「作られるべき映画ではなかった。」オッペンハイマー JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)
作られるべき映画ではなかった。
どうして失ってから気づく人物の話を今更描くのだろう。
観ていて、高畑勲の「かぐや姫の物語」のことを思い出した。
あそこまで愚直に社会のグロテスクさを描こうとした作品はあっただろうか。
罪と罰を、被害を受けた側の視点から描いた作品である。
と、この作品を思い出してしまったのもきっと、
宮崎駿とノーランを重ねていたからだと思う。
映画にナルシズムは要らない。
被害を描くには、ある程度の具体が必要なのだ。
これが映画が上手くなるということなら、
映画など上手くならなくていい。
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