「戦争モノは苦手、という先入観でずっと尻込みしていて、もうすぐ上映終...」オッペンハイマー やあやあさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争モノは苦手、という先入観でずっと尻込みしていて、もうすぐ上映終...
戦争モノは苦手、という先入観でずっと尻込みしていて、もうすぐ上映終了になるよというタイミングで飛び込み鑑賞。
ゆえに、またもやほぼ予備知識を仕入れてなくて大失敗。全然話についていけない笑
物理の知識はもちろん、アカ狩りがあったなんて歴史的背景も知らなかったので、とくに前半は
「???」
の連続でした。
物語は、3つの時系列が行ったり来たりして進みます。うち一番新しいエピソードがモノクロ調なんですが、最初はこれが逆に混乱しました。
「モノクロということは過去の古いエピソード?いや、どうも違うっぽいが・・・」
などと、物語を正しく掴むのに時間がかかりました。
が、それでも、後半以降、物語の幹の部分は理解できたと思います。
戦争とか、革命モノなんかもそうなんだけど、こういう作品で私は頭にいつも【洗濯機】が浮かんできます。
国民はみんな洗濯機に入れられて、スイッチオン。
巨大な渦に巻き込まれて、上層の扇動に乗せられるまま、善悪を見失って突き進む・・・。
洗濯機が止まるその日まで、中に入った人はなす術なく渦に身を任せるしかない・・・。
オッペンハイマーの原爆投下前後の心理の動きは興味深かったです。
しかし彼、想像力が欠けすぎではないですか?
史実に基づいた話なので本人の心の襞も事実に沿って描いてるんだろうけど、科学者ってこういうものなの?というクエスチョンが私の中に浮かびました。(「科学者って」って括りは偏見かもしれないが)
目の前の対象物を制覇する(たとえばトリニティ実験の成功)には全精力を傾けるけれど、その先(たとえば実際の原爆投下後)の自分の心の翻りは、やってみて初めて知るってのはちょっと頭弱すぎではないか。
卓越した頭脳の持ち主に「頭弱すぎ」というのも失礼だけど。
開発者本人なら、それがどういう影響を及ぼすかは分かっていたよね?原爆作っといて、実際落としてみたら被害の甚大さに呆然として「私の手は血塗られた気がする」とか、今頃になってそれ言う???
そのへんも、いったん陥ったら前後不覚になる【洗濯機】の怖さなのかもしれないけれど。
そういえば、今まさに、世界でも、自分の意志に関わらず洗濯機に放り込まれてしまった人たちにいますね。
ベンキョができるとか世紀の大発明をしたとか、そういうことと関係なく、人間って根っこの部分で流されやすい愚かな生き物なのかもしれない。悲しいけれど。
Mさん
ちょっと冷静になれば道徳の授業を受けた程度の子供でも分かることなのに、賢い人も温和な人もみな狂気の方向に向かうというのは、これはもう洗濯機のようなただならぬ渦に巻き込まれてるとしか説明がつかないのではないかと、こうった映画を見ると思えてなりません。
初めてコメントいただいて嬉しかったです。ありがとうございます。
こんな返し方でいいのかな。
洗濯機の例えが、独特でおもしろく感じました。
否が応にも巻き込まれていく感じが。よく伝わりました。
オッペンハイマーをはじめとする原爆を完成するために働いた人々も、まさに巻き込まれていった人たちですよね。
私たちは、自分の意思とは無関係に、世の中の流れに乗っかってしまっているのでしょうね。