劇場公開日 2024年3月29日

「オッペンハイマーが抱えたものを描いた作品」オッペンハイマー ごはんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5オッペンハイマーが抱えたものを描いた作品

2024年3月31日
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鑑賞方法:映画館

IMAXレーザーGTで見る映像、震えるような音響体験は圧巻だったけど、このスクリーンなら本作よりたぶんDUNEのほうが良さを体感出来ただろうなぁって感じ。

内容に関してはやはり被爆国で暮らす人としてはお気楽な事は言えないなぁって作品。

とにかく原爆はもう現実にあり、投下された事実から地続きの世界に生きていることはしっかりと受け止める必要はあるなと感じた。

もしオッペンハイマーがいなかったら科学者になっていなかったら、今原爆は生まれてないのかな?それともやはり誰かが作れる事に気がついてしまうのかな…?とか考えたらしながら見てました。
被人道的だからやらないだけで、今でもこう言う恐ろしい発見とかってされてるのかな??

本作はあくまでも原爆の脅威とかではなくてオッペンハイマー自身、心境を映した作品なので、広島長崎の映像は描かれないってのもわからなくはないけど、やはりどんな残酷なものを作ってしまったのか、どんな結果を残してしまったのか、しっかり描いてこそのオッペンハイマーが抱えてしまったものの大きさが描けるのかなとも…
オッペンハイマー自身、科学者として見えてしまう悲惨なビジョンは描かれるが、ちょこっとなのでやるならエグいくらい描いて欲しかった。ノーランならやれるだろうに。

天才には天才の苦悩がある。
科学者というのもあるが、とにかくその実験の先が見えてしまっている、もちろん可能性だとしても他の人より鮮明に先の事が見えてしまっているのはある種1人でその恐怖を抱えなければいけない苦しさがあるんだろうなぁ。一方で恐ろしい発見だとしても、気がついてしまったら確かめたくもなるのが科学者なのかもしれない。

とりあえずこの作品内の特に終盤の話とかは一回では理解しきれなかったので、解説とかで補足しようと思う。

すごい何かを期待していた割には…といった感じだけど、3時間集中させるだけの何かはあった気がする。

日本人としては〜と言いたくもなるけど、
あくまでも1人の科学者を映した作品としてくらいで見るのが良いのかもしれない。
タイトルもオッペンハイマーなわけだし。
まぁ難しい題材だ。

本作ロバート・ダウニー・Jrがアカデミー賞助演男優賞受賞してたけど、なんかそこまで目立たなかったというか…もちろん活躍はしてるんだけど。うーん。好きな俳優なだけにちょっと寂しい感じでした。

ごはん