する政治家。使われたことに自責の念を感じる物理学者。過去の共産主義との関わり。物理学者に対する妬みと恨み。
広島、長崎の地名があがると胸が痛くなりますが、日本人が観ても嫌悪感を抱くことのない伝記的ヒューマンドラマ。秀作です。
日本でこの作品を観ることは特別なことなのかも知れない
3時間を全く長く感じない作品であった。
どのように開発され、投下されていったのかということに関心が強く、法廷?のシーンに関しては少し冷めて鑑賞している自分がいた。
日本人として他人事ではないテーマであるからこそ、そのように感じたんだなと思う。
この作品は原爆を肯定する作品ではないと思ったし、これからもし作品に対してその類の批判が生まれたりするならばそれは本筋からずれていると思う。
期待度◎鑑賞後の満足度◎ 先ず予想外に驚いたのは(脇役に至るまで)豪華なキャスト。2/3まではハッキリ言って(日本人として)少々胸糞悪かったが、最後まで観るとなかなか力作だとは思った。
①この映画を観て思ったのは、そもそも人類が「量子物理学」を発見した時点で、(人類の本性から)遅かれ早かれそれを戦争の為の破壊兵器発明に適用するのは必然だったろう、ということ(だからアインシュタインは「量子物理学」には懐疑的だったのかも)。
だから、オッペンハイマーが天才だから原爆を発明できたのではなく(その証拠にドイツも日本もロシアも核爆弾の研究はしていたし)、偶々ドイツ(ナチス)・日本・イタリアと連合国との第二次世界大戦という格好の実演の場があるという時期にオッペンハイマーが巡り合い、原爆を作ることになった。
結局、核兵器は人間が宇宙を解明していく過程で必然的に産み出されるものだったのだろうと言うこと。※かといって、核兵器の抑止力が必要悪だとか広島・長崎への原爆投下を必然的なものという意味で言っているわけではありません。
②そういう意味では、オッペンハイマーはどちらにせよ人類の誰がが請け負わざるを得なかった役割に偶々つかされた運命論的に言えば悲劇的な人だったと言えるかもしれないが、映画は残念ながらそういう役割を受け入れ果たさねばならなかったオッペンハイマーの内面を描ききっているとは言えない。
③
感情にではなく、理性に訴える映画
「Oppenheimer」
「オッペンハイマー」
2024年のオスカー作品賞に加えて、クリストファー・ノーラン作品なので鑑賞♪
世界では1年前に公開されましたが・・被爆国日本では、どこの配慮の結果か??公開が見送られたいわくつきの映画。
オスカー取ったので興行的には収益が見込まれるからと、公開されたのでしょう♪
反戦映画でもないし・・もちろんアメリカ人にありがちな、原爆礼讃でもないし・・核兵器を開発してしまった、天才物理学者の人生と それを取り巻く人々の姿、欲望を淡々と描いた感じ・・。
映像の表現は、さすが クリストファー・ノーラン♪
なぜ、オッペンハイマーが、公職を追放されたかを縦糸に・・彼の人生や、時代背景を織り込んでいく感じですが・・
大前提の、公職を追放されるという出来事に至る道筋、交錯する人間関係がもう少しわかりやすく描かれていると助かったかも・・(汗)
正直、登場人物の名前と顔を一致させるのに苦労・・画面にいない時に、名前で登場する人が多くて・・(汗)名前も・・ありがちな名前じゃないから(笑)
そんなんで、前半は睡魔に襲われることもありましたが・・後半は引き込まれました・・。
よく知ってる俳優が多くキャスティングされていますが・・時代の雰囲気、時代の人物になりきっているので・・
あれ、あの人じゃん♪と・・素晴らしく演出されてました。
ナチの「アイヒマン」と同様、愛国心ゆえ職務に忠実だった結果の「原爆の父」だったのかもね・・。
男の嫉妬は恐ろしい物です
罪を背負った男の顔 - 映画「オッペンハイマー」
