「ノーラン節は健在」オッペンハイマー Flagmanさんの映画レビュー(感想・評価)
ノーラン節は健在
映像作品としての演出は流石のノーラン
大前提として面白かったか面白くなかったかでキッパリ別れるタイプの映画。
ノーラン映画を知っている人はわかると思いますが、この作品でも数タイムラインに分かれいる。
オッペンハイマーの聴聞会(1954)
ストローズの公聴会(1959)
オッペンハイマーの物語(1925〜1945?)
他にもあるがメインはこの3つ。
ノーラン独特の手法でダンケルクなんかはこれに似てたんじゃないかな。
この手法がうまくラストでまとまる。
まとまったかどうかも、観る人に委ねられている感じが最高に意地悪。
この手法のせいでノーラン映画は時間軸がわからないや人物の関係性過去や未来がどこで一致するのかとにかく厄介。
好きな人には刺さるが的が狭い
が、今作はそこまでは難解ではない。
頭から完結まで見れば『なるほどね』と終われる映画。
それよりも今回のテーマ。
オッペンハイマーと言えば。。
日本人には嫌でも忘れることはできない『原爆』の話を避けては通れない。
かなり攻めた題材だが。
オッペンハイマーとはどんな人物か。
名前は知っているが、、と言った日本人が大半だろう。
それ自体を映画の脚色ありきでも知れて良かったと思う。
造ったのはロスアラモスのチームだが
落としたのはトルーマン大統領。
ここは重要。
アメリカにとっては平和の為の善であり
日本にとってはただの戦争犯罪大量虐殺。
互いに言い分はあると思うが、ここは我々日本人としてはパールハーバーの攻撃を踏まえたとしても、やり過ぎ。
普通にありえない。
既に負けは確定していた。
本土の決戦になれば更なる死傷者が出ると予測されたが、日本は本当に降伏しないつもりだったのかは不明だしアメリカ側のイメージでしかない。
日本と言うより完全にロシアと戦っている。
その踏み台にされたのが日本。
なんとも考えさせられる内容だった。