劇場公開日 2024年3月29日

「人間の敵は欲望なのか?」オッペンハイマー momoさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0人間の敵は欲望なのか?

2024年4月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

「広島・長崎の惨状が描かれてない」と賛否両論あったそうだが、この映画は戦争や原爆の悲惨を描いた内容ではなく、国のプロパガンダや人間の欲の虚しさをオッペンハイマーと言う人物から描いた映画に思えました。確かに人間は向上心を持って生活を豊かにしてきた訳だが向上心が欲望に変わった時、それは全く異質なものとなる。最後に「前の様に研究者に戻るには国を捨てる事だ」「私はこの国が好きだから捨てられません」というやり取りがあったが、愛国心の強い人ほどプロパガンダに騙されやすい様に最近の国際情勢からも伺えます。また、大きい事を成し遂げる達成欲の為、倫理や哲学を見失う事もあるでしょう。その様な事をこの映画は伝えたかったのではないでしょうか。いずれにせよその様な事で何十万の命が亡くなってしまったという虚しさだけが残りました。

momo