オッペンハイマーのレビュー・感想・評価
全879件中、201~220件目を表示
ストーリー 7 演技 6.5 芸術 6 エンタ 6.5 総合 7 ...
ストーリー 7
演技 6.5
芸術 6
エンタ 6.5
総合 7
彼は、やりたい一心でできてしまって後悔するという、不倫もね、賢い研究者ってそんなもんなのかな。その意味で最後のアインシュタイン達観コメントが印象的。
米アカデミー賞7部門
間違いなく映画史に残る作品かなと思います。唯一の被爆国に生まれた人間の一人として、原爆に関する記録や物語は数多くみたり読んだりしてきましたが、初めて原子爆弾を作った人のことは考えたことがなかったので、とても興味深く観ました。オッペンハイマーは、1960年に来日していて、そのときの講演で「世界中から核兵器をなくしたい」と語っているそうですが、その複雑な心境の断片を今作が描いた彼の半生からも読み解くことができるように感じました。冷戦が終わり、束の間の平和が幻想であったかのようにウクライナ紛争やイルラエルのガザ侵攻などの破壊行為が続発していて、その背景には核による威嚇もあるので、今作と地続きのような緊迫感やリアリティを感じました。個人的にクリストファー・ノーラン作品は苦手で、今作も少々判りにくかったのですが、強いインパクトがありました。
反戦映画ではない
既に公開から3週間経過し、多くの方が講評をリリースしている中、敢えて自分なりの見解を申し上げます。
多くのコメントで明瞭な反戦映画と評していますが、私はそうは思えません。ごくごく普通の平凡で根は小心な一市民が、人より優れた知能を有して、そしてそのためにほんの少しの功名心と虚栄心を抱いたがゆえに、図らずも緊迫した時代環境に流されてスパイラルに狂気に陥っていった、一人の職人的科学者の壮絶な生き様を描いた伝記的作品だと思います。
オッペンハイマーの小心さは、二人だけの会話で顕著に現れます。彼は相手と目を合わしません。相手の目線を避けて会話していて、いつもおどおどとして喜怒哀楽を表に出さず落ち着きません。
そもそも本作には自然描写も、ラブロマンスも、アクションもなく、クライマックスの原爆の実験シーンを除いた殆どのシーンが室内の会話で進行します。その上、非常に多くの登場人物が現れ、各々が自己の意見や感情を言葉で表現していきますが、各人物のプロフィールや事情背景に一切説明はありません。
実に鬱々として延々3時間に亘って、短いカットを刻んで長回しは殆どなく、息つく間もなく速いテンポでドラマが展開していきますが、しかし迷子にもならず退屈することもなく、一気にラストまで観客を惹き付けたのは、さすがにアカデミー賞作品賞受賞に値します。
その一つの要因はBGMの見事さです。あまり感情を表情や言動に出さず、寡黙な主人公のその時々の心の内を如実に表していたのは都度奏でられる多種多様なBGMでした。アカデミー賞音楽賞受賞は当然の結果です。
もう一つの要因は編集の見事さです。クリストファー・ノーラン監督のあの独特の、頻繁に、そして小刻みに時制を行き来するカット割り、カラーとモノクロを織り交ぜて、何の注釈もなく組み合わせる映像構成は、観客を翻弄し大いに戸惑わせます。それでも迷路に陥ることなくスクリーンに注視させ続けたのは、偏に編集の技量によると思います。アカデミー賞編集賞を受賞したのも宜なるかなと思うしだいです。
狂気に陥った天才科学者を描いた点で、『ビューティフル・マインド』(2001年)に通じるようにも感じます。幸いにもオッペンハイマーは、天才性の人並外れ度合いがまだ常識的だったのでしょう。精神の異常と正常の境目で留まったのですが、ただそれゆえに一般市民としての苦しみに苛まれたのだと思います。
原爆開発は、彼にとっては一科学者としての研究目標達成の結果に過ぎなかったのであり、その成功によって普く称賛されたことは、彼には寧ろ意外で訳が分からない結末だったのではないでしょうか。
