「正直物足りない」オッペンハイマー ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
正直物足りない
日曜のレイトショーの評価は眠くなるかならないかにかかってきてそうで怖い。が、眠くなったのはなったんだよな。実験成功まではIMAXの画面から音が凄まじく寝てる場合でもないのだけど、それ以降の栄光と没落という意味での没落パートも実はそうはならないように緩まずガンガンに攻めてくるのだけど、眠さは止まらない。
公聴会やら裁判やら、時代をポンポン飛ぶ聞き取りとディスカッションの映画でもあり、演出というか編集というか仕上げというか、セリフ劇のオペラというか、かなりMV的でもある。随時音楽に誘導され、火花がフラッシュして画面を横切り、じっくり見せるのが怖いのか、退屈されるのが怖いのか、とにかく3時間切間のないクリップと言って差し支えない、ひょっとしたら配信で見たら楽しいのかもって感じの映画かも。
そもそも映画の主人公としてのオッペンハイマーに魅力があったかは微妙。仮に零戦の開発者としての「風立ちぬ」の堀越二郎を並べてみても、天才描写や悪魔に魅入られる天才感が薄い。そして悪魔の発明の負の部分が、まあこの映画ではこれで(見せない方式)いいのだろうけど、全編を通して原爆の悪魔の発明感やヒールとしての主人公が、かつてノーランが描いてきた悪役よら面白くない。正直赤狩りパートは時代なんだろうけど、ここがあるから中途半端な感じがした
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