「核実験で終わりではありません」オッペンハイマー cookieさんの映画レビュー(感想・評価)
核実験で終わりではありません
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核分裂(原爆のエネルギー源)、核融合(水爆のエネルギー源)といった時間軸が交互に移り変わる中で、多くの登場人物が出てくる。さらに量子力学、時代背景などの知識もなければ完全に内容を理解するのは難しいかもしれない。
だけど、構造は単純で、基本的にオッペンハイマーとストローズの視点でストーリーは進む。
フィルターカラーで変化をつけているので、なんとなく理解し、楽しむことができる。
ただ、私は時間軸の変化に少し混乱した。例えばストローズ視点でアイシュタインとオッペンハイマーの会話シーンが出てきた時(映画序盤の方)。私はこの会話はロスアラモスでの核実験前の話かと勘違いしてしまってました笑
映画自体は、核実験後、オッペンハイマーの人生がマイナス方向へと向かっていくパートがむしろ魅力的だと思った。
集会シーンでのオッペンハイマーの心情描写とか印象的。
アインシュタインというキャラクターも重要。結局、亡命や兵器といった差異はあるものの、オッペンハイマーはアイシュタインと似たような人生を辿ったのだから。
原爆という視点からいうと、やはり日本人にとって辛い気持ちになるところはある。
しかし、原爆が作られ、投下されるという歴史的な事実をテーマにしてアメリカの目線でそれを描いてるのだから、仕方がないかも。それを理由にこの映画をみないというのは違うかなーと。あくまで私個人の意見です、、。
これはオッペンハイマーの人生を、原爆というテーマにそって描いた作品。ノーランは本当に彼の人生を映画にしたいと思ったんだなと感じられる映画です。アカデミー賞を取るだけの価値あるものだと思います。
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