「パンドラの箱を開けてしまったプロメテウス。」オッペンハイマー ガッキーさんの映画レビュー(感想・評価)
パンドラの箱を開けてしまったプロメテウス。
本作の感想で、宮崎駿監督のスタジオジブリ作品の「風立ちぬ」を引き合いに出している人が散見される。
あちらでは、「零式艦上戦闘機(零戦)」の生みの親として知られる、堀越二郎の物語が描かれた。
零戦は1万機以上、作られたと言われ、即ち、その同等に近い数の兵士の命が散っていった。
とてつもない罪を背負ってしまったのだ。
これは、原子爆弾という悪魔の遺産を開発してしまったロバート・オッペンハイマーにも、同じ事が言えるのでは無いだろうか。
ちなみに、本作の劇中で、オッペンバイマ―はギリシャ神話に登場するプロメテウスにたとえられている。
ただ、映画としては力作だとは思いますが、いくらいつものノーラン作品とはいえテクニックに凝りすぎていて、せっかくのドラマパートを阻害しているような気がします。
テンポが早い、台詞も登場人物も多く、複数の人物の視点が展開され、時系列もシャッフルされ、とどめに3時間という長編。
極めて複雑で難解、鑑賞後は凄まじい疲労感に襲われた。
早い話が、もう少し分かりやすく作って欲しかった。
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