「期待度○鑑賞後の満足度◎ 『首』裏バージョンと言えるかも。もっとふざけるかと思っていたが、泣き笑いのエンタメ時代劇として大変バランス良く出来ている。」身代わり忠臣蔵 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
期待度○鑑賞後の満足度◎ 『首』裏バージョンと言えるかも。もっとふざけるかと思っていたが、泣き笑いのエンタメ時代劇として大変バランス良く出来ている。
①これ迄の「忠臣蔵」では殆ど描かれたことがない吉良家の家臣団とその家族に光が当てられたことに一番感心した。
②クライマックスの「あの」シーンや、男なら一度はやってみたいと思う“あれ~ッのシーンはちょっとハシャギ過ぎのきらいはあったけれど。
③基本コメディではあるが、端々に江戸幕藩体制・武家(階級)社会の抱える問題(現代の視点から見ると問題ではあるけれども、当時の武家社会では皆あれが当たり前だと考えていたわけだけれど)を冷静に見ている視線が感じられるシーンがさりげない挿入されているので、ただのおふざけ映画に堕していない。
④ムロツヨシは、最初はいつものワンパターン演技かと思ったが、予想外に抑制のきいた演技で映画のトーンを引っ張っており少し見直した。
⑤“赤穂浪士吉良邸討入り事件”所謂「忠臣蔵」は当時の様々な事情が重なり絡まって起こった事件だけれども、それを題材にしたエンタメ映画としてはこれはこれで良いと思う。
本作で「忠臣蔵」に興味を持った人はもっと掘り下げて勉強していけば良いし。
⑥史実では吉良上野介はそんなに悪い人ではなかったらしいし、私、個人的には「“殿中であんなことをすればどうなるか”分かろう筈なのに、自分をコントロール出来なかった浅野内匠頭が直接的には一番良くなかった」と思っています。
“上”が無能だと“下”が苦労したり割りを食うのは現代のサラーマン社会でも同じ。
封建的な武家社会では固定した階級制度のお陰でバカ殿でも殿は殿という問題点があったが、現代では無能でも要領が良ければ人の上に立てるというのが問題点だ。