原爆の話なので見る前は少し怖かった。
なぜなら自分も被爆国の民なので。
普段生活で原爆のことなんてほとんど考えないとはいえ、このようなセンシティブなテーマの映画を見るのには勇気が要ると思った。
海外で作られた映画なので、原爆投下が礼賛されていないとも限らない。
だけど映画ファンとしてはもちろん見ざるを得ない。なにせアカデミー賞受賞作だ。
# 新宿TOHOシネマ
最前列に「フロント リクライニングシート」になっている。東京出張中でやや眠くてリラックスしたいこともありこの席を予約した。席に寝そべりながら優雅に映画を観る体験は一度してみたかった。
だがいざ行ってみるとまったく席にリクライニング感がない。どうやらフルフラットではなく少しだけ後ろに倒れるタイプのようだった。よく探すと席の横にリクライニング用のレバーがついていた。レバーを倒して映画を観ることにした。
# 睡魔
アカデミー賞作品を見ているのに猛烈に眠い。出張とリクライニングシートのせいだ。3時間の映画の前半2時間ぐらいはほとんど眠ってしまっていた気がする。アカデミー賞作品なのに。
だが原爆実験が成功するところ、広島長崎への原爆投下の知らせを聞くところ、オッペンハイマーが消し炭になった子供の遺体を踏む妄想にとらわれるシーン、何回も鳴り響く爆発音、罪悪感に焼かれるアメリカ人たちの歓喜、アインシュタインとの会合など、一番肝要なシーンは見ることが出来た。
とてもちゃんと作品を見たとは言えないのだが、それでも強く印象に残る部分はあった。
# アメリカ人の歓喜
今では多くの日本人は漫画「はだしのげん」を読んだことがあったり、広島の原爆ドームに行ったことがあってりで、原爆投下がどんなに悲惨な被害を生んだのかのイメージぐらいは持っているんじゃないだろうか。
多くの人間がデロデロに溶かされ焼けただれる。この世のものとは思えない地獄だ。僕らはこうして清潔で綺麗な映画館で平和に映画を見ることができるが、当時、原爆で溶かされた人たちはどれほど苦痛だったのだろうか。
そしてもちろん当時のアメリカ人たちもそんなことは知らない。単に悪の敵国に快進撃を与え、勝利を祝っているだけ。純真無垢な気持ちだろう。だがそのコントラストがこの映画では鮮やかに描き出される。オッペンハイマーは原爆の開発者だけあって、原爆投下が現地に何をもたらしたのかは想像がつく、というより誰よりも理解しているのだ。
手が汚れ、罪を背負った男の表情が、そのまま映画のメインビジュアルになっている。
# リベンジ
この映画のコアな部分は鑑賞できた気がするとはいえ、前半2時間も眠ってしまったので、これはまたリベンジしなければならない。
子の不始末は親の責任
初めは純粋な知識欲であった。それが戦争の時代に生きたことにより人生を狂わされた、被害者の1人とも言える。
原子爆弾の威力と被害には正面から向かい合っているとは言えず、表面しか描けてない。
監督がIMAX撮影に力を入れる理由がよく分かる。
何を描きたいのか
期待値が高すぎたせいか、あの時代と原爆製造と市民への原爆投下と言う事を扱う難しさか、焦点がボヤけた映画をみせられた感じです。なんで実験が苦手で理論好きの物理学者が原爆製造事業の中心になったのか説得力を感じない。
アメリカの敵対国であるユダヤ人虐殺のナチズムドイツ、スターリンの共産主義独裁国家のソ連、極東アジアの侵略国家の日本に関しては言葉としての敵国の説明しかない。
アメリカが原爆開発を急がなければならなかった理由は語り尽くされているが、新しい観点はない。
反ナチズムと言う面でのコミュミニズムへの共感性の過去とか女好き肉食男子に関した描写は長い映画の箸休めにしか感じない。いらないシーンだ。
描きたくてもまだ描けない事情がある事を感じた。
ノーランの映画だから派手な映像と思ってたら肩透かしを食らった感じな...
