劇場公開日 2024年3月29日

「人間はガン細胞みたいなものです 滅びるまで増え続けるだけです」オッペンハイマー nakajiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人間はガン細胞みたいなものです 滅びるまで増え続けるだけです

2024年4月6日
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鑑賞方法:映画館

原爆の実験が成功した時、喜んでいるアメリカ人とは対照的に顔がひきつていくのを感じた
魔王の誕生を見るようだった
日本人だからじゃない
まさに、世界のあり方を変えてしまった瞬間

これまで何度も言っていますが
ヒトという種は、地球という小さな規模であっても存在してはいけないんじゃないかなと思ってしまうんですよ

人が素手で抵抗する人を殺そうとしたら、どれだけの労力と狂気がいるかは想像を絶するものです
特別な訓練をした殺し屋でもなければできません

でもナイフがあれば、人殺しはだいぶ楽になります
ただし、血まみれになるかもしれません

そして、拳銃
人差し指を少し曲げれは人を殺せます
少しの怒りとかの感情があれば、簡単に人を殺せてしまう
銃を簡単に買えるアメリカは、そういう状態です

核が存在するという事は人殺しどころじゃない
いま、世界中にある核爆弾で地球を何回滅ぼすことが出来るか
そして、原発です
天変地異やテロがあるだけで爆弾と化す原発を含めれば、地球に未来がある確率なんてとても少なくなります
本来、自然な状態なら爆発するはずの無いものをたくさん作っている人間って、地球にとってはガンみたいなものです

腹が立ったら殴ってしまういう単純な感情をまだ制御出来ない人類が破壊にだけ特化して進化し続ける歪(イビツ)
征服に、力の誇示に、宗教に武力を使うしか能のない連中が未だに世界を牛耳っている
そして、殴られたら殴り返すしかない世界

核爆弾ができてまだ、100年も経っていない
人に、いや地球に未来があるなんて、誰が想像出来るんだろう
だから、誰も先なんて見てない

のほほんと今を生き、寿命がつきるか、突然核の炎に焼かれるか
それがヒトの生なんでしょう
そういう意味では、動物や虫と一緒です

多分、もう取り返しは出来ない
そういう瞬間に、ふと我に帰って思い出させる作品です

アインシュタインがもう自分では何も出来ないと放棄したように、物理学者は遠い未来に希望なんてもっていない
全ては、始まりがあれば終わりは必ずやってくる
それくらいの悟りの境地なんでしょう

190分、つまり3時間10分
ほとんど会話
会話の嵐
字幕に集中するのはさすがに疲れた
吹替えにした方が楽だったかも

だから、マット・デイモンが出ていたことも、ルイスがアイアンマンのロバート・ダウニー・ジュニアだった事も、不倫相手が、ちょっと前に観た”砂の惑星 デューン 2”のフローレンス・ピューだったことも気づかなかった
というか、気にならなかった
奥さん、エミリー・ブラントだったんだ
ふーん

nakaji
nakajiさんのコメント
2024年4月21日

生物は同族殺しを平気で行っていましたが、人は人殺しを罪とした社会を作ったまでは良かったんですが、戦争のためには人殺しを可とする例外を作ってしまったんですね

nakaji
Mさんのコメント
2024年4月20日

人を殺す労力の例え、とてもわかりやすかったです。
エノラゲイが落とした後の雲の写真、よく見ますが、あの下で何が起こっているのか。雲の写真を見ていても何もわかりませんものね。

M