ただ原爆実験に成功し、どこか照れくさげに胸を張る彼の姿は、私には京都高尾の古刹・神護寺が蔵する「伝源頼朝像絵画」がオーバーラップして見えました。偉大な業績を成し遂げた自信と達成感、そして充足感を発散しつつも、結果への戦慄感とこれからの未来への漠然とした不安感が併存して見えた気がしました。
一方で、原爆が決して順当なプロセスを経て計画通りに完成したのではなく、奇跡と偶然の結果として描かれたのは非常に印象的でした。オッペンハイマーを含め、内心では確証が持てないままに試行錯誤を繰り返し、紆余曲折を経て漸く辿り着けたゴールであり、関わった人間たちの叡智と探求心、崇高で気高い使命感によって成し遂げられたのであって、それゆえにその時々に携わったスタッフの極度の緊張感と不安感がスクリーンに溢れていました。
将にオッペンハイマーという科学者を中心に据えた、原爆開発という科学的研究に集中し実現に導いた人間たちの集団ヒューマンドラマであり、その象徴としてリーダーのオッペンハイマーにフォーカスした作品だと思います。
物理学の人間の様相、その関係性
Fission.核分裂爆弾(原子爆弾)がアメリカでどのような過程を経て作られたのかを描いたクリストファーノーランの作品は様々な意見が見られる。
原子爆弾が広島と長崎に落とされ、それによって多数の無実の人々の犠牲者が出たことは日本だけでなく世界の永遠の歴史として刻まれ、2度とこの惨劇を繰り返してはいけないとして後世に語り継がれていかなければならない。
事実としてこのことを日本はアメリカに対して決して許したことはないし彼らはその代償を払い続けなければならない。
私はノーラン信者でもなければ共産党員でもないことを言っておくが、ここでこの作品のことを日本の被害の映像が流れていないからだめだ、とか訳のわからないことを言っていると日本の映画リテラシーの欠如が露呈してしまうのでやめていただきたいと思う。
日本は被害者であるが我々の使命は過去の歴史から学び世界の代表としてどのように対策して国同士が手を取り合える策を考え発信し続けられなければならないのだ。日本人としてだけでなく皆同じ地球人としての矜持と発想を持たなければならない。今を生きる人々はほとんどの人が経験していないのだ。日本のテレビや新聞、学校で流れる映像や漫画を通して見てきたもの、聞いてきたことを悲壮感に浸り、何も知ろうとしないで被害者ぶり続けるのは過去犠牲となった人々に対してあまりに無神経で失礼まである。
映画の話に戻るが、その影響力は現世にまで及ぶ1900年代前半、当時は物理の革命期にあり、その世界最先端をゆく学者たちが集まり、アメリカの叡智を結集してナチスドイツと鎬(しのぎ)を削る様が描かれている。歴史的な背景や当時の人々の気持ちを見ていくと理解はできる。
知ろうとしないのは罪である。
我々は映画を通してこの過去とそして未来に向かう道を正しく導くために向き合い続けなければいけないのだ。
印象的なのは最後に、オッペンハイマーがアインシュタインに一言、I believe we did.(私は我々がしたと確信している)と言い放ちAlbertは背を向けて歩いていくシーンは世界を英断に導くはずだった答えがあまりにも滑稽で恐ろしい一言で閉められている。
天才たちでさえも想像できなかった、ほぼゼロの確率、大気に核分裂反応が広がり世界を破壊する。プロメテウスが気づいた時にはあまりにも遅すぎる。
永遠に消えない負の遺産は今我々の世界に残されている。
善でも悪でもない…人
緊張感あふれる映画だった。
安っぽく善人ぶったり悪人ぶったりする演出をせず真っ直ぐに人間オッペンハイマーを描いていたのが素晴らしい。
●殺人兵器が生み出されるのに高揚感を感じた。人々の歓喜に心が高鳴る。
その描写から逃げなかったノーランは素晴らしい。
●背景をよほど勉強していないと理解できない内容。なのに引き込まれる。まさに映画の妙だ。内容自体を観客に見せることをしなかった。この映画が見せたいのは人間の熱量だ。PVのようにそこに特化している。ノーランの英断と思う。