ノーランの映画だから派手な映像と思ってたら肩透かしを食らった感じなので音響重視でドルビーシネマで観たのは正解、とグラントシネマサンシャインの予約争奪戦に不戦敗した自分に言い聞かせる。
3時間の上映時間も忘れて堪能できたが、某評論家先生のせいで必要以上に反発食らって叩かれてるとしたら残念だ。
恐怖感ただよう爆破シーン
ダークナイト、インセプションとか数多くの傑作を生みだしたクリストファーノーラン。原爆をつくった一人の男の物語。アカデミー賞をとった作品ということで興味がわかない題材なわけない
全体的に会話が多くて退屈だが唯一無二の映像体験といえよう。
音で恐怖をひきだすのはさすが。
トリニティ実験のシーンは恐怖の報酬を思い出すくらいの
緊張感。
本当に爆発させているシーンがでてくるので、心臓に悪い。
爆発を音のない神秘的な雰囲気でみせてくるから、美しさを感じつつも
これを日本に落としたんだよねということでみていて複雑な気分になる。
トニースターク。アインシュタイン登場 役にはまってるしめっちゃ似合ってる。
キリアンマーフィとフローレンス ピューとの濡れ場がありますがなんともやらしいシーンに仕上がっていて興奮した。
反戦の話ではなくオッペンハイマー一人の学者の苦悩が主軸なので
ソリッドでこれはこれで余計な要素が入ってなくてよかったと思う
広島とか長崎とかだしてしまったらまた別のアプローチの作品になっていただろうしはだしのゲンとか別の著作物で十分語られると思うのでもしだしてたらタイトルがオッペンハイマーじゃなくなってただろうな。
PTSDみたいにどんどん精神がおかしくなるが酒におぼれたりとか破壊衝動で暴れたりして精神病院にいくとか自暴自棄になる感じではない
真面目で寡黙な人なのが伝わってくる。
原爆をつくって戦争を終結させた英雄として拍手喝采されるシーンの胸糞の悪さ。
原爆を投下後の最後のオッペンハイマーの悲痛な表情が忘れられない
賛否両論あるが
日本人はどうみるか自由だしみる人それぞれ正解も間違いもないだろう
原爆を語るうえでとても重要な作品であること確かだろう。
勉強不足なので1割ぐらいしか理解できなかったので歴史や偉人!?
に興味をもつ足がかりとなる作品になることは間違いなし。
私は歴史の勉強としてそこそこ楽しめた
核実験で終わりではありません
核分裂(原爆のエネルギー源)、核融合(水爆のエネルギー源)といった時間軸が交互に移り変わる中で、多くの登場人物が出てくる。さらに量子力学、時代背景などの知識もなければ完全に内容を理解するのは難しいかもしれない。
だけど、構造は単純で、基本的にオッペンハイマーとストローズの視点でストーリーは進む。
フィルターカラーで変化をつけているので、なんとなく理解し、楽しむことができる。
ただ、私は時間軸の変化に少し混乱した。例えばストローズ視点でアイシュタインとオッペンハイマーの会話シーンが出てきた時(映画序盤の方)。私はこの会話はロスアラモスでの核実験前の話かと勘違いしてしまってました笑
映画自体は、核実験後、オッペンハイマーの人生がマイナス方向へと向かっていくパートがむしろ魅力的だと思った。
集会シーンでのオッペンハイマーの心情描写とか印象的。
アインシュタインというキャラクターも重要。結局、亡命や兵器といった差異はあるものの、オッペンハイマーはアイシュタインと似たような人生を辿ったのだから。
原爆という視点からいうと、やはり日本人にとって辛い気持ちになるところはある。
しかし、原爆が作られ、投下されるという歴史的な事実をテーマにしてアメリカの目線でそれを描いてるのだから、仕方がないかも。それを理由にこの映画をみないというのは違うかなーと。あくまで私個人の意見です、、。
これはオッペンハイマーの人生を、原爆というテーマにそって描いた作品。ノーランは本当に彼の人生を映画にしたいと思ったんだなと感じられる映画です。アカデミー賞を取るだけの価値あるものだと思います。
これが作品賞?
全く自分には合わない作品。特に酷いのが、ただ大音響を流しているとしか思えない音。時系列がクルクルと変わり何が表現したいのか?隣の人は途中寝ていましたね。あの大音響の中よく寝ることが出来るなとちょっと感心…
この映画、原爆の本当の恐ろしさを過少表現しているのか?それとも製作者側が知らないだけなのか?ありのままを表現する技量がなかったのか?その辺りが物足りなさを感じた点だと思います。この点は日本人クリエイターの方々に期待するしかないのでしょうか?
