「評価が難しい」オッペンハイマー parsifal3745さんの映画レビュー(感想・評価)
評価が難しい
自分は、社会科教師をしており、歴史に対する見方では一歩踏み込んでいるので、この映画の評価は微妙で分かれるだろうなと感じた。米国でも、「あの原爆投下は不必要だった」という言説が少し広がっているらしい。トルーマンが、上陸作戦をした場合の米兵を守るためという嘘を流したのは有名な話だが、実際はWWⅡ以降の世界の覇権争いを有利に進めるためで、2発の原爆はウラン型とプルトニウム型の二つの種類を試すためというのが真相だろう。(映画では、1発目は衝撃を与え、2発目は降伏しないと落とし続けるためとの説明)この映画は、どうやら戦後に原爆や水爆を製造する情報がソ連に漏洩してしまい、誰がスパイだったかを特定する査問会が中心になっており、そこに主人公の民の視点を大切にする共産主義への傾倒、女性問題、物理学者としての苦悩などが描かれている。
実際、ソ連側に情報を提供したのは、帝国主義的なアメリカに核兵器が一極集中することの危うさを感じたという記述を見たこともあるし、また、ロスチャイルド家を中心とするディープステイトが、ウランを抑え、ソ連への情報漏洩を手助けすることで、米ソの核開発競争を促し、ウランの需要を吊り上げぼろ儲けするためという情報を見たこともある。
自分も、あのWWⅡの悲惨さから出発して、何故、戦争がなくならないかを考え始めた。戦争が一番お金が儲かるからであって、政府、財界、マスコミが結託して、相手を過大に恐れるような情報を流し、戦争に誘導して、軍備拡張し、したからにはどこかで使用するからって思っている。そのように世界はできているのだ。
今、日本は反戦だけでなく、如何にしてその罠に陥らず、諸国民が共存共栄できるかを考えていく必要があると思っている。そのためには、世界がどんな力学で動いているかを、理解しなければならない。
この映画は、自分からすると、米国のプロパガンダの一環であって、歴史的に多くの年月が過ぎた場合には、害のない情報であれば暴露して、その映画で少しばかりの反省のポーズをとって見せ、良識を示すふりをし、映画で金儲けするためにしか見えない。