「澄んだ目のオッピー。」オッペンハイマー masayasamaさんの映画レビュー(感想・評価)
澄んだ目のオッピー。
というわけで公開遅れた話題作です。レビューも500越え。誰も読まないと思うけど自分のために記録しておく。まあ唯一の被爆国という事で色々難癖つける人もいるので、ちゃんと賞を取るの待ってから公開したという噂です。
事前勉強必要なのはオッピーが公聴会や裁判でアメリカの第二次大戦後の対ソ連の赤狩り(共産主義者迫害)や、原爆と水爆の研究が被って進むところあたりかしら。あと嫌なやつを好演していたロバート・ダウニー・Jrの役回りが私は今ひとつ理解できなかった。
まあ被爆国日本人の気分を害する表現もあるが当時のアメリカは真珠湾の復讐、してやったりが大半だったと思う。アメリカ技術力万歳だろう。
しかしこの映画は僅かだが核爆弾の人道的な危険さを危惧する研究者もいた事を描いているし、オッピー自身もその事にかなり悩んで、判断にブレが生じて赤狩りの中でスパイ容疑をかけられピンチになる。
話の中でもあったけど原爆を作る人と運用する人は別だという事。作る人、研究者は閃きを信じてアスリート見たく実験を繰り返して証明、完成させる人です。
それに関して熟知してるから核の恐ろしさもよく知ってるはずなんですが、興味や探究心が勝ってしまいヤバさに気付くの遅れがちです。
買い物し過ぎて電気代払えないとか、魚獲り過ぎて魚いなくなったとか、、皆んないっしょ。
オッピーとアインシュタイン、人類滅亡の可能性を秘めた理論とその実証者、そんな重い物を背負った2人のシーンが印象的だった。
使って初めて人はわかるって台詞でもあったね。
そんなこんなを1人の人間で表現しようとしたのが本作です。3時間あるけど苦痛ではなかったし、まだ前半の話の進みの速さをちょっと感じた。ノーランならではの映像表現もいいバランスで効果的で流石だなと思った。なによりキリアンマーフィーの澄んだキョドった目が印象的で、ナイスキャスティングだと思う。
この手の映画にわりと若い客が映画館に多かったのは良い事。
日本で放映されるのか心配されていましたが、ふたを開けてみれば、かなりの人が見に行っているそうですね。
私はこれはいいことなのかなあ、と思っています。
もちろん、賛否両論あるわけですが、それぞれの人が考えて書いたレビューは、読みながら、みんな何かしら感じるところがあります。
レビューに書かれている通り、若い人が多いのはうれしいですね。