久々にエンドロールが始まると同時に立ち上がる人が多数。私は最後まで立ちませんが。
理論的な、あまりに理論的な
「我は死なり、世界の破壊者なり」
米国量子力学のパイオニア、そして"原子爆弾の父"J・ロバート・オッペンハイマーの物語。
まず総論として一言「シーツを入れろ」。
難解だが観なければならない作品。日本人としては受容れがたい描写もあるが、観ないという選択肢はない。また、劇場で観ない理由は"ほぼゼロ"である。
本作は1954年、赤狩りの最中のアメリカを舞台に2人の人物の「証言」として物語が進行する。ひとりは原子力委員会委員長ルイス・ストローズ、もうひとりはJ・ロバート・オッペンハイマー本人である。実験は不向きだが理論には卓越したオッペンハイマーの経歴を、ブラックホール理論、中性子理論、マンハッタン計画、そして共産党との関係を通して「告発と供述」によって紐解いていく。
本来ならばスピルバーグあたりが描いてもおかしくなかったこの物理学者が何故ここまで描かれなかったのか?観て納得した。まずこの物理学者の人物像が複雑怪奇だ。頭脳明晰だが自己顕示欲が強く、視点は慧眼にして盲目。これらを構成するのにそもそも時間がかかる。そして決定的なのは映像だ。クリストファー・ノーランの時代になってようやく、ロスアラモスで灯された"プロメテウスの炎"を描く技術が追いついた。原子力の業火とその衝撃は、IMAXだからこそ成立しうる表現である。思えばスピルバーグもノーランも、デヴィッド・リーン監督「アラビアのロレンス」に大いに影響を受けた映画監督である。ヒーローから一転、寂しい晩年を送った点ではオッペンハイマーもロレンスやシンドラーと同じで、ロレンス〜シンドラー〜オッペンハイマーとバトンが繋がれたように感じる。
ふたつの回想により断片的に物語が展開するため状況把握には苦労するが、当事者たちがどれほど未知の分野に足を踏み入れていたかを体感することができた。1945年7月の「トリニティ実験」を観てみるといい。当時最高の頭脳は、ガラス板とサングラス、そして日焼け止めクリームのみでまるでキャンプファイアでもするかのように原爆の爆発を眺めている。この描写だけでも想像を絶する兵器だったことが窺える。
当初、オッペンハイマーの見立てでは「広島に原爆を投下した場合の犠牲者予想は2万人〜3万人」であり、「我々は理論で世界の恐怖を予見できるが、人類の大多数はやってみせないと理解できない」として、敗戦濃厚の日本に対して原爆を投下することに踏み切った。つまり、「原爆の効果を証明すれば今後人類が戦争を起こす気になる確率は"ほぼゼロ"であり、そのための捨て石は必要である」という考えていた。だが物事には「予想外」がつきものである。確率が0.1%でも、起こる時は起こる。結果として人類はオッペンハイマーの予想を裏切り、「核の傘」の世界が展開されることになる。その独善的な視点が"ほぼゼロ"の世界線を引き当ててしまったことは非常に残念でならない。
プロメテウス
とうとう日本公開という事で満を辞して鑑賞
広島に3年間だけ住んでいた事があり毎日原爆ドームを横目に通勤してました
あの日何万人もの人がそれと気づく間もなく亡くなられた惨劇は何があっても後世へ学び伝えていかなければならい出来事ですが、
他のレビューにもある様にこの映画の軸はあくまで科学者オッペンハイマーの苦悩にフォーカスを当てた人間ドラマであり、私はニュートラルに観れました
それでも、彼を讃える国民に「閃光と共に消滅する」幻覚を見るシーンでの複雑な感情…
史実に対して自分の無知さも痛感
【これ以上は政治的になるので、ここから純粋な映画としてのコメント】
本編通じてクリストファー・ノーラン監督のブレないストイックさが滲み出ています
主人公の苦悩を描き続ける上で一切無駄なシーンがなく、シリアスな映像・安定しない旋律の音楽もあいまって緊張感を持続させ、瞬きもせずに見届けろといった気概すら感じました
人によってはこの3時間が体力的に辛かったり、退屈にも感じる事もあるかもですが、このテーマを扱う上ではこれ以下では通用しないかもしれません
そういった意味では二度と観ることのできない映画体験なんじゃないかとすら思えます
それを証左するかの如く豪華キャスト陣の演技熱!
みなさん素晴らしくてこれには本当に感動しました涙
これからご覧になる方は特に時間軸を意識されると良いと思います
(カラーがキリアン・マーフィーさん、モノクロがロバート・ダウニーJrさんそれぞれの視点です)
ありがとうございました
全835件中、661~680件目を表示