「科学者の苦悩を描いた圧巻の一作」オッペンハイマー AzuPercivalさんの映画レビュー(感想・評価)
科学者の苦悩を描いた圧巻の一作
原爆を生み出した科学者オッペンハイマーの苦悩を、ノーラン監督が圧倒的な映像で描き切った傑作。
核開発に没頭する知的興奮と、その後に訪れる倫理的葛藤のコントラストが見事だった。キリアン・マーフィーの演技も素晴らしく、一人の人間が歴史の重圧に押し潰されていく様子が痛いほど伝わってくる。
ただ、晩年の弾劾シーンは少し冗長に感じた。政治闘争の描写も重要なのは理解できるが、科学者としての苦悩という本筋から少し逸れるような印象を受けた。それでも、人類が取り返しのつかない選択をした瞬間を真摯に描いた本作は、間違いなく必見の映画である。
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