●PVを見ているようだった。早いカットバックは最早、セリフの内容を観客が追うことを想定していない。感情だけがほとばしる。
●成功の時のオッペンハイマーの演説シーンはものすごい演出だ。歓喜の涙が絶望に見える。すごい。
●常に音楽が鳴っている。その戦略もいい。
原爆投下は許されることではない。何を言われても言い訳にしか聞こえない。
原爆はレンジでチンされて殺されるようなもの。平和のためと言われても、誰の平和だと言いたい。
しかしこの映画の凄まじいところは、自分がアメリカ人でその当時に生きていたら、原爆誕生に歓喜していたと思わせるところにある。
ただ単にオッペンハイマーという一人の科学者を描いているのではない。人間が業を背負った存在であることを描いている。
ノーマンらしくない
これまでびっくりするような映像で魅了してくれたノーマン監督だったが、良いか悪いかは別にして、今回の作品に関してそれがなかった。
なんとなくシンドラーのリストを作ったスピルバーグ監督のような雰囲気の作品になっている。
私のコンディション…
2024
60本目
いやぁ〜…ここまで難しくする必要あったのか…
でもその必要性を理解するにはこっちサイドのコンディションを整えてからでないと無理だ。
3時間常に会話が繰り広げられる。
もう一度観たいが、少し待って自宅で最鑑しよう。
自分の理解も低く大枠のみ観たって感じなので、この評価。
ただ、原爆を落としてアメリカ国民が手放しで喜んでいる様は異常だと感じた。
これは戦争を知らない世代であり、日本は戦争に関与しない国だからか。
戦争ってお互いの正義の為に殺し合いをする。
いつだって仕掛けた人間は戦場にいない。
このオッペンハイマーもその1人。
映画館で楽しまなければいけない素晴らしい映像と音
近年のトレンドである、映像や音響に拘ったスクリーンにピッタリの映画。ストーリーをスムーズに把握するには知識の有無が問われるが、日本人として見なければならない。原爆被害者が描かれていない点がよく言われているが、それもまたリアルとして捉えることもでき、ぼくはいいと思う。
原爆の責任とは、誰に帰するか?
良いところ
史実かはさておき天才的な科学者が制限なしに最先端の科学発展を指揮する欲望を隠せない正直さと狂気を感じられる展開
それでいて予測できていた結果に対し、開き直ることなく良心を持ち続けることができたという事実
ん?なところ
ネタバレ見てから本編みた方がいいくらい情報量が多すぎる。メモでもとらんと一度で理解するの無理やろ
原爆開発プロジェクト(マンハッタン計画)のリーダーとして、物理学者として熱意と高揚感にうなされるような前半と完成後の後半の対比が隠と陽のように格差があって、2本の映画を観ているよう。原爆完成時点であと1時間以上残っているというところで、これはあくまでオッペンハイマー博士の物語であって原爆開発の話ではないと見せつけられた。
一応、物理学科の出身としてはなんらかの線端理論に対し実現させる計画があったら、そりゃもう楽しいだろうというのは理解できる。それに原爆はここでやらなくてもいづれどこかの誰かが確実に完成させていることは明白でその意味では最初の名誉はあっても責任を全て負う必要はないのは理解できる。とは言え、その開発が楽しかった、と言うのは負い目になるだろう。使ったのは政治家だが開発を楽しんでたのは自分なのだから。
過去に追いつかれると言ったセリフも言ってしまえば取り返しのつかないことへの呵責であって一生消えない傷みたいなもの。これは原爆だからではなくいろんな事に当てはまる訳で被曝者にとか、日本に対してのみ感じる必要はないと考える。
とは言え、まあ政治家はある種の異常さも描いていたな、こいつらこそ真っ先にそして最大限呵責を味わうべきで、全く良心のかけらもない描かれ方してたのがまあ、納得。
戦争モノは苦手、という先入観でずっと尻込みしていて、もうすぐ上映終...
