劇場公開日 2024年3月29日

「いわく付きの作品が本国から8ヶ月遅れで ついに公開」オッペンハイマー Jettさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5いわく付きの作品が本国から8ヶ月遅れで ついに公開

2024年3月29日
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鑑賞方法:映画館

一度は観ておけばいいんじゃないかと思います、私は2度と観たくないと思ったシーンがあるので、ノーラン作品で残念ですが、たぶん2度と観ないと思います

3時間の長尺は大して気にならず、体感もっと短く感じました

IMAXで観ましたが、たしかに画角のダイナミックさと脳天から踵に突き抜ける様な音響は凄かったけど、いつもほどの驚きは感じませんでした、直近で「デューン/砂の惑星 part two」を2連チャンで観たからかな、あっちが凄すぎたんだと思いました

これまでのノーラン作品はごっつゴツで尖りまくり、みたいに毎作衝撃を受けましたが、本作は かなり毛色が違っていて、テーマもテーマだから仕方ないですが、とても優等生な印象を受けました

本作とノーラン過去作との決定的な違いは今回ノンフィクション原作の伝記ドラマ、なので当たり前ですが、これまでの様なキテレツでファンタジックな作品とは全然違い、シリアスでリアルなド直球の“オスカー作品賞獲るだろうね”作品になっています

でもノーラン監督なので時系列行ったり来たりがあったり、キリアン・マーフィさん演じる主人公オッペンハイマーの視点はカラー、ロバート・ダウニー・Jrさんが演じるルイス・ストローズの視点はモノクロ、と意味付けされた絵面の切替もあり、ノーラン・テイストはこれでもかってぐらい堪能はできます

全般的に会話のシーンが多く、特にラスト1時間ぐらいはずっと公聴会みたいなシーンが続くので、退屈でダメな人はダメかもしれないし、馴染みのない世界で登場人物も多くワケが解らなくなっていて、つい寝落ちしてしまう人も多い気がします

キャスティングはオスカー主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィさんの演技がさすがだったのと、その他 超豪華なアンサンブル・キャストに大満足、特に大好きな女優さんのエミリー・ブラントさんとフローレンス・ピューさん、2人ともすごく美人で毅然とした演技がメチャクチャ合ってて今回も素敵でした
フローレンスさんはデューンにも出てるので最近しょっちゅう観ててたいへん満足、しかも本作ではエマ・ストーンさんに負けず劣らずの体当たり演技で自分にとってはある意味それが一番衝撃だったかもしれません(苦笑)

最後に、
いろんな見方や考え方・感じ方もあるし、それは人それぞれなので誰かと熱く議論するつもりはありませんが、ただ自分が感じたこと・思っていることを手短かに記載だけしておきますと

広島と長崎に原爆投下し日本が降伏、戦争が集結し、多くのアメリカ人の無駄死にを防いだヒーローとしてオッペンハイマーが登壇し民衆から拍手喝采を受けるくだり、全員が立上り狂喜乱舞するシーンは正直気分が悪くなりました、たぶん生涯2度と見ないと思います

そもそもは自衛が目的で開発を始めたとはいえ、どんな理由があろうがこの開発と実行した行為を私は自分が知りうる限り人類最大の過ちだと思っています

Jett