劇場公開日 2024年3月29日

「「理系は文系に使われる」」オッペンハイマー ぽちゃ子さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「理系は文系に使われる」

2024年4月2日
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鑑賞方法:映画館

と、母校の世界史教員はよく言ってたことを思い出した。
オッペンハイマーは、自らに重要な決定権があると思いこんでいたんだろう。
薄っぺらい罪悪感に唾を吐きかけたくなるトルーマン大統領のほうに共感。「清濁併せ呑んで覚悟を決めたのはお前じゃない。俺の苦しみに較べたら屁でもない」と言いたかったんだろうなぁ。常にトロッコ問題に答えを出すような立場だから。「あの泣き虫坊やを二度とよこすな!」は最高の引導だ。

クリストファー・ノーラン監督ならではの時系列の多重性が「宇宙のパワーを使った」新兵器という本作のテーマにピッタリと思いつつ、インセプションほどの没入感は味わえなかった。
年を取ったからか、3時間の集中は持たなかった。そして誰が誰だかわからない。ごめんなさい。

原爆という主軸よりも、妻キティの魅力にぞっこん。強く、知的で、激しくて、セクシー。
聴聞会の切った張ったの応酬が最高。

最後に。日本人であれば、「原爆はあんなもんじゃねーよ」と感じたのでは。クリストファー・ノーラン監督には、『はだしのゲン』と『この世界の片隅に』を完読していただきたかった。

「過ちは繰り返しませぬから」これだけは、死ぬまで守りたい。

ぽちゃ子
Mさんのコメント
2024年4月3日

個人的には「夕凪の街・桜の国」の「夕凪の街」の方もぜひ入れて欲しいと思いました。映画の方ではなく漫画の方。

M