劇場公開日 2024年3月29日

「事実を描いている点が評価のポイントなの?ヒューマンドラマが弱かったです。」オッペンハイマー nyaroさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0事実を描いている点が評価のポイントなの?ヒューマンドラマが弱かったです。

2025年2月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

寝られる

 これが評価されている時点で、アメリカの歴史教養や科学史、戦争の振り返りが知識階級にすら不十分なんだろうなと感じました。淡々と伝記と歴史を描いている点について、この作品を評価する理由が「知らなかったことを知らせた」だけにつきるなら、こんなにつまらない評価理由はないです。

 日本の公開を遅らせたような配慮についても、いや、今更この程度のことで刺激も批判もありようがないだろう程度です。

 当時の軍の汚さ、共産主義がどう科学者に影響を与えたかなど裏を描いたところは面白いですが、それ以上の何かがあるわけではないです。
 興味を持ったのが家族・友人関係や、共産主義者の女性との関係とか奥さんとのヒューマンドラマですが、単なる映画をエンタメとして成立させるための刺激で終わってしまいました。結局トルーマンやアメリカの覇権主義をどう評価しているかを入れていないし。漠然市民に原爆を使った何かがある程度です。

 この映画を3時間近く見て、大量破壊兵器を開発した人の苦悩というありきたりの視点だし、科学者の変わり者の性質とか、軍や国家の機密は非人間的だ、核兵器は怖いねとか、核兵器を開発した人は病むよねとかそういうのを描きたいの?としか思えませんでした。

 それぞれの演技や当時の再現度などは素晴らしいと思いますが、それは映画としての評価の一部です。

nyaro