「濃いドラマで良かったが・・・」オッペンハイマー A.Camelotさんの映画レビュー(感想・評価)
濃いドラマで良かったが・・・
ちょっと盛り込み過ぎかなぁ。
最後の30分くらいは、サスペンスかミステリーの種明かしのような進行に切り替わった感じがした。それはそれで面白いのだけれど、3時間集中して、いろんなことを考えながら、映画の進行について行くのは、なかなかハード。それに、主題がぼやけるというか、オッペンハイマー編からストローズ編に切り替わったというか、オッペンハイマーとストローズのダブル主演というか。
名だたる物理学者が次々に登場し、こんなふうに関わっていたのかと興味深かった。水爆を開発したテラーが、やっぱりヤバい。一番危険な人物。
トリニティ実験のシーンは、緊迫感があって、まさに現場を目撃したかのようだった。映画の醍醐味。
広島、長崎への投下シーンがないとかで批判があるように聞くが、特にそれが必要とは感じなかった。あった方がより良かったとは思うが、この映画を観たアメリカ人が、原爆犠牲者に思いを馳せることができないとすれば、非常に残念なことだと思う。そういう人はオッペンハイマーの苦悩が理解できないだろうから、非常におめでたい人と言わざるを得ない。そういうアメリカ人が少数であること願うばかり。
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