「力作でした」オッペンハイマー yudutarouさんの映画レビュー(感想・評価)
力作でした
時間軸を交差させて物語を紡ぐ編集と音像の洪水の併せ技で単調さを回避したドラマチックで見応えのある伝記映画として楽しめたし、原爆の扱いに関してもアメリカ映画としては思慮あるものになっていた。あまり冗長さも無いので、ノーランらしくない…という気にもなるぐらいだった。オッペンハイマー自身の心裡を描く軸と、政治劇としての展開のクライマックスが乖離していて、どちらかを削ったほうが映画としての完成度は高かったとは思うが、全体を描こうとした真摯さゆえの結果とも考えられる。俳優陣では個人的にはキリアン・マーフィーを楽しみに観に行って、当然良かったんだけど、社長のイメージが張り付いてたロバート・ダウニー・Jr.を改めて役者と認識させられたのが印象的だった。
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