「人間の愚かさに泣けてきた…」オッペンハイマー ぴーちぱいさんの映画レビュー(感想・評価)
人間の愚かさに泣けてきた…
こんなことのために
なんの罪もない普通の人たちが
原爆で無惨に殺されなければならなかったのか…
こんなことのために
稀に見る天才科学者は
自分の頭脳を消耗しなければならなかったのか…
要は、国と国との覇権争い
劇中での「サイエンス ギャンブル」という言葉が印象的だったが、
まさに巨額の金を賭け、
自国こそが世界の覇者となるべく、
狂ったように猛進した
その結果が、広島、長崎の悲劇である
…なんか、愚かすぎて泣けてきた
最初の爆発実験では、大気に引火する可能性が
ゼロではなかった
計算通りにいかない、
予測不可能なことが起これば、
今頃、地球ごと燃え尽きている
…恐ろしすぎる!
アメリカ側から見た原爆ストーリーは
あまり知らなかっただけに、衝撃的だった
科学者には越えてはいけない一線が
絶対にあると思う
オッペンハイマーという人もまた
神なのか、悪魔なのか…という人物だ
天才だが、人間的に好きにはなれない
原爆を夢中で生み出してしまったが、
それ故に苦しむ道徳心はある
キリアン・マーフィーのこのあたりの演技は素晴らしかった
また
アインシュタインの、トム・コンティが
ピリッといい味を加えていた
オッペンハイマーの内面の苦しみを
セリフではなく、
映像や音楽でダイナミックに表現したり、
時間軸が交錯するあたり、
クリストファー・ノーラン監督だなぁって感じがした
ロシアがウクライナに核をチラつかせて
戦争をしている現在だからこそ、
この映画は今、見るべきだと思う
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