劇場公開日 2024年3月29日

「「near zero」」オッペンハイマー プロクターさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「near zero」

2024年6月5日
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終映間近に小さい映画館で鑑賞、それでも見応え十分だった。
いつか再上映の機会を期待する作品の一つとなった。(キーになるような深いセリフは一度では理解しきれなかった。また今更ながら各フォーマット(特にIMAX)で観てみたい。)

ノーラン監督が映画で魅せる量子力学の表現、今回は合間(特に前半)に差し込まれるCG映像がとても美しかった。
アカデミー賞7部門受賞の一つ、音楽賞を受賞したルドウィグ・ゴランソンの音楽は、緊張と不安を持続させながら物語に勢いをつけて進展させる力があるように感じた。

現代史を取り上げると、細かいエピソードなどが本当にあったことなのかと思ってしまうが、本上映を機に文庫化された原作があるとのこと。監督が原作をどのように解釈したのか本もいつか読んでみたい(文庫版で3巻各400ページ...)

後半、オッペンハイマーの聴聞会とストローズの公聴会は、やや冗長に感じたが、あえての演出なのか。(ふと映画「東京裁判」を思い出した。)

エンドクレジット前の最後、CGで描かれたリスクは、決してzeroにはならないと監督が警鐘を鳴らしているとも感じた。
劇中何度か口にされる「near zero」が耳に残った。

プロクター