「圧巻の180分に詰め込まれたドラマに唸る」オッペンハイマー よしてさんの映画レビュー(感想・評価)
圧巻の180分に詰め込まれたドラマに唸る
日本人としていくつか文句を言いたくなったり、複雑な感情を持ってしまう登場人物の言動や描写があることは事実です。
しかし、本作が評伝をもとにした作品として、下手に歴史を修正したり、現代の価値観を意識したりせず、映画的な省略や演出がありながらも当時のありのままに忠実に描いていることがわかります。また、オッペンハイマー本人が必ずしも核兵器に対しポジティブな意見だけを持っているわけではないことがキチンと見て取れる作品でした。
それを踏まえた上で、見事にお話が詰め込まれた映画であったと思います。アカデミー賞の主要部門を受賞したのは納得の一作です。
トリッキーな作品構成も登場人物の多さなど、ついていけないような感覚に陥る部分はありますが、まったくの予備知識なしでもこの物語が何を伝えるもので、どういう帰結を迎えたのかを受け取ることは難しくないです。
ここは監督の流石の手腕というところでしょう。
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