戦争モノは苦手、という先入観でずっと尻込みしていて、もうすぐ上映終了になるよというタイミングで飛び込み鑑賞。
ゆえに、またもやほぼ予備知識を仕入れてなくて大失敗。全然話についていけない笑
物理の知識はもちろん、アカ狩りがあったなんて歴史的背景も知らなかったので、とくに前半は
「???」
の連続でした。
物語は、3つの時系列が行ったり来たりして進みます。うち一番新しいエピソードがモノクロ調なんですが、最初はこれが逆に混乱しました。
「モノクロということは過去の古いエピソード?いや、どうも違うっぽいが・・・」
などと、物語を正しく掴むのに時間がかかりました。
が、それでも、後半以降、物語の幹の部分は理解できたと思います。
戦争とか、革命モノなんかもそうなんだけど、こういう作品で私は頭にいつも【洗濯機】が浮かんできます。
国民はみんな洗濯機に入れられて、スイッチオン。
巨大な渦に巻き込まれて、上層の扇動に乗せられるまま、善悪を見失って突き進む・・・。
洗濯機が止まるその日まで、中に入った人はなす術なく渦に身を任せるしかない・・・。
オッペンハイマーの原爆投下前後の心理の動きは興味深かったです。
しかし彼、想像力が欠けすぎではないですか?
史実に基づいた話なので本人の心の襞も事実に沿って描いてるんだろうけど、科学者ってこういうものなの?というクエスチョンが私の中に浮かびました。(「科学者って」って括りは偏見かもしれないが)
目の前の対象物を制覇する(たとえばトリニティ実験の成功)には全精力を傾けるけれど、その先(たとえば実際の原爆投下後)の自分の心の翻りは、やってみて初めて知るってのはちょっと頭弱すぎではないか。
卓越した頭脳の持ち主に「頭弱すぎ」というのも失礼だけど。
開発者本人なら、それがどういう影響を及ぼすかは分かっていたよね?原爆作っといて、実際落としてみたら被害の甚大さに呆然として「私の手は血塗られた気がする」とか、今頃になってそれ言う???
そのへんも、いったん陥ったら前後不覚になる【洗濯機】の怖さなのかもしれないけれど。
そういえば、今まさに、世界でも、自分の意志に関わらず洗濯機に放り込まれてしまった人たちにいますね。
ベンキョができるとか世紀の大発明をしたとか、そういうことと関係なく、人間って根っこの部分で流されやすい愚かな生き物なのかもしれない。悲しいけれど。
プロメテウス
人はどうしょうもない生き物だし、自覚してもう何百年も経ってるのに全く成長してない
と改めて認識させられた。
恐怖によって止められない大衆迎合と暴走、
倫理観、道徳感の喪失… 戦争の大義は平和ではなく自国の安全… あの実験のタイミングで止められなかったのかと思う。
欲望と恐怖は歯止めが効かない。巨大な石を山に向かって登り坂を押して、頂上については行を転げ落ち、また登り坂を押す…
そんなことを今の世も続けていると感じさせられた。
いつの世もあるなら反省し次起こさないこともわかっているはず。受容と利他の精神で過ごせるように
自身の感情の持ちようが難しい作品
寝不足で鑑賞したせいか前半は何度か寝落ちしましたが、内容的に引き込まれるものがなく進む前半。
後半は「トリニティ実験」「オッペンハイマー事件」等で眠気は飛び作品を楽しめました。
原爆投下ではオッペンハイマーに苛々、オッペンハイマー事件ではストロールに苛々と感情が右に左に大きく振れて鑑賞が難しい作品に感じました。
台詞でテーマを語る事・・・。
最後にアインシュタイン博士が作品のテーマ(人間の内面的なもの)を台詞で語ってしまうのですが
栄光も挫折も惨劇も
全てこの為だったと納得させられてしまいました。
台詞でテーマを語る・・・それを納得させるにはここまで段取るべきなのかもしれない・・・と色々考えさせられました。
流石はアインシュタイン博士
出番は三回ながら、美味しいところは全部持って行ってしまっていると思いました。
なお、この作品において
あるべき怒りを語られる方結構いらっしゃって
それは当然かつ必然なのですが
それが故に日本公開が遅れた事は頭の隅に置いております。
面白くないわけではないが ノーランには過去作のようなSFを描いてほ...
面白くないわけではないが
ノーランには過去作のようなSFを描いてほしいというのが正直なところ。
歴史で知らないことも多く難しかった。
ただ日本で鑑賞できてよかった
好みの分かれるノーラン映画。
人間、オッペンハイマーの罪と罰。
原爆を生み出すことになってしまった彼の半生を主観で描いた極めて個人的な映画。
人類史上最大の悲劇。原爆を産んだ悪魔のような科学者が、実はこんなにも弱々しく、己の行いを恥じていたとは…。
そして、原爆が元々はナチを一掃する為の正義の鉄槌であり。ドイツ降伏後、仮想敵を失ってまさか日本に落とされる事になろうとは。。
オッペンハイマーを軸に、3つの時代を行き来しながら原子爆弾投下とその後の苦悩を描く。
公開前に噂されたような原爆を軽視したり、原爆を肯定するような映画では全くなく。
むしろ、真逆の印象を映画から受けました。
スケールの大きさに対して、実は映画の進行は意外なほどミニマムで、人物同士の会話劇が殆どを占めています。
そしてその会話劇は化学用語が飛び交うような物も多いため、マンハッタン計画の基本的な知識や時代背景への理解が全く無いままで見ると楽しむのが難しいかもしれません。
とはいえ、トリニティ実験で実際に原子爆弾が初めて爆破される前の緊張感は尋常ではなく。
このシーンを見るだけでもスクリーンで鑑賞するだけの価値がありました。
音響も素晴らしく、緊張感の持続に一役買っています。
ただし、個人的にはいくらなんでも長尺過ぎた気がしますし。時代を前後シャッフルした構成は、スリリングさよりも、むしろ難解さを悪戯に増した印象が強く。自伝映画として如何なものかと首を傾げてしまいます。
これまでのノーラン作品のインセプションやダンケルクなどのエンタメ作品からいざ知らず、原爆を扱った自伝映画でこの手法を取り入れたのは悪手に感じました。
更に言うと、時間軸が3つある上に「最も現在に近い時間がモノクロ」というのは不親切この上ない。また、戦後のシーンも長い上に説明も少ないので退屈に感じてしまいました。
扱った題材の大きさと、これを個人目線での心情に乗せて描く点は非常に興味深かったですが。いつものノーラン節が鼻についてしまったというのが正直な感想です。
良い点と悪い点、どちらもはっきりある作品なので、星3.5とします。
とはいえ、日本人としてこの作品をスクリーンで見ない理由はないかと思います。
賛否はともあれ、まずは多くの人にスクリーンで見ていただきたいと思います。
因みに、弟のジョナサン・ノーランが同時期にフォールアウトで核戦争後の世界を描いてるあたりも興味深いあたり。個人的にはこちらの方が割り切ってエンタメしていてツボでした。
オッピーという1人の人間の人生
3時間と長い作品だが、テンポが良く、時系列が前後するので、しっかり目を開け耳を集中させないとついていけない。
原発の恐ろしさを表現した映画ではなく、不倫するようなありふれた人間でも恐ろしい兵器を作り出せてしまう能力を持つのだ。
その能力をたまたま持ち合わせてしまったオッピーの運命…
正しいと信じて突き進んでいたいたことも、その本当の恐ろしさに気づいた時には…
それが人間なんだなぁ。
不倫してるときは気づかないのよね…
傷つく人間がいることに。
夢中だから。周りが見えなくなってる。
求められるから会いに行く、ただそれだけ。
原発が祖国を救うと信じてがむしゃらに突き進んでいた。
その威力がいかほどか、そのときは気づかない。
夢中だから。
求められるから作った、ただそれだけ。
オッピーも何ら変わらず人間だった。
タイトルなし
効果音の使い方が抜群で不安を煽られたりドキリとさせらりたりと怖い思いを何度も経験する。ある意味ホラー映画だが、そのような小手先感を微塵も感じさせないところは流石。
「日本は降伏しない」って台詞が同日朝の通勤時に読んでいた小説で老人が東京空襲の頃を語っていた台詞と被っていたのは自分だけが楽しめたポイント。
ただ、歴史や伝記系の作品は予備知識がないと楽しめないから観る前に軽く予習したりするんだけど、今回は時間がなく「原爆の父」というワードにだけすがりついて鑑賞する事となってしまった。はっきり言うと大失敗で序盤から何を目的に聴聞会やら公聴会やらをやっているのか話しがかなり進むまで解らずに観ていた。更に3つのパートを交えて話しが進んでいく構成も、「ダンケルク」の時と似た手法だとは思いつつも、時系列やモノクロの使い分けを理解できるまでが遅かった。登場人物は多くトントン拍子で話しが進んでいくものだから、会話を聞いていても常に「こういう事で合ってるのかな?」といった不安な感じで観ていた。正直なところ楽しめたとは言い難く残念で仕方がない。
話についていけなかった事が悔しく1日あけて再鑑賞してきたが、驚く事に本編前に流れる予告なんかも同じ物を観ているはずなのに、あまり頭に入っていなかったもよう。少し解決に進んでいるが抱えている仕事の問題で集中力が全く無かった事を実感した。
どんな道具も、使い方次第。
何回か置いてきぼりの憂き目にあっているノーラン監督なので、予習して、鑑賞。
時々迷子になりながらも、科学者が世界をどんなふうに感じているのかを垣間見ることができました。
原爆投下後、大統領と面談した際、自分が発明したものでたくさんの人が亡くなった事実に、「大統領、私は自分の手が血塗られているように感じます」と吐露した時、私はほっとしました。
この人は、科学者である前に、人間なのだと。
それに対して、「原爆を落としたことで非難されるのは、つくった君じゃない、命令を下した私だ」と大統領が怒鳴り、少々驚きました。
勝手な幻想ですが、アメリカ大統領は冷静で聡明なイメージをまだ持っているので(願望なのかもしれませんが)。
尋常じゃない重圧がかかる立場なんだなあ、絶対なれないけれど、100億ドル積まれてもごめん被ると心底思いました。
道具はしょせんモノなので、包丁のように、凶器にするか生活に有益なものにするかは人間次第。
だけど、強力な武器を持ち、大義名分を与えられたら、歯止めがきかなくなるのも人間。
オッペンハイマーが水爆開発に反対の立場をとったところに、彼の良心を見ました。
個人的に、歴史上の人物と思っていたアインシュタインが登場して、ハイになりました♪
え、100年前には生存していたんだ!と驚きました。
長い映画なので、シアタス心斎橋のコンフォートシート(寝転がって観れます)で鑑賞したら、仕事帰りだったこともあり、ところどころ居眠りタイムが発生しました。
映画終了後はトイレ大渋滞。
上映時間2時間半くらいにしてもらえるとありがたいです。
全879件中、201~220件目を表示